青面金剛様を拜むときに唱える「庚申御禱経」は、所謂和製の擬経ですが、実際の功徳のある祭文です。庚申の日などに唱えると良いです。合掌

【記】

庚申御禱經(こうしんおいのりきょう)

夫れ庚申と謂ぱ(それこうしんと いっぱ)
大日覚王の教令神なり(だいにちがくおうの きょうれいしんなり)

内に白業(うちに びゃくごう)
清浄の慈心を含み(しょうじょうのじしんをふくみ)
外には青面金剛の(そとには しょうめんこんごうの)

尊軀を現す(そんくをあらわす)
垂迹は本朝 國津神の祖神(すいじゃくは ほんちょう くにつかみのそしん)
猿田彦大神と申し奉る(さるたひこおおかみと もうしたてまつる)
其の干支に会うて(そのえとにおうて)
一夜の睡眠を凌ぎて(いちやのすいみんをしのぎて)
禱れば如何なる求願も(いのれば いかなる ぐがんも)
成就なさしむとの御誓願なり(じょうじゅなさしむとの おんせいがんなり)

殊に我等衆生の為に(ことに われらしゅじょうのために)
五穀の豊穣を守り(ごこくのほうじょうをまもり)
如何なる難病をも癒し給う(いかなるなんびょうをも いやしたもう)
至心帰命庚申(ししんきみょうこうしん)
青面金剛尊の光明は(しょうめんこんごうそんの こうみょうは)

天地四方の國々を(あめつちよもの くにぐにを)
蔭日向無く 明らかに照らす(かげひなたなく あきらかにてらす)
眞の光りなり(まことのひかりなり)
禱る頭に現われて(いのるこうべにあらわれて)
頼む利益を下げ給う(たのむりやくをさげたもう)
朝に禱る金剛尊(あしたにいのる こんごうそん)
夕べに祭る庚申尊(ゆうべにまつる こうしんそん)
我が身に守る御誓い(わがみにまもる おんちかい)
國泰平に治まりて(くにたいへいにおさまりて)
衆安かれと庚申に(しゅうやすかれと こうしんに)

実に百八の御数珠を(げに ひゃくやっつの おんじゅずを)
掛けし誓は天地の(かけしちかいは あめつちの)
内に生きとし生きる者(うちに いきとしいきるもの)
活とせ活ふる者は皆(おいとせ おうふるものはみな)
嘆きの海や悲しみの(なげきのうみや かなしみの)
灘に漂う哀れなる(なだにただよう あわれなる)
身は苦しみの船に乗り(みは くるしみの ふねにのり)
智恵も力もなきの舵(ちえもちからも なきのかじ)
思ひに迫る涙梶(おもいにせまる なみだかじ)
手に取り敢えず今更に(てにとりあえず いまさらに)
遣る瀬無き身の浮き沈み(やるせ なきみの うきしずみ)
煩み患い病める者(なやみわずらい やめるもの)
助け愛わり救わんと(たすけいたわり すくわんと)
禱る心も庚申の(いのるこころも こうしんの)
恵み憐み御慈悲で(めぐみあわれみ おんじひで)
貧しき者は富ましませ(まずしきものは とましませ)
卑しき者は貴くし(いやしきものは とうとくし)
飢たる者は養なわせ(うえたるものは やしなわせ)
凍える者は温めよ(こごえるものは あたためよ)
烈しき煩み去しめよ(はげしきなやみ さらしめよ)
強き患いゆるやかに(つよきわずらい ゆるやかに)
悪しき病は療せませ(あしきやまいは いやせませ)
如何なる祟り障りをも(いかなる たたりさわりをも)
追い退け給え永劫に(おいしりぞけたまえ えいごうに)
如何なる重き罪咎も(いかなる おもきつみとがも)
許し給えや速やかに(ゆるしたまえや すみやかに)
欺かる利益を賜わりて(かかるりやくを たまわりて)
慈悲の御心知らしめよ(じひのみこころ しらしめよ)
生き永らえる現世も(いきながらえる うつしよも)
欠ける事なく喜びを(かけることなく よろこびを)
授け給われ庚申尊(さずけたまわれ こうしんそん)
誠を以て禱らば(まことをもって いのらば)
四夜叉の眷属使役して(しやしゃのけんぞく しえきして)
我等の願いを守らしむ(われらのねがいを まもらしむ)
是を思えばあらたかな(これをおもえば あらたかな)
我が庚申尊を信ずべし(わがこうしんそんを しんずべし)
ああ ありがたや庚申尊(ああ ありがたや こうしんそん)
二世の願いを愍れみて(にせのねがいを あわれみて)
守り給えと一心に(まもりたまえと いっしんに)
心を込めてお禱り奉る(こころをこめて おいのりたてまつる)
東方青帯夜叉 南方赤帯夜叉(とうほうせいたいやしゃ なんぽうせきたいやしゃ)
西方白帯夜叉 北方黒帯夜叉(さいほうはくたいやしゃ ほっぽうこくたいやしゃ)
中央黄帯夜叉(ちゅうおうおうたいやしゃ)
おん でいば やきしゃ ばんだ ばんだ かかかか そわか