除霊を受ければ何か変化があると期待する人がいます。しかし、実際には実感できるような効果はなかなか得られません。運勢が悪かったり、心身が病んでいたりすることなどが、すべて霊的な原因によるわけではないからです。逆に悪い方向に行くこともあります。

 特に精神的な病の疑いがある場合は、霊的な面を下手にいじると症状が悪化し、最悪の場合は命を失う結果にもなります。その人の霊界を動かすことは霊的には大きな負荷をかけることになり、結果、精神の均衡が崩れることもあり得るのです。

 だいぶ前の話ですが、仕事上のストレスで精神的に病んでしまった友人が、母親の勧めで強力な除霊を受けて、その直後、倒れて入院、およそ1ヶ月後になくなるということがありました。私は反対していたのですが、どうにかしたい気持ちが母親と本人に強かったのと、霊能者が自信満々で「治る」と太鼓判を押していたので、止める術はありませんでした。

 昼に同じ階の別の会社の女の子と霊的なことに関する話をしていた時、今日ふと、その友人ことを想いだして、今、精神的にまいっていて調子が悪いので、霊能者にでも見てもらいたい、というその子に「除霊とかは受けないほうがいいよ」とアドバイスしました。

 軽い精神的な病とみられる彼女のようなケース(具体的なことは、「ファンのみ公開」で今後書きます。)は臨床心理士らによるカウンセリングのほうが効果があります。箱庭療法などを通じて、自分で自分を癒し治すことが可能です。時間と費用はかかりますが、除霊に比べて危険度は著しく低いので安心です。

 日本でもカウンセリングが医療に準じる扱い――健康保険の対象にする――で行われ、普通に風邪でお医者さんに行くのと同じように、カウンセリングを受ける時代になれば、症状が軽いうちに精神的な病を治せるようになると思います。