虹の向こう側。
私は、小さい頃
虹は歩いて渡れるものだと思っていた。
雨上がりのあの日
キレイな大きな虹が出ていた。
まだ幼かった私は、一緒に遊んでいた友達と
「虹を触りに行こう!」
と、走り出した。
とても遠くに見えていた虹がどんどん近くなって
自分と友達が一列になって
虹の上を歩く楽しい光景が
どんどん大きくなる。
わくわくが止まらない。
でも、虹に辿りつくことは出来なかった。
いっぱい走って、歩いて
こんなに遠くまで来たのに、届きそうで届かない。
幼い私は、虹を触ることを諦めてしまった。
そんな遠い遠い虹を、
かわいいかわいいリンちゃんが
渡って行ってしまった。
遠くの地にしかお友達がいないあんずに
初めてできた近くのお友達。
本当に近くて、いつでも会えると思っていた。
今日、会わなくても
来週、会えるはずだった。
ブログの更新をしなくなってから私は
それまでマメに撮っていた写真をあまり撮らなくなった。
撮るとブログを書きたくなってしまう。
そんな思いからだったが、当たり前のように
お友達に会っても、撮らなくなってしまい
カメラを持ち歩くこともなくなってしまった。
私のファイルにあるリンちゃんは、この一枚。
リンちゃんは、大病を患うことで
私に食べることの大切さを教えてくれた。
リンちゃんの病気がなければ、
今のあんずの手作りご飯はなかった。
その教えは、あんずの一生をも左右するような
大切な大切なこと。
その命をもって教えてくれたことに
感謝しても感謝しきれない。
リンちゃん、ほんとうにありがとう。
大きな病気は、リンちゃんをすごく苦しめたね。
でも、ものすごい頑張りで
最後まで命の限り精一杯闘っていたね。
どんなに辛くても、文句も言わず
泣き叫ぶこともせず
精一杯闘っていたね。
その姿は、どんなに痩せてしまっても
とても逞しく、
私は心から、復活する日が来るものだと
最後に会った日にも思っていたんだよ。
リンちゃんがいなくなって
私ですら寂しくて悲しくて泣いてしまうのに
リンちゃんの大切な家族のみんなは
もっともっと寂しくて悲しいだろうね。
でも、心配しないでね。
リンちゃんの大切な家族のみんなが
早く涙を流さずにリンちゃんのことを話せるように
私も応援していくから、安心してね。
虹の向こう側は、どんなだろう。
リンちゃんは楽しく走り回っているだろうか。
たくさんのお友達と会えただろうか。
きっと、
あたたかい風が頬を優しくなでる
広い広い草原で
やわらかい光に目を細めながら
キラキラと笑ってるよね。
リンちゃん、大好きだよ。
生まれてきてくれて、ありがと。