お尻の奥にある中臀筋を、
前屈を制限するのは、腿の後ろ側のハムストリングと
呼ばれる筋肉群です。
これらが硬くなると前屈がうまくできなくなります。
これらの筋肉をゆるめてみましょう。
壁に手を触れて前屈=「脳をだます」
イラストのように片方の手を壁に置き、
これで前屈をしてみます。
どうでしょうか。最初にチェックしたときに比べて深く曲がりましたか。
筋肉の中には、筋紡錘という、筋肉をコントロールするセンサーがあって、これが働いて私たちの筋肉をダメージから守ろうとします。
たとえば電車に乗って、
眠くなってうつらうつらしていると、首がくっとして
「はっ」と目を覚ますことがあるでしょう。
これは首の筋肉が伸び切ってしまおうとするときに、それが必要以上に伸びすぎないように、筋肉の中の
にあるセンサー、筋紡錘がストップをかけるのです。 ・
筋肉が必要以上に伸びないようにするセンサー、
これももちろんとても大切なの
ですが,前屈しようとするときにはむしろ邪魔になります。壁に手を触れることに
よって、「自分はこんな姿勢を取っているんだよ」というもうひとつの情報を脳に
教えてあげます。
すると脳は安心して筋肉の緊張をゆるめるのです。
奥歯でティッシュを噛んで前屈「脳に意識させる」
ティッシュを奥歯で噛み、
そのまま前屈をします。
今度はどうですか。
最初にチェックしたときと比べてどちらが深く曲がったでしょうか。
これは説明がなかなか難しいのですが、
次のような仮説が考えられています。
体の中には常に緊張している場 所がいくつかあります。そのひとつがアゴの関節
です。そして前屈を制限する中臀筋やハムストリングも緊張しやすい場所です。
しかもアゴの関節は緊張していても、そのことに気づきにくく、さらにその緊張は全身に影響を与えます。
ティッシュを奥歯で噛むと、
アゴの緊張にはじめて脳は気づきます。
すると脳はそこを緩めようと信号を出します。
その結果 身体全体 中殿筋 ハムストリングも緩めるのです。(仮説)
前屈しながら人差し指を
ゆっくり動かす=ゆるんでいい、
という命令を出し前屈を行ない
これで限界かなと思ったら、
その状態で利き手の人差し指をゆっくりと動かします。 ・
頭はちゃんと下に下ろして、ゆっくりと静かに、
そして気楽に指を動かします。
・
10回くらいやっていると、
カクッと体が下がるのを感じるでしょう。
さっき限界だと思った前屈が、
もう一段階深くなりました。
また10回ほど続けていると
もう一段階下がります。
・
これは「静かなゆっくりした動きに、
リラックスした状態をつくる神経である
副交感神経が反応して、
固まろうとする体に対して
「ゆるんでいいんだよ」という命令を
出すからだと考えられています。
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