北海道美唄市地域おこし協力隊のジェイムズ・マッキンタイアです。来日し4年が経ちます。日本語ができなかった当初から現在まで、様々な立場で外国人としての日本暮らしを経験しているので、その経験を生かし外国人と日本人の共生社会に貢献したいと思い、本ブログの執筆に当たっています。

 

 

 

「君、日本語喋れますか」

「えーと、どういう意味ですか」

日本語で喋っているのに「日本語喋れるか」という質問が通じない。

 

笑ってしまうかもしれないが、この話しは実際にあった話しだ。日本に来て1年目の僕の話しだ。

 

やさしい日本語体験談1

京都にはずっと行きたかった。昔ならではの町並みを見て歴史に富んだ空気を味わいたかったから。来日して半年経っていた時に文化の日の3連休を使って行ってきた。

当時は日本語の勉強を何回も後回しにした後にやっと本格的に勉強し始めた頃で、日本語を話したい気満々だった。駅では「京都までお願いします」と新しく覚えた日本語を使って切符を購入。小さなことだが、僕の日本語が通じたことはあまりにも嬉しくて「やった!!!」と心の中で喝采を上げた。

 

日本人の使命

駅員と日本語で会話するなんて大したことないと思う方もいるかもしれないが、外国人にとっては「京都までお願いします」の一言でも大喜びになり得る。日本語を勉強している外国人は日本語が通じた、会話できたということほど嬉しいことはない。そういうわけで、外国人観光客に対して日本人が担う役割の一つは、日本語で会話させることだ。単純なやりとりでも、日本人と違う我々外国人にとっては特別な思い出であり、日本語の好きな気持ちを深めるきっかけになる。

 

やさしい日本語体験談2

何回切符を見てもどの電車に乗ればいいか書いてない。どうすればいいか分からず適当に東京とは逆方向に向かう電車が止まるホームに立って最初に来た電車に乗った。席に座って電光掲示板に表示されていた停車駅を熱心に見ていた。すると、京都に止まらないことに気づいた。その途端にドアが閉まってしまった。

「バカ!」と自分自身に対する怒気が沸き上がるのを押さえながらながら次の駅で下車。

 

 

噛み砕いたやさしい言葉

漢字は、当然外国人を困らせる。店舗などにお知らせを貼る時に次の二つのことを工夫して外国人に分かりやすいようにするといいだろう。1つ目、ふりがなをつけることだ。漢字が読めないけれど、ひらがなは完璧に読める外国人が山ほどいる。もう一つの理由は調べやすさだ。中国語ができる人が漢字を見て分かるが、漢字の文化のない人は知らない漢字をスマホで調べるのだ。

2つ目、難しい熟語を簡単な文章に書き換えることだ。たとえば、下の文のように言い換えたらどうだろう。

「立入禁止」ー 「入らないでください」

「定休日」 ー 「休みの日」

 

やさしい日本語体験談3

去った問題の末、熱海駅で下車した僕。食欲を覚えて電車を待っている間に街に食べに出ることにした。駅に戻った時に改札口に入ろうとしたら、エラーが表示されてゲートが閉まってしまった。もう一回切符を入れてみたら結果が一緒だった。近くの駅員に「すみません。」と呼びかけた。

そうしたら、こう言われた。

「君、日本語喋れますか」

「えーと、あの、どういう意味ですか」

当時は「喋ります」という言葉は分からなかったのだ。

その後、その駅員は英語で話してくれて問題は解決できたけれど、その経験を機に「喋ります」は記憶に焼き付いている。

 

 

 

「わからない」は様々な形がある

「喋ります」は難しい日本語では決してない。しかし、僕の場合は通じなかったわけだ。「日本語を喋れますか」を言い換えると「日本語が話せますか」「日本語が分かりますか」「日本語が大丈夫ですか」というのがある。こうして通じるように言い換えるのはやさしい日本語だ。僕の場合、英語が喋れる駅員がいったこともあったわけだが、どの場合もそうとは限らない。あなたは英語に自信がないなら、上のように色々な言い回しを試してみてはどうだろう。さらに日本語があまりできない感じの外国人が日本語を話したがっているような場合は、気をつけてほしいのは一回通じなかっただけでダメだと決めつけないことだ。分かる表現もあれば、分からない表現もあるので、目の前にいる相手に分かる表現を探ってみるといいだろう。こうして会話するのは最初は違和感があるかもしれないが、話しているうちにキラキラと輝く相手の表情に心が動かされるだろう。