資金調達ができないブリッジファイナンスの典型的な案件 | 思うように資金調達ができない方へ

資金調達ができないブリッジファイナンスの典型的な案件

4月23日

昨日、不動産会社の課長をしている長年の知人から相談がありました。

某リゾート地の運営委託サービスつきホテルを、

某上場会社に売却する案件で、

その内装費や建築費のための約2億円の資金調達を希望する案件で、

融資期間の希望は約6ヶ月です。

 

まずは、知人にいくつかの質問をしました。

①出口の会社の与信は高いか?

上場会社で内容も悪くなくこの点はOK

②事業主体の資金調達が必要な会社の与信はどうか?

2億円の資金調達して、万一売却がうまく行かなくても、当面の利払いは可能な会社かどうか?  難しい会社とのこと

③売買契約の締結は済んでいるか?またその契約内容はどのようなものか?

まだ未締結で、現在は買付け証明が入っているだけの状態

④ホテル用地は担保価値があるか?

リゾート地でとても土地だけでは2億円の価値はない

 

ここまでお読みいただいてこの資金調達はどのように感じられますか?

タイトルのように、現時点では100%資金調達は無理と言っても過言ではありません。

 

その理由は次のとおりです。

①資金調達が不調だったり、他の要因でホテルの工事が完成しない場合、土地だけでは融資希望額2億円の評価がない。

⇒完成して初めて価値が出る

⇒例えば東京都内の物件であれば土地だけでも評価が出る場合がある

②事業主体の会社は、2億円の融資を受けても、売却が不調になった場合、直ちに利払いに窮する状況である

⇒売買が決済されない限り、事故が起きる可能性が高い案件である

③買付け証明が出ているだけで売買契約が未締結

ブリッジファイナンスは、そもそも与信が高くない債務予定者が、売買資金が入ることを唯一の拠り所として行われるファイナンスです。

買付け証明⇒売買締結に対して法的に無効力であるため、現時点ではまったく要件を満たしていない案件と言うことになります。

 

ではどうなれば良いのかというと、

何よりも売買されない場合の違約条項などで、ブリッジファイナンス希望額の2億円の融資が、担保されている内容の売買契約が締結されないと、検討の遡上にも乗らないことになります。

 

この種のブリッジファイナンスの案件はほとんどの場合できないのは、

そもそも、この案件で言えば2億円の融資を借りる与信がない会社が、絶対に売買されることが証明できる売買契約が締結されていないことが多い。

また契約は締結されていても、売買がされない場合の違約条項に、2億円の融資金が担保されていない内容の場合がほとんどだからです。

 

この辺りはファクタリングとよく似ていて、いわゆる確定債権かどうかがポイントになるように、ブリッジファイナンスにおいては、出口、つまり売却先に売却することが確定しており、万一外れても違約条項で、ブリッジファイナンス分の金額が担保されていないと資金を出すところはないのです。

ただし、資金提供する者が、当該物件をファイナンスする金額、この案件であれば2億円でなら買い取りたい意向が強ければ、ご案内している諸々の条件は緩和されることがあります。

だから当該物件が都内23区の物件のように、担保価値も流動性も高い場合は良いのですが、リゾート地の物件となると、有名なリゾート地でもほとんどの場合流動性が高いとは言えずNGになることが多いのです。

 

またお気をつけいただきたいのは、このようなコンディションの案件なのに、何とかなりそうだと安請け合いするコンサルタントの存在です。

ひどいコンサルタントになると、今日ご案内している案件を、銀行やORIXや、中にはASAXのような不動産担保融資専門のノンバンクに持っていく頓珍漢な場合があるので、人間ややもすると、耳障りの良いことを言ってくれるコンサルタントを信用しがちですが、今回の案件の正解は、今回融資を受ける会社の人脈以外では、不可能と言うのが正解です。

できない資金調達を、できるというコンサルタントにはご注意を・・・・・

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