RASA By HH Bhanu Swami Maharaj
「ラサ」
「ネクターオブディボーション」第2部。ラサの質の説明。
この経典のサンスクリット語の題名は「バクティ・ラサームリタ・シンドゥ」といって「甘いラサの海」という意味です。
―ラサとはー前回にも載せましたが・・・(前回の生地はコチラ)
「ラサ(芳醇さ)の中には、中立的関係(消極的称賛)、主従関係、友人関係、親子関係、恋人関係、そしてその他にユーモア、激情、不安、騎士道精神、恐怖、驚嘆、唖然があり、主シュリーークリシュナはそれらのラサの源でもいらっしゃいます。」(NODより)
魅力ある何らかの関係が自分と奉仕の対象の間に存在するために働いているのです。 その魅力ある関係かラサと呼ばれるものです。 (NODはしがきより)
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バクティ献身奉仕には、サーダナ・バクティ・バーバ・バクティ・プレマ・バクティがあり、プレマバクティでラサがあります。それは崇高なものです。
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メモ
バクティにはサーダナ、バーヴァ、プレマという3つのタイプがあります。
① サーダナ-バクティ:修練中の献身奉仕
② バーヴァ-バクティ;光悦の中での献身奉仕
③プレマ-バクティ;神の純粋な愛の中での献身奉仕
更に詳しく知りたい方はコチラ
(パスワード108108)
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●純粋なバクティが何なのか、どういう風に行うのか知っておくことは大切
私たちは「サーダナ・バクティ」修練の段階です。
「ラサ」の事を聞いて、「とても高度のものだから関係ない」と思われるかもしれませんが、この本に書かれている多くは「ラサ」についてが書かれています。最初にサーダナ・バクティ・バーバ・バクティ・プレマ・バクティについて書かれています。
そして純粋なバクティが何なのか、どういう風に行うのか知っておくことは大切です。何を達成するのか、目的も大切です。
例えば特殊なお医者さんになりたければ何らかの学科をとらなければなりません。物理、生物などの学科をとるかもしれません、そこから専門的な学科、そしてもっと特殊な学科をとるかもしれません。しかし、何を達成しようとしているか分らないまま行っていると完全に満足することは出来ません。ですから特殊な医者を目覚している人は具体的に「何になりたいか」知っているので、いいお医者さんになります。でも、両親に強いられて行っている人は、お医者さんの称号はあっても、あまりいい医者にはなれないことがあります。同じようにバクティを行っている人は‘目標を把握’していくことが大切です。
●プレマとは何なのか。
プレマとは何なのか。それは一番純粋なものです。プレマは一種の体験で言葉で定義づけられるものではありません。プレマの段階を達成するには修練を行わなければなりません。そのプレマには何個か種類があり、修練に応じてプレマを達成します。中には一般的に位が低いもの、または高いものがあります。知性がある人はより「優れているプレマ」を選び、それを得るために修練します。ですから、正しく結果を得るには「ラサが何なのか?プレマが何なのか?」理解することが必要です。完全なる理解は出来ないけれど必要なものです。
例えば薬学を勉強しているとき、学ばなければならないことがあります。最初に理論、そして応用。この二つは異なりますが、基礎的な理論があれば正しい方向に進むことが出来ます。また、知識があればバーガヴァタム(経典)に出てくる知識をより評価することが出来ます。
また、ダモダラリーラ(クリシュナの遊戯)では母ヤショーダがどのように行動しているのかバーガヴァタムに書かれています。クリシュナがどう思って感じて行動しているか書かれています。それらは「ラサ」が関係しています。バーガヴァタムに書かれているクリシュナのリーラ(遊戯)は全部ラサの事になります。ですから、ラサが何かわかれば他の献身者のバクティをより評価することが出来ます。精神世界にはいろんな感情を持つ人がいてその関係がラサを産みます。このラサが増し、変化していきます。そのラサの反射が物質社会にも反映していて、人間同士、感情、行動の組み合わせが物質的なラサの原因になります。
物質的な社会では物質的な関係を研究し、バラタ・ムニという人が演劇に関する経典を書きました。劇には物語があり、ほとんどが人間の交流するお話です。どうして特定の行動をするかというと感情があるからです。人間の感情をより表せば質の良いものになります。それを研究し論理を見出しました。劇には原則があり、いろんな部分を組み合わせることで、体験を見ていることで見ている人に味合わせることが出来ます。ヒーローやヒロインの事を体験できます。そして、物語によっては愛、憎しみ、妬みがあったり、恐れ、冗談、そして、すべてが何らかの結論に達します。
そこで、ラサの材料をバラタ・ムニは考えました。一つの感情というより、総合的な経験。感情は毎日日常で感じているので日常的なものですが、芸術的なものは普段とはレベルが違います。それは劇だけではなくアートや音楽を聴いた時にふつうの感情とは違う高位な体験をすることが出来ます。
●ラサの原材料について
バラタムニが研究した物質的なものですが精神界でも似ています。
5つの要素があります。
シャーンタやダーシャラサなど5つのラサを分析するにあたり、5つの原材料を通し分析しています。
ーーメモ
ラサの種類
(※《主要的なラサ》
中立関係(消極的賛美)、主従関係、友人関係、親子関係、恋人関係。
(シャーンタ、ダーシャ、サーキャ、ヴァーシァルヤ、マードゥルヤ)
《補佐的なラサ》
ユーモア、同情、不安、騎士道精神、怒り、驚嘆、憎悪。
(ハースャ、カルナ、バヤーナカ、ヴィーラ、ラウドラ、アドブタ、ビーバッツァ))
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●Vibhava ヴィバーバ
ラサにおいて必要なものです。かかわっている人たちをさします。キャラクターが居なければラサは存在しません。ほとんどの劇には登場人物が何人かいて、主要な人物間にラサが生まれます。例えばロミオとジュリエットはマードゥルヤ・ラサにあたります。劇はマードゥルヤ・ラサの発展。2人の人間がいて関係が生まれ、それを「スタイバーバ」Sthayi bhavaと言います。主にこれは、サンキャやダーシャなど主要なラサをさします。精神世界のスタイバーバはクリシュナが中心なのですが、物質界では憎しみなどに基づく関係かもしれませんので、主要なラサではないかもしれません。映画のヒーローがメインのラサでしたら恐れのラサコメディなどがあるかもしれません。物質的なラサの場合、メインが5つのラサ以外のラサになることがありますが、精神世界では5つのラサが主要なラサです。一度関係が築かれると関係に基づいて行動をとりますその行動を「アヌバーバ」Anubhava
と言います。
特定のラサには特定の行動があります。例えば精神世界では、キルタンやダンスはすべてのラサに共通するラサです。
・ラーサリーラ(クリシュナとゴーピーの超越的な遊戯)のダンスはマードゥルヤ・ラサだけのラサです。
・レスリングや遊びは牛飼いたちの間だけの行動なのでサッキャ・ラサ特定のアヌバーバです。
・ご飯を食べたり、食べさせたりはバッツァリアラサです
・ダモダラリーラでヤショーダがミルクを飲ませる、ミルクの火を止めるのは彼女のアヌバーバであって、他の少年たちが真似することは出来ない意識をもって行う行動です。
●Sattvika Bhava サトヴィカ・バーバ
心体的の行動、身体的体の反応を意味します。計画的なことではなく深い感情から生まれます。例えば、「泣くこと」を計画できません。自然に涙が出ること。体の震え、恐れから震えたり、肌の色が変わること、青くなったり赤くなったり。失神して倒れることなど。
「アヌバーバ」は愛情から来るのですが、無意識に出る行動を「サトヴィカ・バーバ」と言います。
これを見ることで、深い感情を持っているということが分かります。劇で俳優が感情を表します。「怒っている」と言葉にして言う事も出来ますが、あまり優れた演技ではありません。上達した役者は行動を通して、顔や顔色も変えたり、汗をかいたりすることで演じることが出来ます。もしかすると失神したりすることもできるかもしれません。
精神世界ではラーダー・ラーニーが気を失う事があります。クリシュナとの離別から。ラーダー・ラーニーの愛情の深さを表します。
●Vyabhicari Bhavaヴャビチャリバーバ
小さな障害物。これらを海の波、大きい波と小さい波がありますが小さいさざ波のほうです。
邪魔をするようなものです。これがサトヴィカバーバを産みます。マイナーな感情と言います。5つのメインのスタイバーバがありますがマイナーな感情は33個あり、良いものも悪いものもあります。いいものは喜びなど、ネガティブは嘆きなどです。このネガティブなものは主要なラサにもなりえます。このバーバを通して人の奥深さが出てきます。人々は自然と複雑な感情を抱いています。役者は複雑な感情を表さなければなりません。上手な役者はより微妙な感情、心配、妬み、決意、いろいろ言ってしまう感じ、狂気、怠け、後悔などを表現します。物質界には複雑な感情があり、精神界でも同じです。劇を書く人はいろんな要素をうまく組み合わせて感情を発展させて観客に体験させるものを作らなければなりません。精神世界ではすべて自発的です。クリシュナのエネルギーでいろんな感情が混ざり合って作られます。
ラサというのは「味わい」を意味します。舌の感覚ではなく、マインドでの体験する味わいを示します。例えばいい味が出るものを作ることにたけているのはシェフです。腕のいいシェフはいろんな材料を混ぜて作ることが出来ます。他の人も同じ材料を使っても、シェフの味にはならないことがあります。腕のあるシェフは奥深い味を作れます。材料にもよります。誰もがピザパイを作ることが出来ます。ブロッコリーなど同じ材料を持つことが出来ます。腕のいいシェフはタダノトマトではなく特定の材料を選びます。分量も正しい分量で他の材料と混ぜて、スパイスをのせ美味しいピザパイが出来ます。同じ材料でみんな作りますがおいしいもの、不味いものもあります。最終的な味は、個々の「トマトを食べてる」「チーズを食べている」というわけではなく、いろんな材料の組み合わせが味を出しています。
精神世界でも5つの材料が組み合わさりラサを作っています。
悪い組み合わせだと、塩の代わりに砂糖を入れるなど、おいしくないものが出来ます。
例えば、詩人が、クリシュナとのラサを描写したいと思いますが、間違った言葉を間違ったところにいれてしまい間違った内容になる、それはラサバーサといいます。主チャイタンニャは、お弟子さんたちに詩人の詩をチェックしてもらってから、残った詩だけを聞きました。
スタイバーバはバーバの段階で現れます。バクティはサーダナバクティから始まりますよね。聴いたり唱えたりキルタンしたり、徐々にバーバに達します。スタイバーバというのが実際クリシュナの体験です。これはクリシュナの内的なエネルギーによって構成されています。でもこのエネルギーがジーバの中に入っていきます。ジーヴァ(生命体)はこのバーバを体験します。そこでクリシュナを目の当たりにしクリシュナに伝えます。それがより成長し熟して深いラサになります。
Vibhava-Causes of Relishing Rati
• Alambana:
- Visaya: object of love
ヴィバーバは二人のキャラクター。人がいなければないものです。
1アランパナ サポート :
1ビシャヤ 愛の対象(クリシュナ)2アスラヤ(献身者)
この二つが組み合わさり、献身者がスタイバーバを体験します。でもクリシュナが居なければスタイバーバを体験することは出来ません。クリシュナと献身者両方が必要です。
2ウディッパナ
Uddipana: stimulating factors in the object of love
それを動機づけるもの。
クリシュナの質が私たちの愛を刺激するかもしれません。または孔雀の羽、主のフルートの音色とかが私たちを刺激するかもしれません。
ラサを混ぜる、あわないラサがあります。有名な例はバッツァリアとマードゥルヤ・ラサです。母はクリシュナにマードゥルヤを思う事は変です。
サッキャとバッツアリアは組み合わせがいいです。クリシュナの牛飼いの少年にはメインはサッキャですが、バッツァリア・ラサが含まれていることがあります。年下の少年はダッシャラサが混ざっていることがあります。
バヌスワミのクラスはコチラです
「ラサの材料
ヴィバーヴァ vibhava 必要人物
-ヴィシャーヤ visaya 愛の対象 -アシュラヤ asraya 愛を体験する者 -ウッディパナ uddipana 愛を掻き立てる物
スタイ・バーヴァ stayi-bhava 関係 (rati)
アヌバーヴァ anubhava 意図を持って取る行動 サトヴィカ・バーヴァ sattvika-bhava 深い感情から生まれる身体的反応
ヴィヤビチャリバーヴァ vyabhucari-bhava マイナーな感情
(アムリタさんの投稿より・ハチミツサンガさん)
いかがでしたか?
ラサ 芳潤
魅力ある何らかの関係が自分と奉仕の対象の間に存在するために働いている、魅力ある関係
プレマやラサの話を聞くと、私には関係ない話だと思われますが、「何を達成しようとしているか分らないまま行っていると完全に満足することは出来ない。目的を決めて目覚している人は具体的に「何になりたいか」知っているので、よりいい結果になるように、プレマを知ることで、最上の部分を目指していくことが出来ます。
そして様々なラサが混ざり、料理のように深い味わいが出来上がるのですね!
ラサについて「献身奉仕ー喜びの海ー」ネクターオブディボーション(NOD)に書かれていますので
是非、お求めください。寺院でのマナーなども書かれているので読んでいて面白いですよ。
エスニック雑貨ティラキタさんでも販売していますので、スパイスや雑貨、サリーを買うついでに、本も買って読んでみてくださいね。また、こちらから送ることもできますので、お問い合わせください。
ハレークリシュナ
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