#48「THE PROPRIETOR 所有者たち」(本誌ネタばれあり) | 塗櫛のブログ

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そしてYJ連載中の「テラフォーマーズ」に夢中。
テラフォーマーズ感想についてはほぼ初見の勢いで書いてますので、
文章が荒ぶっています点をご了承の上お読みください。

相変わらずコメントの返信が遅くて申し訳ございません。
苦情はW杯までお願いいたします。
自己責任だよ!

 

 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
※以下本誌ネタばれですのでご注意願います。
 
 
 
 
 
 
 
 
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新当主の任命式に集った彼らは、あらゆる分野において人間達を導くべき存在と言えるだろう。
彼らの持つ資産の総額は、数字という概念で測りうるものではない。
『世界を仕切る
ニュートン一家(ファミリー)!』
それは、西暦2621年2月21日、日本時間午後4時。
全ての歯車が動き出すその瞬間。
『世界に散った
重要人物(キーマン)達が
動くとき。』
大阪城におけるニュートン一族の新当主任命式は、自分の参謀となる人物を任命することこそが重要であり、それは一族の党首に次ぐ地位を得ることに他ならない。
新当主であるジョセフからその名を呼ばれたのはエロネ・新界。
その血筋は当主たるジョセフの血統からは遠いものではあるが、ニュートン一族の持つ本能からすれば血統の遠近は注視すべきものではない。
かつて語られていたように、彼らが認めるものは実力と体質であり、家柄というものは存在の概念をもたらすものに過ぎない。
だからこそジョセフは己の参謀にエロネを任命した。
一族の悲願をようやく成し遂げようとするこの時だからこそ。
そして同時刻、任命式に出席していないジョセフの兄、ハンニバルに会うためサムライソードは目的であるVIPエリアへとたどり着いた。
だが、その道は明らかに真っ当とは言えないボディーガードに阻まれる。
彼女の荷物が本当にハンニバル本人が購入したものなのか、そして部外者に直接手渡させるような真似など出来ないというのは至極当然な理由だ。
だが、彼女とてここで引き下がるわけにはいかない。
軽々と彼女の細腕で抱えていたその荷物は、大の男であっても、他とて強化手術を受けた男であっても支えきる事が出来ない程の重量を持つ。
金属の類を持ち込めないこの船の中で、彼女の専用武器を作り上げるために集めたあらゆる金属。
ツムギアリの糸で束ねられた即席の大太刀、ジャスティンビーバー。
招待状という売買契約書、それを利用して、その覚悟を決めてここまで来たのだから。
同時刻、ジョセフが世界征服という言葉を口にしたその時、小吉と一郎の戦いは一郎がその身体を地に伏したことで決着がついた。
小吉と一郎の戦いについては。
倒れた一郎の向こう、小吉を見据えるものは、彼がその心の内にずっとずっと抱え込んでいた女性の遺伝子を、その心を継ぐもの。
かつて小吉を己の燈し火と例え、それ故に自らの遺伝子を継ぐものにその名を与えた。
『人を、超えようとする者たち。
人と、在ろうとする者たち。』
彼女は小吉を迎えには来なかった。
けれど、彼女の子は。
燈し火の名を持つ者は。

・一族
タイトルの『PROPRIETOR』は経営者という意味だが、あえてその横に『所有者』という言葉を付けているのが。
彼らは優れた経営者としての顔を持ってはいるが、それはあくまでも表向きのものであり真に司っているものは人類そのものの、世界の所有者という事だろうか。

・文武両道

パワーリフティング105kgというのは、トニー・S・ニュートンの体重が105kgということであり、現在の世界記録はノーギア(パワーリフティング用のシャツを着ていない状態)で226kg、フルギア(専用のシャツを着ている状態)で316kg。
彼がどちらの状態での記録を保持しているかはわからないけれど、最低でも226kg以上のものを瞬間的ではあれど持ち上げることが出来るという事。
#47で彼らの寿命自体は伸ばすことが可能だが、エネルギー効率が悪いという話をしていたがこれだけの恵まれた体躯を持っている以上、何らかの形でエネルギーを発散させないとバランスが取れないのかもしれない。
他の人物については主に頭脳労働というか経営的な面のみが描かれてはいるが、エロネが古武術の流派の始祖であるなど何らかの形でスポーツというか身体を動かすことに対しても秀でているのだろう。
しかしエロネ、EC(エレクトロニックコマース=電子商取引の略)企業の主要株主という事はそれこそAmazonのような世界企業の株主でもあるという事なのだろうか。

・総資産額
一族としての総資産を数字で表すことが出来ないというのは、「一族という言葉だどこまでを指しているのか」という定義にもよるだろうが、各個人がこれだけの資産を持ち得ているとなると数字として換算できるものではないのかもしれない。
少々オカルトのカテゴリにすら属している感があるロスチャイルド家の総資産が1京円(ゼロが16個付く)と言われているがニュートン一族の総資産はそれを上回るかもしれない。
ちなみに有名な資産家一族としてもう一つ、ロックフェラー家というか財団があるけれど、ここはロスチャイルド家の派生というか庇護下にあるという話なので、ニュートン一族の存在そのものが恐らくロスチャイルド家のイメージなのだろう。
というか調べていたら更にマーサー家という存在も出てきたのだけれど、この辺りはどこまでを信じるべきか、どこからが陰謀説的なものとして捉えるべきなのかが曖昧になってくる。
わかっているのは自分には縁がないという事ぐらいだ。

・西暦2621年2月21日午後4時
世界が動くこのタイミングの中にサムライソードさんの存在が居るというのが。
これはリニューアル版のインタビューにて貴家先生が話をしていたのだけれど、元々火星編のキャラクターよりも彼女の構想の方が先にあった、彼女の存在というか物語内での立ち位置があってこその火星編だったと思うとこのタイミングでサムライソードさんが主要人物の1人として扱われているのも必然なのだろう。
それにしても<祈る者>の治療が強引にくっつけた首を固定するために縫い合わせているだけという荒療治なのだがそれでいいのか。
あと縫い付けている個体はともかく後ろにいるもう1匹は何のために居るんだ。

・NEW当主
『ニュー』トンだけにNEW。
やかましいわ。
誰かハリセン持ってきて。

・稲作
稲作?
読書と並び立つ趣味が稲作?
随分とアジア圏限定な趣味だけれど、家庭菜園で田んぼ耕すレベルなの?

・好きなもの
だれかジョセフを止めてくれ。
というかミッシェルさんの存在そのものがニュートン一族に認知されている辺り、ジョセフにとって彼女がそれほどまでに重要な人物である事には間違いない。
ミッシェルさんが奇跡の子であるという事、そしてその遺伝子が彼にとって必要だという事。
もちろんミッシェルさん自身が、奇跡の子であるという事以外にも彼女自身の内面的なものに惹かれていることは間違いないだろうけれど、個人的にはジョセフのあげる体の部位がマニアック過ぎて怖い。
実際に見たことがあるとしてもどうかと思ったけれどよく考えたら彼はミッシェルさんの部屋に鍵を切断して忍び込むような男だった。
むしろ見たことが無くて、普段の彼女を見ながら妄想していたとしたらもっと怖い。
個人的にはジョセフの言う場所が子供をはぐくむ場所ではないかというのが、子宮のある場所なのではないかというのが最も怖いのだけれど。
ファティマもドン引きです。

・ローマ連邦空軍元帥
元帥となると軍隊における最高権威とも言える地位。
イワンくんの時に一佐という階級が上から4番目という事を書いたけれど、元帥となれば各国に1人居るかいないか。
現代の欧米諸国では元帥はほとんど居ないけれど、これについては軍組織が大幅にスリム化し、全軍を統括するのに大将レベルで間に合うような状態になっているからという理由らしい。
スリム化した結果、そして何より世界を巻き込むような戦争が起きない限りは大将の先任順などで序列を決めても問題が生じない程度の規模の部隊しか存在しないのが現状だ。
ただ、テラフォーマーの世界において今まさに『宇宙人との戦争』が起きている現状であれば、100万人以上の前線部隊を1つの戦場に投入するような事態が生じているのであれば、元帥の階級を持つ指揮官が再び登場するのも当然だろう。
ただあくまでもローマ連邦空軍の元帥であるというのは、かなりの軍人を抱えているのかという事にもなる。
それかジョセフに対して相応しい称号を授けるためだけに、彼の実力に見合う地位を与えるためだけに元帥という地位に置いたのかもしれないが。

・ニュートン一家
正式に名乗る、と宣言するという事は少なくともこの任命式までは当主の決定が無い限りは彼らを表す言葉は無かったという事なのだろうか。
ただ新当主であるジョセフが先代に引き続き、と言っている以上長い間使われていた名称でもあるのだろう。
新当主が正式に決定し、その宣言によって使用することが可能になる名称。
まあ名乗る機会がない、つまりは彼らがその名をもって表舞台に立つことが無い事を考えるとその名は、その呼称は大して重要ではないのかもしれないけれど。

・エロネ・新界
任命式、というのは「一族により当主が任命される」というよりは「当主が己の右腕とみなす存在を任命する」ための式という意味だったらしい。
しかし本家に対する血縁の近さではなく、その実力を重視した上での任命であればだれも異を唱えるものなどおらず、むしろ普遍的な規律に乗っ取ったものではないというその判断に賞賛すら与える。
ただ、それでも当主の血筋というかニュートン家の当主となるだけの条件というか、ジョセフの存在を600年かけて作り上げた事を考えると、血縁を重視しないという前提がありつつも当主に関してはむしろそれを重視しているような気がするのだけれど。
彼らのこの理念というか信念があるからこそ、コスモポリタンという思考にマッチングしているというか、コスモポリタンという思考があるからこそ一族の理念がそうなったのか。

・消去法
あまりに失礼な物言いなのではと思いつつ次のシーンを見たらやむなしとしか思えない。

・私が私がいやいや私が
ダチョウ倶楽部か。
最後にどうぞどうぞとでもやるつもりか。
やりかねない。
これはもうエロネが参謀やむなしです。
エロネの更なる参謀にあのウェイターさん(もしかしたらウェイトレスさんかもしれないが)を所望する。
ツッコミが足りなさ過ぎるぞこの一族。

・超VIP
割と安っぽい言い方だけれど、むしろこのボディーガード達の知能指数を表している感があって好き。
超VIP=ハンニバルであり、彼が女性を買っているとすればそれを利用してその存在を排除しようとするものが現れるのも当然想定の範囲内なのだろう。
だからこそ『荷物』が当人の買ったものなのかを確認し、彼ら以外が届けるという約束事が確立されている。
だが、その荷物が想定外のものだとしたら。
軽々と女性であるサムライソードさんが持ち運んでいたものが、男である彼が持つことすら叶わないものだとしたら。
男である以上に、手術を受けているという条件を持ち得ていながら持つことすら叶わないものだとしたら。
そして彼女がその事実を既に把握しているのだとしたら。

・買ったもの
ハンニバルが買ったものは彼女が持っている荷物などではなく、彼女そのものなのだと思う。
だからこそスムーズにVIPエリアに案内され、サムライソードさんが会うべき人物の名を口にした時、ナンパしようとしていた男はあっさりと引いたのではないかと。
どういう手でそれを手に入れたのか、その契約を結ぶに至ったのかはわからないが、少なくとも一警護の人間は彼女が目指すべきものを、その復讐を黙認していたことを思えば多少なりとも協力をしたのかもしれない。
だからこそ#47で彼女が一警護に入るまでの話を描いたのかもしれない。
朝太郎が二郎に対して人身売買に手を貸したことに嫌悪の感情をにじませてはいたけれど、もしかしたら再び同じように手を貸したのかもしれない。
より深い自己嫌悪と共に。

・米軍規格
サムライソードさんのベースが昆虫型であったのは幸いしただろう。
船内に金属の武器は持ち込めないという条件があるのならば、注射器という武器もまた持ち込むことは出来なかったはずなのだから。
しかし米軍規格、という1つのフォーマットが完成する程度にはM.O.手術というかその技術は浸透しているのだろう。
火星編の時はベースに合わせて様々な形状の薬が開発されていたが、軍隊という規律を重視する集団においては特定の規格の間で互いに流用できるようなシステムにした方がいざという時に効率がいいのかもしれない。
実際にケビンが配属されていた部隊でもベースはゲジに統一されていたようだし。


・ジャスティンビーバー

急ごしらえの不格好さでありながら、むしろなりふり構わない愚直な破壊力を重視したこの感じがたまらなく格好いい。

・てにをはの変化
『買ったもの「を」オレたち「が」』という言葉を『買ったもの「が」お前たちの手「を」』とい文字の入れ替えで凶悪な挑発に変化させるこの言葉遊び。
貴家先生の本領発揮というかこういう言葉遊びが好きですね。
私も好きです。

・履いてない
待ってください。
サムライソードさん待ってください。
ドレスに線が出ないためとかそういうわけでもないだろうし何でですか。
人為変態する時に下着にまで影響が出るという事ですか。
あの人やこの人も実は履いていなかったという事ですか。
万死に値する感がすごい。
いや万死に値しますが。

・変態
人為変態という言葉に対してただの変態と吐き捨てるサムライソードさん格好いい。
本当今回は貴家先生の言葉遊びが炸裂している。

・ハンニバル・フォン・ヴィンランド
背中にオーガが居ますがこの人。
髪質も世界最強の生物に酷似していますがこの人。
範馬勇次郎の血筋はニュートン一族に受け継がれていたのか!
なんだってー!
まだ顔は出ていないけれど、彼の肌と髪の色は回想シーンに出てきた父親の血を引いているように見えるけれど果たして。
鼻がジョセフより高ければよりわかりやすくなる気がする。
そんな基準があるか。

・ハンニバルという名前
喰べるという言葉は「食」という字に「口」を付けることで動作性を強調した会意文字(既成の象形文字または指事文字を組み合わせること)であり、楽しみのための食事というよりは生きるための食事を指す。
個人的に感じる印象としてはより本能に近い衝動のような気がするし、そういう意味では彼女がこの文字を使っておきながらハンニバルには「食」の字を使わせている。
食べるという言葉については食物を口に入れ、咀嚼し、飲み込む動作を表す。
より動詞的な意味合いが強いように思えるけれど、あえて漢字を使い分けている辺り彼にとって食事は欲求に突き動かされるものというよりは動作に過ぎないような淡々としたイメージなのだろうか。
言葉に責任を持てという台詞、喰べるのではなく食べるという文字の意味。
ハンニバルというその名前。
ファーストネームのモデルが有名なレクター博士から来たものだとしたら。
そんな彼が女性を、人間を前にして「食べる」という言葉を口にする意味合い。
まさか。

・ジョセフが作り上げたもの
以前からサムライソードさんとマリークレアの類似性が気になっていたけれど、まあ実際に関係性があるかどうかはさておきローマ班の班員たちは記憶の維持を実験するためにプラナリアの特性を得た、ジョセフにより植え付けられたのだろうと思っている。
ジョセフの「無駄に数を増やした」という言葉。
記憶がないとはいえジョセフの裏切りが、班員が全滅したという建前がある以上彼女たちが地球に還ったからといって安寧なる日常に帰れるとは限らない。
むしろ火星で死んだことになっている彼女たちは、ある意味「何をしてもいい存在」とも言えるかもしれない。
プラナリアの特性があるのならば、無限に再生は可能だし彼女たちは記憶を保持することもできない。
無駄に増えてしまった、けれど何をしてもいい存在。
地球に還った事を一部の人間しか知らない存在。
そしてハンニバルの言う「食べる」という言葉。
そんな残酷な裏側がどこかにあるのかもしれない。
決して描かれることがなかったとしても。

・マスオさん
何故日本限定の国民的アニメで例えた。
しかし彼がマスオさん状態という事は、少なくとも今の段階において明らかに危険人物以外の何ものでもないこの男と入り婿状態で同居している家族、というか嫁(ファティマと金姫の母親)が居るという事か。
むしろその嫁がただものではない。

・完了している
主要国の首脳の中で存命しているのは、彼らの手のものである新墾ジェイソンのみ。
中国、ロシアのトップは既に命を落とし、そこにはニュートン一族の手のものが空いた場所へと入り込むのだろう。
既に日本に関しては『それ』が行われているのと同じように。
自分達の意向を忠実に実行する存在がその国のトップに居れば良い。
「今日から世界は我々のものです」、などと宣言する必要は無い。
戦争で相手の領地を奪うような世界征服など非効率的であり、人間社会が成立しているからこそ逆にトップに収まってしまえばその国を動かすことはできる。
乗っ取ることが出来る。
下準備は当然必要だろうが、このテラフォーマーとの戦争という混乱状態に乗じて最小の労力で彼らの目的を達成してみせた。
人的被害という概念は、恐らく無いも同然だろう。
既に完了しているのだ。

・蛭間一郎
一郎が本当にここで死んだのかと言うと核心は持てない。
というより彼は何より死なないという特性があればこそバグズ時代から今まで生きて来たのだし、中国の暗殺者たちも彼を殺すことは出来なかった。
いくら小吉であっても「ただ殴るだけ」で一郎が死ぬとは思えない。
なにより小吉に一郎が殺せるとも思えない。
ただそれは物理的な、肉体的な生命の問題であり、日本国首相という社会的地位としては彼は死んだも同然である事には間違いない。
既に中国からの襲撃で倒れ、その間に首相の交代劇があった。
彼が倒れたことはニュートン一族にすれば幸いだったのか、単に本来起こるべき予定が早まっただけなのか。
ただ、一郎と小吉の対峙についてはあくまでも中国が主導を握っている図式になってはいるものの、中国の独断なのか、火星での裏切りと同じくローマが後ろで糸を引いているのか。

・無きにしもと思ったけれど
既に劉就武が亡き者となっている今、むしろ凱将軍の存在が鍵になる可能性。
いや、無いな。

・小町小吉
きっと、彼は死ねないのだろう。
まだ許されないのだろう。
いつか彼女が迎えに来るまでは死ねないと、死ぬことすら許されないと思っているのだろう。
だからこそ硬すぎる殻の中に自分を押し込め、誰にも触れさせず、けれどそれ以外のものは全て意志を放棄した。
そうして己の肉体すら他人の手に渡し、あとはただ心の中にある深淵に佇みながら彼にとっての世界が、命が尽きるのを待つだけのつもりだった。
けれど、なによりも待ち望んが彼女は迎えには来ず、彼女の遺伝子を持つものが、彼女の面影を持つものが迎えに来た。
追いかけないでくれと、もう自分のために彼の何一つも犠牲にして欲しくないと願った存在が、21年の時を経てようやく想いをぶつけ合い、そして倒れた男の後ろに立っている。
これ以上踏み込まないでくれと拳で拒絶して、ようやく諦めたのかと思ったその視線の先に自分とアキちゃんの想いを受け継いだ存在が静かに佇んでいるというのは小吉にとって恐怖に近い物じゃないだろうか。

・膝丸燈
あえてこの状況をわかっていながらアネックスコートで来るという彼の想い。
恐らく地球に還ったことで燈は既に自分の親について聞いているだろう。
少なくともミンミンさんとアキちゃんという2人の母親については知っているだろうし、アキちゃんが小吉にとってどれほど大切な存在であったかということも知っているだろう。
もし、それを語ったのが一郎であったとしたら。
一郎の裏切りにより自分の母親が、母親たちが死んだことを知っていて、なおここにいるのだとしたら。
小吉を連れ戻すことは当然彼の決意としてあるだろうけれど、一郎の事も連れ戻さなければならないと思っているだろう。
燈自身に母親の記憶など無いとしても、一郎が燈とミッシェルさんを守り続けていたとしても、小吉を再び火星へと向かわせるために尽力していたとしても、彼らが火星から還るためにあらゆる手を打っていたとしても、日本という国を守るためにその命すら賭けていたとしても、それでも。
それでも、一郎が真に贖う為には、救われるためには小吉と2人でなければならないのではないか。
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本当はミッシェルさんが共に来てくれていれば、小吉をぶん殴ってついでにヤンチャオをぶん殴って皆で還ろうと言えるのだろうけれど、まだ彼女は戦う心を取り戻してはいない。
ヤンチャオに対する熱いとばっちり。
いやでも間違いなく今回一郎が引っ張り出されたのはこいつが元凶なのでやっぱり思いっきりぶん殴っていただきたい。

今回は三か所同時進行状態でブログを3本書く勢いかなと思いきや意外と綺麗にまとまっていたというか、ジョセフのストーリーテラーの回し方が上手くてさすが貴家先生。
言いたいだけと言われそうだけど言いたいだけです。
それよりも先週に引き続きニュートン一族へのツッコミが忙しい。
エロネだけじゃツッコミ足りないだろうあの一族。

しかし再開してからのこの展開の速さというか怒涛すぎる勢いがもうすごくて毎週楽しみだし毎週怖い。
次は何が起きるのかという恐怖。
というか来週がどのシーンをピックアップするのかという事すらわからない。
一応編集さんの予告ではこのまま燈のターンの気がするけど、そうなると展開的に絶対重いわけで木曜日早く!














今週こそは真面目に素早くコメント返信いたします(自戒)……。