塗櫛のブログ -2ページ目

塗櫛のブログ

そしてYJ連載中の「テラフォーマーズ」に夢中。
テラフォーマーズ感想についてはほぼ初見の勢いで書いてますので、
文章が荒ぶっています点をご了承の上お読みください。

祝!

連載再開!!

 

お待ちしてましたありがとうございます!

でもくれぐれも無理なさらず……不定期連載でもいいので……。

 

 

 

連載再開が5年半ぶりということは、このブログを書くのも5年半ぶりということで今までどうやって書いてたっけ?と自分のブログを読み返すところからスタートしました。

 

というかブログの色々な埋め込み機能その他も変更がありすぎて色々と不慣れもあるとは思いますが改めましてこちらもよろしくお願いします。




 

 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
※以下本誌ネタばれですのでご注意願います。
 
 
 
 
 
 
 
 
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・巻頭カラー
連載再開ボーナス巻頭カラーありがとうございます!
とはいえカワイイ女の子のグラビアから前振り無しのテラフォーマーのアップはいかがなものだろうかという気はしないでもない。

・死闘、再び──。
死ぬほど嫌い、というよりは殺したいほど嫌い、という方が正しい気もする。
テラフォーマーが人間に対して向けるのは嫌悪というよりも憎悪、それを通り越した殺意という言葉の方が相応しいかもしれない。
その発端は火星という地に人間が住めるようにするという、己の種族の為だけの利己的な動機であり、そのためにゴキブリという他種を過酷な環境へ送り込み更にはその星に置き去りにした。
今抱いている憎悪が純粋にそれに起因しているのかといえば決してそれだけではないだろうが、少なくともそこに端を発していることは間違いない。
おおよそ生物の生存のは不向きなその環境の中で生き残るために短期間での進化という、種を存続させるための唯一の手段を成し遂げ、ラハブが捨てていった文明の残り火からようやく温もりを得たところで自分たちを置き去りにした人間たちが現れた上にそれを否定し、破壊する存在であれは憎むことは必然だろう。
人間側とすれば己の首をただ絞めただけだとも言えるが、そこには失われたとラハブの意図も噛んでいることを考えればたがいにとって不幸な再会だったという言い方もできるだろう。
それが偶発的なものなのか、必然的なものなのかはわからないが。

・魂は再び戦場へ…!!
小吉『自身が』闘うというその言葉、今までも彼自身が最前線に立つことはあったし、実際にその身を削って戦っていたことは間違いない。
ただ、火星での戦いはバグズ編において人生を取り戻すためのものであり、アネックス編においてはかつて失った何かを、火星に置き去りにした思い出を、その欠片を見つけに行くものだった面があったことは否めない。
もしかしたら己が失ったものがまだあるのかもしれない、わずかな欠片を持ち帰ることができるかもしれない。
そんな淡い期待を、感傷的なエゴが根底にあり、その想いに他人を巻き込んでしまったという自責の念もまた心の中にとどまり続けていたのではないだろうか。
生きろ、というかつての仲間の願いは呪縛にも等しく、それ故に自己判断という自我の根幹を他人に委ねることすら受け入れてしまう程には。
それでも燈と闘うことで、かつて追い求めた欠片は残っているのだと、己の目の前で今なおその光を絶やさずにいるのだという事を文字通り「叩き込まれ」、そして新たに得た決意。
自分を生かすためにかつて巻き込んだとも言える仲間たちが全力を尽くし、生きることを願ってくれた。
きっと、それは呪縛ではない。
生きて欲しいと願うことは純然たる願いなのだ。
小町小吉という男は、ようやく20年に渡る願いを受け入れることが出来たのではないだろうか。
だからこそ、その魂は戦場へ向かうことを厭いはしない。

・酒
多分それはジョッキで、しかもストレートで飲む酒ではないと思いますミッシェルさん。
M.O.手術を受けた人間は細胞の入れ替えというか代謝が情人よりも良い(良すぎる)からこそアルコールの分解が速いといあそういうことがあるのだろうかと思ったけれど、単にミッシェルさんがお酒に強いだけな気もする。


・戦時中
おそらく戦火に晒されているのは日本という地だけなのだろう。
もちろん中国やロシアにもテラフォーマーの存在はあるが、〈祈る者〉が軍事拠点を日本に構えた以上、そこが決戦の地になることは必然。
ミッシェルさんからすれば地球の裏側とでもいうべき距離は実感がわかないのかもしれない。
ましてや本来であれば己もそこにいただろうことを考えれば。
彼女が今戦いに参加していないその理由は、一郎が小吉を取り戻しに行くその時、彼女に話をしたことが要因であることは確かだろう。
そうでなければ国の、地球という惑星の、人類という種の存続をかけた戦いとも言えるこの状況で彼女がいまだ戦地にすら赴いていないのは、保護というその名目を彼女が受け入れざるを得ない程の何かがなければ、その手で確実に己の魂にかけて敵を、テラフォーマーを彫屠り、そして仲間を守るために闘うことは間違いないのだから。
これに関しては一郎しか知り得ないこと、それは一国の首相として知りえたことなのか、それとも本多博士と手を組み彼女の父親を裏切ったあの時から何かを知り得ていたのか、そしておそらく彼女だけに伝えたのだろうその内容を伺い知ることはまだできない。
今ある事実は、彼女はその特性を振るうことが無いということだけ。


・連合軍
国旗を確認するだけでもアメリカ、日本、(モノクロではあるがおそらく)イタリア、ベトナム、ブラジル、チェコ、トルコ、オーストラリア、チリ。
文字通り連合軍ではあるけれど、2つほど実在していない国旗がある気がする。
まあ600年後の世界だし、新しい国の1つや2つあってもおかしくないだろう。
ジョセフのいるローマ連合も新たな国旗が作られていることだし。
一番下の横十字に月が付いている国旗、デザイン的には東欧系っぽいデザインに見えるが、調べた限りでは国旗を有している国の中でこのデザインのものは見つからなかった。
あえて架空の物を混ぜることで逆にリアリティが増しているように個人的には受け取れるし、もしこれがイワンのデザ共和国のものだとしたら個人的には嬉しい。
(これで単に調べる内容が不足していて、普通にある国旗だったらだいぶ恥ずかしい)
ロシアと戦争を続けていた以上国力の疲弊があることは否めないとしても、戦争をしていたからこそ有事の際の初動を早くすることができるという利点はあるだろう。
それを利点というには余りのも悲しい事ではあるが。
地、海、空と全てにおいてあらゆる最新鋭だろう兵器が終結している状態だが、日本という国は四方が海に囲まれているが故に侵略されにくいという島国ならではの地の利があるが、それは兵士の輸送手段という枷があってこそのもの。
テラフォーマーの様に「兵士が自ら飛んでくる」状態では島国としての利点はあまり活かせないとは思う。
それでも陸路で物陰に隠れて侵入されるよりは幾分かマシなのかもしれないという気もするし、逆にすべての海岸線を監視することなど不可能なことを考えれば逆に島国こそ不利な気もする。
ただ陸路での侵入は人間が引いた国境線という概念があってこそ監視も阻止もできるわけで、国という概念がない相手にはそれは意味をなさない物でもあり。
この辺りは#40でも描かれているが、日本という地が戦禍の中心に選ばれたのはテラフォーマーに、〈祈る者〉にとって必然性があったからであり、だからこそ遠い。

・遠い
物理的な距離も、そこに己が関われないという心の距離も。
一警護と彼らが内包する事情を含め全てを把握している日本側としてはミッシェルさんを火星からの帰還組として当然戦闘員の頭数として入れてはいるものの、肝心の本人はいまだ戦場へと向かう事はない。
#49で一郎から話を聞いてから燈曰く『大人は色々ある』感で多くを語ることもなくアメリカ軍の保護下にいることを是としているが、一郎の話を聞いたからこそ迷っているのだろう。
その内容を伺い知ることはまだ出来ないが、彼女が迷うだけの何かを聞かされた(一郎自身は単に誇張もなく必要な伝達をしただけとは思うが)となればそれは世界の命運に関わることは間違いがないとは思う。
一個人の意志を優先すべきではないという判断をするほどの何かが。

・にらみ合い
にらみ合いというよりは消耗戦。
相手が基本ゲリラ戦とも言える手法をとっており、しかも個の戦闘能力だけならば銃を持った兵士1人では太刀打ちは無理だろう。最低でも陸軍における分隊の人数でなければ相手にならない(陸軍では10名程度、海軍では最大150名程度と差が大きい)。
冒頭でも書かれていた通り、その身体能力は腕の一振りで人間の頭を容易に叩き割る、もしくは吹き飛ばすレベルのものなのだから。
そんなものがゲリラ戦を、しかもゴキブリと同じように、いや同じようにというか同じ存在ではあるのだけれど、どこからでも入り込みそして何のためらいもなく命を奪っていく。
互いに大きく部隊を動かさないから『にらみ合い』という言葉が使えているだけであり、小競り合いは前線で当たり前のように起こっている上に、テラフォ―マー1体を倒すのにおそらく1.5人は戦闘能力が奪われるレベルと思われる。
それは個々の消耗戦というべきだろう。
ましてやまだ戦争は始まってすらおらず、そしてその戦争が始まったところでいつ終わるのか、何を持って終わりとするのかすらわからない。
始まる前から消耗しているのだ。
物資も、人も、人の心も。

・仕方ない
戦況に対して一番冷静で、一番的確な見方をしているのが最年少のイワンであるという事実。
もちろん火星に行った他の面々も当然闘いを経験してはいるものの、実際に「戦争」を体感しているのは彼だけといってもいいだろう。
もちろんナスチャさんもデザ共和国の相手国の人間として、そして軍人として戦争を体感していることもまた事実ではあれど、国力の差は安全性に現れると思っている(あくまでも個人の感覚であり別段統計データなどがあるわけではない)のと、彼女は後方支援部隊に所属していたという事を踏まえれば「戦争体験」という点においてはイワンとは別の立場にあるのではないかと。
そして戦争を知っているからこそ、まだ軍としてテラフォーマーが動いているわけではないということ、そしてそれに対して複数の要因の可能性を示唆しつつ、動かないことに関しては奴らなりの理由があるだろう事も推測してる。
彼の言う『アタマがくっつく』は一度は〈祈る者〉を#44と#45で倒し、頭部を切断し捕獲したものを取り返されたことについて言っているのだろうが、待っているのだとしたらその全てのような気がしてならない。

・産んでほしい
何を、と安易に問えない言葉。

むしろ誰を、とすら問えない気がするのはジョセフの言葉だからか。
ジョセフがミッシェルさんに対して執着を抱いていたことは確かだけれど、だからと言ってジョセフが自分の子供をミッシェルさんに産んでほしいと思っているとは安易に考えられないのがジョセフなわけで。
誰との子なのか、そもそも相手は人なのかという所から疑ってしまうのはジョセフだからとしか言いようがない。
ミッシェルさんが奇跡の存在であればこそ、子供を産むという過程で新たな進化の形を、その道筋を産みだしたいと思っているのだろうか。
燈の存在を考えれば、生まれつきM.O.手術に適合する人間は理論上は「造れる」世界である以上、だからこそ人の手を加えることなく産まれたミッシェルさんは対称的であり、ある意味ジョセフにすれば信仰の対象に等しいものなのかもしれない。
そして信仰というのは相手を自分と同じステージに見ていない、上位の存在であるとはいえだからこそ欲や願望を一方的に押し付けてしまうことも多々あるわけで。
ジョセフがなにを目的としているのか、その目的は果たして人知の及ぶところなのかもわからないけれど、それは多くの人間にとって共感が得られるかどうかは難しい物なのだろうなということはわかる。
そもそもジョセフがミッシェルさんに抱いている感情は恋愛なのだろうか?
ジョセフが育ってきた境遇を考えると恋愛という物に対しての感覚が一般人とかけ離れているだろうことは間違いないし、恋愛的な熱情を向けているというのであれば小町小吉という人間に対する憧憬を含めそれが一番近かったような気がする。
欲ではなく情という点においては圧倒的なまでに。

だからこそ、いったい「何を」産んでほしいと思っているのかが怖いと思ってしまうのだ。

・俺たち
燈の希望と決意の表情とは対照的なジョセフの浮かない、というよりも心ここにあらずとでもいうべき表情よ。
艦長だったころの小吉と今の小吉が書かれているのに対して、ミッシェルさんは副長だったころの姿としてしか描かれていないのが気になるけれど多分気にしすぎなだけだとも思う。
小吉自身は敵の手に囚われていたこと、そして自分の為にかつての仲間が危険に晒されることを懸念して突き放していたものの、皆は艦長の為に戦うことを厭わず、そしてこれからも共に戦うことが出来るというその言葉。
小吉にとっては心強いものであり、彼の止まっていた時が再び動く際の門出に相応しいものだろう。
ただ、時計を動かさなければならなかったこの状況を考えれば決して手放しで喜べるようなものではないが、この状況でなければ彼が再び歩めることもまた無かったかもしれない。
平穏に満ちた中で、自分だけが安らぎを感じられるその中で、新たな生を見つけることはきっと難しかったろう。
自分を慕う者たちが、自分と未来を共にしてくれるという後進の者たちが背中を押してくれるからこそ彼はまた歩き始めることが出来るのではないだろうか。
再び歩くその道が例え平坦なものではなかったとしても、きっと独りで想い出だけを連れて歩くよりはずっといい。


・ジャパン・ランキング
マルコス、そういうこと言わない!!
でもそういうことをいうのは大事!!
確かに火星に行く際は各国からの精鋭という意味で世界を基準にしたランキングであり、それが日本という国に限定された点についてはM.O.手術という技術を本多博士の存在を通して自国のものとしていたこと、そしてテラフォーマーの存在を政府が正しく把握しており、かつそれへの対策方針を明確にしていたこと。
見つけたら速やかに「駆除」する必要性があるということを一警護という存在に徹底させていた、というよりも徹底することに長けた組織を軍とは違うところに作り上げていたというのは遊軍的な意味も含めての戦略の一環だったのだろう。
一郎の存在があればこその備え。
日本にしかできなかった備えであることを考えれば『ジャパン・ランキング』という名称になったことも当然というか、仕方のない事というか。
まあそれでも多国籍から一国のみの名称になればスケールダウン感は否めないから結局マルコスが正しい。

正直ランキングにする必要はあるのか?というレベルで人数も微妙であることは(仕方のない事とはいえ)間違いないので……。

・際疾い
ルビでは「やばい」となっているけれどもこの感じは本来「きわどい」と読むもの。
事態が不安定、危険な状態であることを指す言葉だけれどあえて七星に「やばい」と言わせているのは土竜連合の連中と知り合ったゆえに多少の感化あったのかもしれないなどと。
個人的に七星から見て斉藤くんたちのような存在は住む世界の違う人間であり、今まで関与したことのないタイプの人間だからこそ新鮮な影響を与えている可能性があるのでは?
まあ言い方を変えると今まで自分の中になかった語彙を使ってみたいとかそういう感情もあるかもしれない。
だとしたらちょっと可愛いな。

・全員
他国の人間を加えることに対する権限が果たして日本にあるのかという疑問はあるが、この戦争の中心がどこにあるのか、そしてその為に世界中からの軍が集結している現状であれば、特定の戦力を持った存在を一つの指揮系統にまとめる事に関して特に異を唱えるような存在も無いという判断だろう。
ただここにいない人間が少々気になる。
サムライソードに関しては今ハンニバルの元で闘っていることを闘っていることを考えればここにいないのは当然として、マーズ・ランキング8位の鬼塚慶次、ジャパン・ランキング4位の高橋舜という高位者二人がいないというには理由があるのだろう。
一番可能性が高いのはサムライソードへのバックアップ。
慶次の個に対する戦闘能力の高さは火星でも実証済みだし、高橋に関してはベースとなる生物がマッコウクジラであることを考えれば海水に囲まれている状況に対して何らかの有利性を発揮できるのではないかと。
もちろんサムライソード自身は独りですべてを済ませるつもりだろうし、もし慶次と高橋がついて行っているのであれば、彼女には知られないようにしているだろう。
そういう意味も含めてここに表記されていないだけなのだと信じたい。

というか#58の感想を書いていた時に「答え合わせは先になるとは思うけれど、それもまた楽しみにして待っています」と思っていたんですが、5年半待ったので、連載が再開したというだけで幸せ過ぎて答えを待つぐらいどうということも無い、というより答えが待てる状況というだけで最高だなという心持ちになっています。

メンタルは強くなるもの。

・軍神アレスと地母神ガイア
アレスは軍神であり闘いの神でありギリシャ神話において火星を司る神、ローマ神話でマルス(Mars、火星のマーズの語源)と言われている。
火星に神はいないと言われ続けていたこの世界で、火星を司る神を描写すること、そしてそこに燈が重ねられているということ。
彼の出自を考えれば「誰かの手で造られたもの」として火星に位置付けられるものなのかもしれない。
彼自身は闘いを望むわけではなくとも、彼が戦禍(タイトルでは戦火となっているがこの状況はむしろ戦禍という方が適切な気がするので)の中心の一つとして捉えられることは必然であり、そしてミッシェルさんもまた同様だろう。
2人がその生い立ちは違えど奇跡の遺伝子を持っているという点では同等なのだから。
だからこそミッシェルさんがガイア(大地、土、地球を意味する女神)に例えられ、そして対比として並べられている。
これは本来の神話に基づくものというよりは互いの持つ立場を象徴化したものと捉える方がしっくりくるだろう。
個人的にミッシェルさん自身のイメージでギリシャ神話の神に例えるのであれば、どちらかといえばアテナの方が似合うような気もするので。
闘いと知恵の女神の方が彼女らしいと思うんだよなあ。

・戦争の為の大地
火星編ではA.E.ウィルスのサンプルを採取するという名目と共に、各国の代理戦争の地という意味合いで火星という星がその地に選ばれた一面があったけれど、今回は異種族との戦争という状況で日本が選ばれている。
ただ『日本にしか無い』という言葉の真意はどこにあるのか。
#40でルークが言っていた『自分の味方を住ませてやりたい』という土地の一つに日本があげられており、当然その他の地名もありはしたものの最終的に日本という地に奴らは居を構えた。
他国ではダメだったその理由は単に多くの人間がすでに住んでいるからという単純な理由だけではないだろう。
それならば日本も条件としては同じはずだ。
テラフォーマーにとって日本を選ぶだけの理由、島国という海に囲まれたその環境と、多くの離島が存在することなどもあるだろうが、それだけであれば他の島国でも何ら問題はない。
国が栄えてきた場所を聖地という不確定な要素を含んだ言葉で説明するのであれば、確かに日本は一つの王朝(天皇制度を王朝として捉えるのであればだが)が統治し続けているという点において他国と比較して圧倒的な長さを誇る。
その安寧さが聖地の価値を高めているという評価になるのかはわからないが、もし何かを感じることがあるというのであれば要因の一つとしてもおかしくはない。
多少オカルトじみた事ではあるが、〈祈る者〉という人知の外にある存在であればこそ、そこに何らかの価値を見出したのだろうか。
正直いい迷惑だとしか言いようがないのもまた事実なのだけれど。

・BLUE for RED
タイトルでは日本語表記が「と」になっているが英語表記だとfor、青から赤へという意味合いになるがその辺はまあ言い回しの良さというのもあるのかもしれない。
地球から火星へ、という意味合いとして言葉の通り捉えるのであれば、それはテラフォーマー側の言葉とも、人間側の言葉とも取れる。
青き地球から赤き火星へ生命を送り込んだことが全ての始まりなのだから。
そしてそれは還ってくる。
かつては赤く、そして今は緑を持った星から、いまだ青く、けれど赤く染まるだろう星へ。
漆黒の眼に見定められながら。

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大丈夫?

文章これで大丈夫??

さすがにブランクありすぎて何一つ安心できる要素がないですなんかこう、多めに見てください。

 

次回の更新は4/25発売分とのことでまずはゆっくり再開して欲しいですね。

無理だけはなさらずお願いします…!

言うてるうちにもうこのブログ書き終わった次の日が更新なんですけどね。

ちんたらやってるからだよ!

あらすじ書いてたら間に合わないなと思って今回省きました。

もうブログの書き方どころか文章の書き方を思いだすところからというかテラフォの読み方を思い出すところからでした。

あと一応こう、言い訳をするならこっちもほら5年半ぶりということであと「あれこのシーンどうだっけ?」って読み返して「うわーテラフォおもしれー!」って読みふけって帰ってくる、ってパターンが3週間続いたからです。

5歳児か。

でもほら、面白いから…仕方ないかなって……。

3週間て速いな!

 

5年半もあればみなさん色々変わることもあると思うんですけど、ライフスタイルとか色々。

私はとりあえずサッカー以外にプロレスとルチャを見るようになったんですけど、デイヴス親子の戦いの解像度が爆上がりしました(報告)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5年半前の私へ。

まだJ2だぞ。

 

なんで休止中のブログを更新するのかといえば橘先生の!

テラフォの!新規絵があったからです!!

先生のツイートがこちら

 

 

元々は今日あった「世界バンタム級4団体王座統一戦」に出場する井上選手の応援イラストを橘先生が書いたことからなんですが

 

 

その井上選手が本日の試合で11回KO勝ちをした結果、鬼塚慶次と重ねての新規絵だったと思われます。

いや本当……休載が4年続いている中、新規の絵が見られるだなんて……本当ありがとうございます……

 

再開を信じて待ってます!!

 

 

 

 

本日発売のグランドジャンプにて橘先生の新連載、「ジャイガンティス」が始まりましたねー!
まあ実はちょいちょい前から橘先生がアシスタントを募集しているらしいとか、それがグランドジャンプの新連載らしいとか色々情報はあったんですが、もしかしたら掲載誌を移したテラフォが新連載扱いされているのかもしれないとかこっそり思っていたりしたんですけど。
でも新連載はめちゃくちゃ面白いし、橘先生の画力が本領発揮してるな!ってテンション高く読みましたわ。
あと橘先生のこと言葉にすごく救われたというか、ああ、待っててもいいんだと改めて腹が座った心情。

 

 

お待ちしてます!!

ちなみに今回はテラフォみたいな勢いで感想を書くというよりは、もっとこう、ツイッターの延長みたいな感じでちょっとだけ書こうかなと久方ぶりにブログにログインしたんですけど、なんと最後の更新が2018年12月1日。
…2018年??

ブログ書くのにフォーマットとかどうしてたっけとか埋め込みどうすんだっけとかタグとかあらゆるものを忘れている……んですがすごく便利になっててありがとうございます。
あと読み返していたら「最下位の時期」などという恐ろしい誤字を見つけてしまい集英社の作品でその誤字は駄目だって。

ジャイガンティスは小説が原作とのことで、自分は未着手なのでこのままコミカライズ版を楽しもうと思っているのですが、今回は構成の人が入ってはいるもののネームに関しては橘先生自らが切っているのではないかと予想。
そういう意味では全体的にコマ割りがすごくスッキリしているというか、変形コマがあまりなくてページ自体は綺麗に整っている感じなんですよね。

ネズミがペストを運び、それがパンデミックを引き起こしたという授業内容が冒頭の変異した異形のネズミ、そしてそこから対馬に広がるパンデミックという構成もたまらないし、個人的には36ページからの時間経過の速さがすごく好きですね。

そこからの圧倒的絶望と死。
綺麗なコマ割りの中にこれでもかと詰められた絶望と死。
自衛隊が出動してからの撤退までの速さ(それでも4時間、戦ってくれたことはすごいと思う)からの見開きの異形の生き物。
絶望の整地が早い。
バグズ編もびっくりですよ。
しかしこれだけ人を食べる(取り込むと言った方がいいのか)と、最終的には対称性をもたない人に似た何かに収束したりするんだろうか……。

最初のネズミも猫を取り込み、人を取り込みと進化?しているわけですし。
異形の生き物たちもデザインが秀逸で、歯の部分が全部人の手になってるのとかもう最高ですね。
あと自衛隊の人が使っているのは89式小銃とかかなとかそういう。
あくまでも今回はプロローグでしょうし、これからあの兄妹が封鎖された対馬の中でどう生き抜いていくのかを楽しみにしつつ読みたいと思います。

なお次回も更新するかは全く決めておりません。

気が向いたらまた覗いていただければと思います。

最新刊を読み直していて、先週サムソさんの双子の姉の話って初出じゃない?とか書いてたくせに過去の描写で思いっきり姉の話が出ていたしなんならそれについてブログで言及していたし恥ずかしいので今すぐ穴に入りたい。
ナスチャさん穴掘って。
ついでに戸立てて。




 

 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
※以下本誌ネタばれですのでご注意願います。
 
 
 
 
 
 
 
 
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その手に武器を、拳に力を宿すのは一体何の、誰の為なのか。
『握った刃は誰が為に――。
敵を、
仲間を、
守るべき者を、
見据え闘え!
覚悟の士よ!!』
かつて言われた言葉。
人間社会には思想の潮流が2つあるという事。
それは生命以上の価値が存在するというものと、生命以上の価値は存在しないというものであり、戦いが始まる時には生命以上の価値を求め、戦いを終わらせるときには生命以上の価値は無いと口にする。
かつて学んだその言葉は、彼女の人生においてさして重要なものではなかったはずだ。
今この時までは。
教員が現状の政権を例えるものとして引用したが、本来は一国の政権などではなくより広大な、それこそ宇宙そのものを俯瞰しての言葉であるが故に一個人の矮小なる言葉として語られるというのであれば、それは意味が異なってくる。
だが、命よりも大切なものが無いというのであれば、生命以上に価値のあるものなど存在しないというのであれば、彼女の姉は何故死んだのか。
何故死という道を選ばねばならなかったのか。
何故死ななければならなかったのか。
その問いに答えるものが、答えられるものがいないとわかっていながら問わずにはいられない。
命を狙われるという事が日常であるハンニバルにとっては、その価値などさしたるものではないだろう。
そして彼に付き従う者にとっても。
むしろ日常であるからこそ日常を過ごさねばならない。
雇い主の身体の一部が切り捨てられたとしても、その切り捨てられた身体の一部を事も無げに後で付けるから止血しておけと言われたとしても、それが彼らの日常なのだから。
だからこそ常軌を逸した雇い主の姿を見ても、その人間離れした身体能力を見ても、驚きはしても動揺はしない。
ハンニバルという男がどれほど強いものかを知っている。
M.O.手術を受けた人間がどれほど人間離れした強さを得ようとも、その強さを発揮するためのものが己の肉体である以上それを使いこなすだけの熟練が必要になる。
戦いの経験値というものが必要になる。
火星においてその経験値を予め持っていたのは全体の3割に過ぎず、更に女性となればその割合は全体の1割以下。
そして目の前にいる男は人類が培ってきた経験値を、何百万年と積み重ねてきた経験値を、闘いの歴史の果てなのだ。
人類の到達てんに比類する存在。
いかに戦いというものに対してセンスがあったとしても、彼女には圧倒的に経験値が足りない。
手術を受けるまで戦いというものに何一つ経験を持ち得なかった彼女の実力はハンニバルにとって脅威とはなり得ない。
それは彼女が1人でこの船へと乗り込んだ時からわかっていたことではある。
1人ならば。
──ほぼ同時刻、日本では目覚めた小吉に中国とロシアのトップが既に屠られたことが知らされる。
イワンにすれば目の前で起こった惨劇であり、失われた情報の価値がわかっているからこそ悔しさを露にするが、彼よりも長い人生を歩み不本意な争いに身を置くことにもなった小吉にすればそれは戦争の終結がより難解になったことを知らされるのと同義だ。
もはや敵の最高位の存在を屠ったところで終わるものでもないだろう。
「命より価値のあるものなど存在しない」という口実が通用する相手ではないのだから。
それは火星で嫌というほど知らされたこと。
火星というその地で彼はどれほどのものを失ってきたのか、その身をもって知っている。
友人も、大切な人も、己の左腕もあの星で失った。
だが、その左腕は最先端の医療技術で再びその身体に戻った。
かつて開発されたM.O.H。
機械を脳波で動かすことが出来るならば、たとえ義手であったとしても己の手と変わらないだろう。
たとえ異形の蟲と化してもその身体を操り燈と対等に渡り合う事が出来た小吉であればその手を使いこなすことも容易いだろう。
『男達は再び闘う。生命以上の何かを、取り戻す為に。』
だからこそ、その目は見据える。
守るべきものを。

・巻頭カラー
久しぶりに単色系ではないカラー!
燈はワイシャツの下に一警護のアーマー的なものを着ているという事ですかね。
一応一般人のフリをしなければならないという前提がある以上仕方がないとは思うけれど、夏場とか大変なことになりそうな。
そしてサムライソードさんの目が緑だけれど、正直この辺りは橘先生の色彩感覚にお任せ的な所が強い(公式プロフィールに記載されているものと違う事が多々ある)ので、公式プロフィールがでたら色が違っている可能性はありそう。
サムライソードさんの公式プロフィールが出るとしたら少なくともこのエピソードが終わってからだろうとは思うけれど。

・大昔の文豪
聞き覚えというか見覚えのある言葉だなと思ったら銀英伝。
同じヤングジャンプで連載されているので読んでいる人も多いとは思うけれど、ヤン・ウェンリーの言葉ですね。
原作者の田中芳樹はテラフォの世界では文豪として扱われているのか……。
確かに銀英伝は名作であることは間違いないし、実際自分もかなり読み込んだのですがさすがに咄嗟にこれが彼の言葉とは思い出せず。
むしろ知った後覚えていなかった自分に愕然とした。
言い訳をするならば読み込んでいたのが十年単位で前なので仕方がないという事で。
嘘です十年じゃ済まない。
それにしても600年後というかテラフォーマーズの世界では田中芳樹先生は文豪として扱われているのか……読み直したくなってきた。
勿論今連載している漫画も面白いのだけれど、やはり原点回帰という意味で小説で読みたい。
出来れば新書版で。

・生命以上の価値の有無
生命以上の価値があるもの、というと個人が持つ誇りや部族が持つ伝統や文化という、物理的には存在しないが人類の誰しもがその大小に関わらず持ち得ているものではないだろうか。
「命よりも大切なもの、命を懸けてでも守りたいもの」。
それを守るために、奪うために戦いが始まるというのは人類史の中でも戦争のきっかけとしてはかなり多い方だろう。
むしろ突き詰めればそれしかないかもしれない。
そしてその為に、命よりも大切なものの為に戦うというストーリーはフィクション、ノンフィクション問わずよくあるもの。
それは崇高ではあるけれど、その先に待っているものが戦いであり戦争であり、命の奪い合いであることを考えると、崇高であるからと言って正しいとは限らない。
何処に価値を見出すか、何を最も価値のあるものとして裁定するのかというのは重要だろう。
けれど崇高であるからこそ人はその行為を尊いと思い、戦いに身を投じることが出来るとも言える。
そうして始まった「命よりも大切なもの」を守るための戦争は、最終的には生命こそが最も価値があるものだと、「命より重いものなど存在しない」という言葉で終結する。
結局のところ戦争というものは命という確実とも不確実とも言えるものを基準にして、それ以上か否かというところに価値観を置くことで戦いに意味を持たせているのかもしれない。
そう考えると決して短くはないが長くも無いこの言葉に、どれほどの意味が込められているのか。
そしてこの言葉を告げた男が世界をどの位置から見ていたのか、宇宙という広大過ぎるその場所をどれほど広く、深く、過去と未来という時間すらその思考の中に収めた上で言った言葉であるのかという事を知っているならば、地に足のついた個人の主観で語るというのは「サムライソードさんからすれば」違うものなのだろう。
むしろそれほどまでに広く、深い言葉を更には現在の小さな星の小さな国の情勢を語るためだけに引用という形で語ったことが彼女にとっては受け入れがたい。
それは彼女が生命というものが実際に失われるものであることを知っているから。
命よりも大切な尊厳を奪われてなお、その命も奪われた存在を知っているから。
だからこそ強烈なまでに思い出し、そして彼女の戦争は、戦いは終わらない。
命よりも大切なものは無いと知っているのに、戦いが終わらない。

・何故
けれど命よりも大切なものは無いというのであれば、戦争を終わらせるほどの理由というのであれば、何故姉は死んだのか。
何故彼女の戦いは終わらないのか。
何故姉は死んで、命よりも大切なものを奪った男は生きているのか。
きっとそれは尊厳も命も奪えるほどの力があったからだろう。
だからこそ彼女もまた力を手に入れた。
奪い返したところで決して還ってくるわけではないとわかっていても。

・選択肢、選択死
サムライソードさんが姉の最期に対して『死を択ぶ』という言葉を使っているのが。
最終的に殺されてしまったのか、それとも文字通り彼女を生かすために、命よりも大切なものを守るために姉が自ら死を択んだのかが気になる。

・お姉ちゃん
これだけ激昂している最中であっても、姉の事を『お姉ちゃん』と心の中で呼んでしまうサムライソードさんが切ない。
本当に仲の良い姉妹だったのだろう。
対極的であるからこそ、互いの持っていない部分を上手く埋め合えるかのような。

・いとだけに
#57でサムライソードさんがシャンパンのコルクを飛ばした時点で糸を貼り付け、更に料理人の手元にあるナイフを引っ掛け、それに糸を巻き付けることで中距離攻撃を可能としたのか。
これを読んでから#57を読み返すと、サムライソードさんがハンニバルに向かおうとする体勢の時にあえて料理人のカットを挟んだ意図がよくわかる。
糸だけに。
なんでもないです。

・修羅場
修羅場と書いて日常と読む。
#57でこの状況であっても自分の仕事を全うしようとする料理人もただ者ではないだろうと思っていたけれど、やはりただ者ではなかった。
以前出てきたニュートン一族の面倒を見ている(実際は何一つ面倒を見ていないが)少年?といい、むしろ付き人的なポジションにいる人間の方が人間離れしている可能性が。
というより感覚が麻痺しているというかM.O.手術を受けた人間が人為変態した状態で乗り込んできているというのにそれに驚きもしない辺り訓練された料理人。
しかもこれだけ常軌を逸した主人を破天荒という言葉でまとめてしまう辺り、ハンニバルの身辺に置かれることを許されるだけあるなと。
まあハンニバルのボディーガードもM.O.手術を受けていたこと、そして既に地球上に存在している軍隊や裏の組織(我ながら安っぽい言い方だとは思う)については既に当たり前のものとなっている事を考えれば彼にとっては珍しいものではないのかもしれない。
しかし二つの意味でFIREされる、というのは撃たれるというのと燃やされるという意味だろうけれど、後者としての意味はだいぶ物騒ではないかケン君。

・ハイパー多用途プロ用アローンアルファハード
どれだけ万能なの。
というか切り口を焼いてしまったら組織が死んでしまってくっつけたところで癒着しないのではないかという心配があるけれど、ニュートン一族だし心配しても意味はない気もする。

・足の小指
そもそも日本人の足の小指は欧米人に比較すると関節が1つ少ない人間が多いという話もあるけれど、実際のところはどうなのだろう。
足の指の力というのは踏ん張る力や走る力に直結しており、退化するという事は歩く、走るという日常的に必要な動作、運動が衰えることもしくは劣っている事を表している。
将来は無くなるのではとすら言われているけれど、いっそ無くなればあの小指をぶつけた時の絶対指取れた!と思うレベルの痛みから解放されるのだろうか……。
ちなみに友人には生まれてから一度も足の小指をぶつけたことが無いという人がいるけれど、どういう生活をしているのかと少々疑問。
いや、普通に生活しているだけだと思うけれど。

・21本目
#57で最後にネタのつもりで書いたことが当たっていたけれどこれほど嬉しくない的中も珍しいというか。
しかも誇示するな。
振るな。
誇大させるな。
ハンニバル本人は自律神経の作用で膨張させることが出来ると言っているけれど実際のところどうなのかと男性諸氏に問いたい。
目の前にそれなりにセクシーな女性がいるにも関わらずそれを無視してあえて自律神経だけでどうにか出来るものなのかと。
ついでに瞬時に縮めることも出来るのかと。
いや聞いておいて何ですが答えられても「あ、はい」としか返せない気もするけれど。
後さすがのケン君もこの展開にはさすがに平常心を保てない模様。
まあいくら破天荒であることはわかっていても、まさか21本目の指をこういう形で誇示するとは思ってなかっただろうし。
でも一応切り口を焼くという仕事はしている辺りやはり訓練された料理人。

・擬音
丁寧に軽めの音から重い音に変化している芸の細かさにいっそ腹が立つ。

・闘い
M.O.手術を受けるという事は、人間が本来持っている筋力を何倍にも増幅しその戦闘能力を上げるものだけれど、それは身体を動かし慣れていない人間にとっては急にパワードスーツを着せられるようなものではないだろうか。
本誌ではそれを原付とトレーラーという「エンジンのついた乗り物」というカテゴリで例えているが、身体を動かすことを運転という技術に例えているという点においてかなりわかりやすい説明だと思う。
サムライソードさんは確かに今ジャパン・ランキング7位という実力を持っているし、ウロコフネタマガイ型のテラフォーマーと戦った時もその剣技は常人とはかけ離れたものだった。
けれど、それは彼女が持っているセンスであり、言うなれば彼女が生まれ持ちそしてこういう境遇でなければ目覚める事の無かったであろう才能。
けれど、「こうなるまで」目覚めることが無かったという事は、彼女は戦うという事について全く経験を積んでいなかった。
火星に行ったアネックスクルー100人の中でもテラフォーマーと戦うための戦闘員として認められているのはマーズ・ランキング上位30名であり、更にその中で女性となると僅か7名。
その7名のうち5名は軍隊経験者であるという事実は、闘う力を得る最適な方法としては軍人としての経験を積むという事だろう。
それを考えると加奈子(15位)やイザベラ(13位)はそのベースが経験値をカバーすることで経験者たちと対等の立場になったのだろうけれど、あくまでもそれはベースの力であり経験値が上乗せされているわけではない。
ましてや、1位である男は。
人類が培ってきた闘いの経験値を全て集約した存在とも言えるの男。
M.O.手術を受けたとしても特性を使うまでもなく対等にテラフォーマーと渡り合えるほどの実力を持つ男。
それは如何に自在に己の身体を、筋肉を効率よく動かし敵に勝つかという経験を誰よりも積んでいる男。
それがジョセフ・G・ニュートンという1位。
そしてその兄であるハンニバルもまた同じように強い。
彼もまた人類が培ってきた戦いの経験値を彼もまた持ち得ているのだから。
たとえ成人後M.O.手術を受けたとしても、その後類稀なる才能を持って剣術を、太刀術を収めることが出来たとしても、持っている経験値の量が全く違う。
こうなる前は、こうなるまでは、彼女は戦いどころか運動すら無縁だったのだから。
M.O.手術による筋力の増加でトレーラーを運転できるようになったとしても、原付を手足のように操ることのできるハンニバルには勝てないだろうというその言葉。
ただ、気になるのはサムライソードさんが『一人で乗り込んだ時点で』という言葉。
その後に船の中でした物音が単にこの戦いの音なのか、それとも誰かがその戦いに割って入った音なのかという可能性もあるのではないかと。
そしてサムライソードさんに対して#57でハンニバルが沖縄から乗ってきた、一警護の手引きを指摘していたのも気になる。
一応2/20にサムライソードさんが房総半島でウロコフネタマガイ型のテラフォーマーと戦い、2/21には豪華客船に乗り込んでいたことを考えると彼女としては単身乗り込んだつもりであっても誰かサポートとして入り込んでいる人間がいるのかもしれないと。
元々は小吉が目覚めた時に慶次くんがいないことを指摘してくれた方がいて、もしかしたら彼がサムライソードさんのサポートとして選ばれたのではという話があって。
サムライソードさんが戦いにおける経験値を全く持っていないのとは対照的に、彼個人の歴史であるとはいえ、鍛錬という戦うための経験値を積み重ね続けていた慶次くんという対照的な組み合わせであればいいなと。
船で起きた物音も、壁を打ち抜いた音であるとか専用武器というか専用防具を外した音であればいいなと。
ただ、小吉が目覚めたのは2/21の夜と思えるけれど、この時点で居ないからと言って果たしてインドネシア沖まで行けるのかと言うと疑問が残る。
加奈子がいれば可能だろうけれど、彼女は未だ小吉と共に病院にいるのでこれもまた妄想に過ぎない。
でもまあこういう妄想を楽しむのがこのブログというか自分がテラフォを読む時の楽しみの一つである事は確かなので今後も当たり外れに関係なく楽しんでいきたい。
外れが8割以上ある気がするけれど気にしない。

・カメラワーク
色々書いた後にあれですが、このハンニバルの避け方が。
#57でどういう風に21本目の足を隠した動きになるのか気になると書いたけれど正直な所隠す気が無いというかあまり隠れていないというか。
本当もう全裸に抵抗のない一族だよ。

・海老原総合病院
海老塚ではなく?
作画ミスなのだろうか……誤植と違ってちょっと修正が面倒臭そうですがとりあえず単行本に期待。

・可愛い
ナスチャさんが可愛い。
イワンくんが普通に飲んでいるのも可愛いけれど(この時の背景を見るとやはり2/21の夜?)、それに対して説明をしつつ適切なツッコミを入れるナスチャさんは可愛い。
たとえポケットに手を突っ込んだまま話を聞いているとしても可愛い。

・有益な情報
一応彼女自身はアシモフさんとスミレスさんが<祈る者>について何らかの情報を持っている事については知っていたようだけれど、その内容までは把握していないだろう。
けれど何らかの情報という下地を持っている人間が解析する方が圧倒的に的確であり早い。
それが既に出来ないことはわかっていても。
個人的にこのイワンくんの表情はスミレスさんの行動に対してむしろ後悔を抱いているようにも見える。
目の前で起きてしまったことでもあるし、強くなったとはいえそれでも自分が守られる立場である事への悔しさも含めて。

・事態の収拾
自分自身が巻き込まれた身であるからこそ、命よりも大切なものを失ってしまったからこそ彼の言葉は深い。
その深さを感じさせない口調ではあるけれど、戦いが始まる口実というものについては誰よりも理解している、理解しなければならなかったのかもしれない。
そして冒頭の言葉を借りるのであれば、命より大切なものは無いという戦いを終わらせる口実が使えない場合はどうするべきなのか。
人間同士の戦いであれば命より大切なものはない、という価値観を共有することはできるだろう。
けれどテラフォーマーが相手の場合はその価値観が全く通用しない。
大義名分とも言える言葉を使うことが出来ない。
テラフォーマーにとって個の命には価値はなく、奴らが持つのは『生命よりも価値のあるもの』という戦争を始めるための口実だけなのだから。

・エビちゃん先生
多分風邪村さんがこの呼び方に対してもやもやしていると思う。

・生えてる
義手なのに生えるの?

・ギプス
というか腕に力を入れるだけで破壊されるギプスというのは新しいこの左腕の力がすごいのか、外れやすいギプスなのか。
いや後者ならギプスとしての仕事が出来ていない。
ケン君より仕事が出来てない。

・分かれる意見
M.O.Hという技術を使っているからこそ、より生体に近い『生えてる』という感覚なのだろうか。
恐らく精密な神経接続が必要となり、それが定着するまでは腕を固定する必要があったのだろう。
そもそもM.O.Hは「脳の命令から発せられた信号で機械を動かす」技術であり、更には「人間が出来ること以上の命令を行うと、使用者に大きな負担がかかる」ものでもある。
燈とマルコスが期待に満ちた顔をしているのとは対照的に、加奈子とエヴァが辛そうな顔をしているというのはその辺りに関与してだろう。
機械部分を使用者に合わせることでデメリットを克服、実用化に成功しているマルコスの前例があるとはいえ、小吉自身が人為変態することそのものが負担であるだろうことを考えると。
20年前からテラフォーマーと戦うためにその身を削り、2度の過剰変態を行っているその肉体は限界に近いと言っても過言ではない。
あと何回の人為変態が許されているのかも分からない。
その前提があってなおM.O.Hという技術を使うというのであれば、闘うための義手を付けるというのであれば、確かに意見は分かれるだろう。
闘うための力を与えるべきだという意見と、戦わず負担も与える事のない優しさを与えるべきだという意見だったのではないだろうか。
結局のところ小吉は戦い続けることを選んだし、優しさを与えたとしても結局のところその優しさすらも戦う力にしただろう。
そういう意味ではこの選択はきっと小吉にとっては良いものだったのかもしれない。
ようやく自分を取り戻し、そして自分が守るものの為に闘う時を迎えることが出来たのだから。
生命よりも価値のあるものを取り戻す為に、そして戦いを終わらせる価値がある生命を守るために。
--------------------------キリトリ----------------------
続きが気になるところですが休載のお知らせが。
再開したばかりではありますが、それでも休載を告知したというのは貴家先生、橘先生にとっても編集部にとっても苦渋の決断だったと思う。
前回は2か月ほどだったけれど、今回は最下位の時期が記載されていないのがより心配。
ただ、何度も書いているように個人としてはもちろん心配だし、きっと表現したいことが山ほどあるだろうし、そういう意味では書ききって欲しいんですよね。
この物語の終わりが見たい。
見たくないけれど見たい。
だからこそ休息が必要というのであれば、いくらでも休んで欲しい。
いくらでも信じて待っているから。

しかし本当にサムソさんは1人なのか、慶次くんが行ってることをものすごく期待したいけど運搬役がいないからなあ。
これでまさかのアレックスが運んでいたら私が死ぬ。
一応今週は少なくとも画面内にいなかったし……。
小吉が目覚めた時病院にいなかったのも単なるミスとも思えないというか思いたくないというか。
個人的に慶次くんは西さんとの共闘を期待したりもしたんですが、2/21の時点で一警護の本社に帰ってきている事を考えるとむしろ本当今どこにいるんだ?という気持ちでいっぱいです。
答え合わせは先になるとは思うけれど、それもまた楽しみにして待っています。




















巻末コメントの橘先生の優しい言葉が……。