7. クチナシ
クチナシの花をご存知ですか?
初夏になると、白い花を咲かせます。その匂いは、朝の眠さも吹き飛ぶほど素敵な匂いです。
私の学校へ行くまでの通学路には、クチナシの花が左右の花壇に植えられています。気づいたらいつもパッと花を開かせて、その花を見ると、ああ、夏だなといつも感じています。
好きな花はたくさんあるけれど、私はクチナシの花が一番好きです。
でも、学校のみんなはあの花の名前を知りません。
「いい匂いだね。何の花かなあ?」
と言っています。
少し優越感?一人で微笑んでいるのは、秘密です。
朝、学校へ行くときも、夕方、学校から帰って来る時も、そのたった一瞬の通り過ぎる所で、私の心は満たされて、幸せな気分になります。
あと半年ほどの中学校生活であの道を通るのは、何回になるでしょうか。
そう思うと寂しくて、ちょっぴり悲しいです。
でも、私は毎年六月の半ばに原点に戻るようにしています。四つ葉のクローバーを探しながら、家の近くにある坂の所に座って、大きな空を見上げるのです。
そこで本を少し読んで、思い出に浸ります。
ロマンチスト?母は昔からだと笑っていました。
中学校を卒業したら、クチナシの咲くあの通りを、中学校の原点として、私の心の中にずっと留めておきたいなと思います。
小学校は坂
中学校は通り
次の原点はどこになるんだろう?ちょっと楽しみです。
咲坂 葵
次の羅針盤の文字は、し。
