日本語が少しできる外国人に対して分かりやすい「やさしい日本語」を話すことは得策かもしれませんが、日本語ができない人に利かないという欠点があります。日本語が話せない外国人と話す時は外国語での対応が必要になってきます。日本人の間に英語に対して苦手意識があるようですが、日本人全員が少なくとも中学校で英語を勉強しているので全く分からないわけでもありません。英語力の高い低いと関係なく、知っている英語を使って話すということがやさしい英語です。そのやさしい英語について勉強するために6月26日に美唄市郷土史料館で「美唄市の歴史をやさしい英語で伝えよう」と題した講座が開かれました。 

 

美唄市の初やさしい英語の講座では、まずやさしい英語の仕組の説明から始まりました。やさしい日本語と全く逆の発想で言葉に苦労する相手に合わせるのではなく、自分が難しいという部分を補うための話しやすい英語で、少ない単語で多くのことを伝えるという考え方です。能力検定試験と違って、点数が付けられないので文法よりも伝えることの方が重視されています。正しさを気にせずにとにかく知っていることだけ口に出して、足りない部分をジェスチャーなどで補うようにします。これだと、まともなコミュニケーションが取れないと思われないかもしれませんが、大事なことを伝えるならともかく、単純なコミュニケーションをするには十分なやり方です。 

 

頭だけで理解することに限度があるので、できるだけ実践できる場を作るように心がけまています。それで、滝川市国際交流協会ラブ・ライアンさんに来ていただき、美唄市地域おこし協力隊のジェイムズ隊員と一緒に英語で市民と交流しました。郷土史料館の展示を見ながら英語で話すことは参加者にとって大変だったかもしれませんが、その様子を見せずに楽しく一生懸命に英語で話そうとする姿勢に感動しました。 

 

最後に行った振り返りの中で「もっと企画してほしい」という声が出た中で、やはりこのように実際に外国人と交流できる機会が求められているのだなと感じました。美唄市民の参加者にとって知らない存在である滝川市のラブさんと話す機会はきっと面白かったでしょう。海外に自由に行き来できないコロナ過の中でこそこのようなイベントで日常を抜き出した気分になることが大事なことだと思います。