作家司馬遼太郎は嫌いではないですが、作品の中にはその事実性に疑問を抱くような箇所もありました。その疑問の一つを解消させてくれたのが、『乃木希典と日露戦争の真実――司馬遼太郎の誤りを正す』(PHP)。最近、再読して改めてこの著書の素晴らしさを感じたので紹介します。本の内容は下記のHPをご参照ください。

 

 近代史の中で拙僧の尊敬する偉人の一人、乃木大将は、「司馬史観」によると将としての器に欠けているように書いてあるのですが、それらが全くの誤りであることを明快に解き明かしています。作品を若い頃読んだ時から、乃木大将の評価が著しく低いのは気になっていたのですが、その感覚が違っていないかったことを再認識させてくれた名著です。