<やっと読み終えた本> 『源氏物語 九つの変奏』(江國香織・角田光代・金原ひとみ・桐野夏生・小池昌代・                                  島田雅彦・日和聡子・町田 康・松浦理英子)


先日借りた『源氏物語』は、読み進められないうちに返却日を迎えてしまった。


紫式部さんと林望さんには申し訳ないけど(笑)「いつまでウダウダ言ってるんだろう…」と思ってしまったのだ。


こちらの本は、『源氏物語』の内容に沿ったものあり、ヒントを得て現代のお話にしたものあり、さまざまな書きぶりを読めたので、自分の読書嗜好を改めて知る機会ともなったのは嬉しいオマケだった(笑)。


私が好きなのは、桐野夏生さんが書かれた「柏木」。女三宮の独白で話が進むのだけど、若い頃はモテモテでバリバリだった光源氏であればそりゃそんなオジサマになってしまうだろうなぁ、と、そのイヤミな感じがありありと思い浮かべられたのだった。


こっちは何も知らないままに来てるんだから、経験豊富で知識もたっぷりのあなた様が教えてくださらなければ、いつまで経っても何も覚えられないに決まってるじゃないの。…と、女三宮さんの足元にも及ばない気品の私が(笑)、彼女の代わりに言ってあげたくなる。


あなたが親切にしてくれてれば、心にすきま風が吹くこともなく、その隙につけこまれることもなく、あなたのプライドが傷つけられることもなく済んだのに……。


目の前のひとには心をこめて接するようにしましょう! って話ではないのかもしれないけど(笑)。