お待たせしました!! 獄寺・パラリーナ・銀子の小説「黒執事 &銀魂」その2です(*^ー^)ノ♪
-前回までのあらすじ-
はるばるロンドンから来日した伯爵・シエル と執事・セバスチャン。
今回の旅行の目的はある理由からだ った…。
行き交う人々の服装や軒を連ねる家 々、馬を使わず走る車…。
どれも、シエルの住むロンドンには無いも のばかり。目に映るもの全てが新鮮 に感じる。
『本当に、我が国とはまるで違うんだ な…。あの、人々の着ているのがキモノ という服で、煙を出しながら走る乗り 物がクルマだと、セバスチャンが言っていた な』
「申し訳ありません。坊ちゃん。かな りお待たせしてしまって…」
セバスチャンが恐縮しながら口を開く。
「なあに。そう急ぐ訳でもない。もう 少し待てば空車が通るだろう」
「それに…」と、再び通りに目をやり、
「この国の文化は我が国には無いもの ばかりだ。ここに座って眺めている だけでも退屈しないな」
「さようでございますか」
そこへ、空車が一台近づいて来るの が見えた。
セバスチャンが素早く手を上げ二人は車に 乗り込み、運転手に行き先を告げると ゆっくりと車が走り出した。
シエルは座席にゆったりと身を沈めなが ら、窓の外に目をやる。
いつも乗る馬車からの眺めとは違い 、目線が低く感じる。
しばらく走ると信号が赤に変わり、 車はゆっくりと停車した。
「何だ、もう着いたのか。…ああ、信 号で止まったのか」
「おや。ご存知でしたか」
「何でもお前に聞いてばかりいるのも 癪だからな。日本の文化について、 少しは勉強してきた」
やがて信号が変わり、車は再び走り 出した。
運転手は乗客の二人が外国人と知る と、好奇心からかいろいろと話し掛け て来る。
セバスチャンはその都度愛想良く応対し、シ エルは頬杖を付きながら横に流れる江 戸の町を眺めていた。
『必ずこの町で見つけてやる。…サムラ イを』
…時間は数日前に遡り、ここはロンドン のファントムハイブ家。
その朝、いつものように書斎で新聞 に目を通していたシエルは、ある見出し に気付き捲る手を止めた。
それは「東洋のサムライ」について、ジャーナ リストが小さくまとめた記事だった。
何の事はないごく普通の記事だった が、シエルは何故か「サムライ」という言葉に ひどく興味を持った。
「セバスチャン。東洋のサムライというのを知 っているか」
セバスチャンは紅茶を淹れたカップをシエルへ 渡しながら、一瞬怪訝な表情を見せ た。
「サムライ…ですか。申し訳ありません。 私もよく…」
「何だ。お前でも知らない事もあるん だな」
「坊ちゃん、おからかいにならないで 下さい。…何故急にそのような事を ?」
「ああ…」
シエルは先程の記事を指差し、紅茶を一 口飲んだ。
「まあまあだな。…いや、この新聞の 記事だが何故か気になってな」
「さようでございますか」
「記事にはこう書かれている。[サムライ とは、キモノという東洋独特の衣服を身 に纏いカタナを腰に差し、己が魂を賭け て剣を振るう]と。僕も決闘では剣 を使う事は知っているが、このサムライの ように魂を賭けてまでというのは正 直よく分からない。…セバスチャン、僕は このサムライというものに会ってみたく なった。この東洋とはどの辺りにあ る」
「少々お待ち下さい」
セバスチャンは一礼し退室すると、間もな く地図を手に戻って来た。
「ここがイギリスです。東洋とはこちら の島国・日本に位置します」
シエルはセバスチャンが指した箇所を確認す ると、そのあまりの距離に目を見張っ た。
その3へ
続く