#46「CLAINS 黒き鶴 白き鶴」(本誌ネタばれあり) | 塗櫛のブログ

塗櫛のブログ

そしてYJ連載中の「テラフォーマーズ」に夢中。
テラフォーマーズ感想についてはほぼ初見の勢いで書いてますので、
文章が荒ぶっています点をご了承の上お読みください。

コメント返信が遅れていて申し訳ございません。
ちょっと週末にサッカー見て週の半ばにサッカー見てたら大変なことに。
まさかの週の半ばで90分+30分+PK戦という非常に濃い内容で脳みそが。
ただでさえ許容量の少ない脳みそが。
勝って良かった……。

 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
※以下本誌ネタばれですのでご注意願います。
 
 
 
 
 
 
 
 
--------------------------キリトリ-------------------------
『生死賭けた数秒の戦闘!』
<祈る者>を捕らえた蔓、けれどそれは犠牲と共に。
たとえその身を貫かれたとしても、彼にとって守るべきものがあるならばそれは彼にとって意味のあることなのだろう。
その身を、その命を挺したとしても。
僅かな足止めに過ぎなかったが、少なくともイワンがその特性を振るう隙を、そして<祈る者>の武器たる針を奪う事はできた。
不利を悟った<祈る者>は施設から逃亡するが、イワンに追う事は出来ない。
飛ぶ術がなかったからというのは単純な事実に過ぎない。
それよりも彼にとって、追う事が出来ない理由は、己のために身を挺した男が居たからこそ。
なんの特性も持たず、ただ生身の人間でありながらテラフォーマーと、<祈る者>と渡り合えるその実力。
鍛え上げた肉体を持つ軍人であるアシモフ、細胞レベルでその特性を肉体に同化させている一郎、そして生まれながらに特性を得ているミッシェル、人類の到達点であるジョセフ、そして奇跡とも言える、人類の到達点と同じだけの身体能力を持つ染矢。
少なくともこの5人だけがテラフォーマーと生身で戦えるのだと認められていた。
だが、それはただU-NASAに属する機関のみのデータであり、そこに属していない人間には適用されない概念。
知られざる者。
その強さは一体どこで得たものなのかと問うイワンに、『イワン・ペレぺルキナ』に対しそれが、そんな事が聞きたいことなのかと問い返すスミレス大統領。
聞きたいことはそんなことではないとわかっているだろう。
それでも、彼は答える。
父を亡くし、母の故郷である国へと渡り、人として当たり前のことをし、けれど人よりもあらゆる努力をした。
彼は答える。
『ただの人間』だというその答え。
だからこそイワンにはわからない。
それほどまでの人間が、それほどまでに強い『ただの人間』が、何故自分を庇ったのか。
何故敵国の人間である自分を、『イワン・ザクリエフ一佐』と呼んだ存在を庇ったのか。
必要だから戦争を起こした人間が必要だからイワンを助けた。
それはかつて唄われた詩を、その詩を唄った人間を思い出したのかもしれない。
名誉と尊敬と富と家族の傍で暮らせる権利を投げ捨て、娘のために祖国を捨て、娘の為に祖国を捨てられず戦ったかつての部下を殺した男が唄った詩を。
イワンが敬愛し、共に戦い、共に還りたいと願った男が唄った詩を。
白き鶴のように飛び立っていくその時だからこそ。
『人類(ヒト)を
見下ろすが如き
害虫どもの城――!』
ロシアの施設を逃れた<祈る者>は、ジンベイザメの体内に潜んだまま目的地である鹿児島へとたどり着いた。
最新型のレーダーを使ったとしても内部を覗き見る事など出来ないその城は、見せるべき情報しか見せていない。
人間達がレーダーを使っている事を、そしてそれをどうすれば回避できるのかをテラフォーマー達は知っている。
上空からの眼を警戒しているのは言わずもがな、海中からも探査の手が伸びる事すらも知っているからこそ、海の中に海洋哺乳類型のテラフォーマーを配置し、その音声により海中の探索をも無にする。
国土が質に囚われている状況であれば、政府として動くことはできない。
だが、政府でなければ。
多くの傭兵を抱えた一警護という一つの民間企業であれば。
たとえ上から、政府から止められていたとしても。
たとえ国が、政府が認めずとも。
仮に、今は。
そんな言葉を使ったところで既に戦争は始まっているのだ。
だが、足りない。
戦うべき人間が1人足りない。
復讐という思いを常にその身に抱え、金に困ったわけでもなく、テラフォーマーから地球を守るために立ち上がったわけでもない。
けれど戦い続けてきた、異質ともいえる一警護の中にいる誰とも違う1人が。
サムライソードという名を持つ彼女の敵は、テラフォーマーではない。
<祈る者>でもない。
全ての鍵を握り、人類の到達点を作り上げたその一族。
『彼らもまた
人を超えし、
人の敵。
超人一家(ニュートンファミリー)、集結!』
その両目に宿る復讐の炎は、、燃え続けるその炎は何処で灯されたものなのか。


・アンゲル・ウィリー
地球に還ってきて武器が改良されている。
今までのものよりはスリムになっているというか、スーツの下に装着出来るサイズになったというか。
マルコスの場合はU-NASAというある意味バックアップの組織が付いていたけれど、イワンくんの場合はデザ共和国が開発したのだろうか。


・人間は”正しさ”だけでは生きられない
本誌のあらすじ部分(連載が再開してから前回のあらすじが載るようになった)に書かれていた言葉だけれど、単行本に載らないのはもったいなさ過ぎる。
この『正しさ』が生物としての正しさだとしたら、正しい情報だけを得て生き残るために揺らぎすら捨てたテラフォーマーという生物が正しいことになるだろう。
#44でソコロフ博士が言っていた通りに。
けれど、それでは生きてはいけない。
生きていくことはできるかもしれないが、それは人間らしく生きていく事とイコールにはならない。
だからこそスミレスさんはイワンくんを庇ったのだろう。
彼の存在が必要だからという「正しい情報に基づいた理由」であっても、そこに命を賭けるのであればそれは間違いなく人間が持つ揺らぎなのだから。

・5人
何かベースがあってこその行動なのかと思っていたら、彼は本当に生身の人間だった。
この状況でありながら彼が人為変態しないことでイワンくんにもそれがわかったのだろう。
生身でありながらテラフォーマーと、<祈る者>と互角に渡り合えるその実力。
本来というかU-NASAに所属している、もしくはそれに近しい立場の人間達の中で手術前の戦闘訓練においてテラフォーマーを倒せると判断されたのは一郎、アシモフさん、ミッシェルさん、ジョセフ、染矢の5人。
これにスミレスさんが入っていないのは、彼はあくまでもロシアの大統領という立場であり、過去にバグズと関わっていたわけでもない、言うなれば地位があるとはいえ一般人という立場に等しいからだ。
一般人という言葉にこれほど違和感があるのも珍しい。
しかしミッシェルさんとジョセフ、染矢に関してはわかる。
特にミッシェルさんに関しては通常の状態であったとしても生まれつきの特性があるから、半分人変態しているようなものだとはいえ、燈のように感情に左右されるものではない。
ジョセフと染矢に関しては人類の到達点であること、そしてその血を引かずとも同等の身体能力がある事が既に明言されている。
アシモフさんに関しても2巻で彼がテラフォーマーのクローンを人為変態無しで倒していた描写があったし(こ伏線回収というほどではないがきっちり合わせてくる辺りさすが貴家先生(言いたい))、彼の血筋や鍛え上げられた軍人としての強さがあったのだろうというのもわかる。
しかし一郎はどれほどの身体能力に恵まれているというのか。
細胞レベルで特性を得ているからこそなのかと思ったけれど、『手術前』と言われている以上細胞レベルでの同化に関してはあくまでも考慮しない状態での強さなのだろう。
バグズ編でも人為変態する前に進化したテラフォーマーを頭突き一発で倒していた描写があったことを考えればその強さは確かなものではあるけれど、その強さをどこで彼は手に入れたのだろう。

・何者なのか
U-NASAのデータに当てはまらない6人目。
何のベースも持たず、けれどテラフォーマーだけでなく<祈る者>と互角に渡り合えるその実力。
彼はこの世界において、ある程度平凡な人生と言えるだろう。
ただアメリカで生まれたという事は、やはりジョセフの過去に出てきた同じ姓を持つジャックとの関係が深まってきた気がする。
ジャックはアメリカへと渡り宇宙関係の職に就き、その妻であるミッシェルはその名前からロシア生まれである可能性が高いだろう。
そして父を失い、母の故郷であるロシアに来たという事は、むしろスミレスさんがジャックの息子であるという可能性が高まっている気がする。
個人的にジョセフの過去と思われているものが本当にジョセフの過去かどうか未だ疑っているのだけれど、もしこれで時系列が判明してくるのだとしたら火星編で語られた過去が本当にジョセフのものという事になる。
ただ、スミレスという名前を英語読みさせるとスマイルズになり、バグズ1号のジョージ・スマイルズとも繋がってくるのでこの辺りの時系列がそろそろ明確になるのかもしれない。

・ヴラジミール・スミレス
彼が政治家になるために汚い手も綺麗な手もあらゆるものを使ったというその過去。
そしてその間にあまりにも平凡な、当たり前な人生を送ってきた。
よく学び、よく食べ、よく働き、よく鍛えた。
勿論それが人並み以上の努力であったことには間違いないだろう。
けれど、行ってきたことはあくまでも多くの人間が生きるために行うべき事に過ぎない。
そうして生きて来た事こそが彼にとって人間の証であり、彼にとっての平凡の象徴なのだろう。
それこそが『ただの人間』なのだろう。
もし彼がニュートン一族を目の敵にしていた理由がその血筋にあるのだとすれば、M.O.手術を受けることなくただの人間であり続けることこそが誇りだったのかもしれない。
人が持つ揺らぎは、生命として決して正しいとは言えないそれは、生き残るという点において正しいとは言えない。
正しくないからこそ人は人であるのだろうが、そういう意味で『人間は”正しさ”だけでは生きられない』という言葉と、#44で彼が最後に吐き捨てるように言った『害虫が』という言葉が余りにも重くなる。
人間であるが故に生き残れず、害虫であるが故に生き残る。
それが人間であり続けた彼にとって、最も悔しい事なのかもしれない。

・イワン・ペレぺルキナ
イワン・ザクリエフ一佐という敵国の兵士としての名ではなく、一人のイワン・ペレぺルキナという男に対しての語りかけ。
#44とあえて対比させるかのような呼びかけ。
その彼が聞きたかったのは、そんなことではない。
本当に聞きたいのは、そんなことではない。
何故自分を庇ったのか、何故敵国の、戦争をしていた相手を一国のトップである人間が庇ったのか。
敵国の人間を、M.O.手術を受けた人間を一国の庇う必要などない。
ましてや彼は生身なのだ。
それでも、必要だからという理由でその身を挺した。
かつてイワンくんの国と戦争を起こし、けれどその国の生き残りを、言うなれば高官を庇ったのはただ必要だからという理由だけ。
ロシアという国にとってその戦争が必要だと判断したのか、それともこのことを、デザ共和国という国でありながら国でないその地域を作り出すために戦争を起こしたのか。
スミレスさんならそれぐらい先を見越したことをやりそうな気がする。
そして、その状況を作り出したからこそ、次は若い世代であるイワンくんが必要だと判断したのではないだろうか。
その目的のために犠牲が出る事など全て承知の上で、その憎しみを背負うつもりで。
その目的のために自分すら犠牲になることすら承知の上で。
個人的にロシア班に配属されたイワンくんの立場は、ロシアの人間から見た贖罪の象徴だと思っている身としては、敬愛すべき上司も、先輩も、仲間も火星で失い戦争という観点から最も憎むべきであろう敵国のトップに守られ、そしてその相手すら失ってしまうというのは。
彼は、どこまで背負わされていくのだろうか。
真の戦争の犠牲者は、イワン。ペレぺルキナという17歳の少年でいる事すら許されなかった男なのかもしれない。

・わからない
わかるはずがない。
年若い自分に託し、誰もが死んでいくその理由が彼にわかるわけなど無い。
若いからという理由だけで託されているわけではない。
託すべき価値があるからこそ託していくのだ。
けれど、失う辛さまではどうにもできない。
そうして託されたもので膝をつきたくなるほどの辛さを彼が背負っていたとしても、既に死した人間には手を貸すことも、寄り添う事も出来ないのだから。

・白き鶴
かつて兵士を見送り、己もまた火星で白き鶴となったアシモフさんを思い出したのだろう。
家族と共にある事も、地位も名誉も富も捨てて火星へと赴き、そしてイワンくんに託して白き鶴へとなったアシモフさん。
地位も名誉も富も得て、そしてイワンくんに託して白き鶴へとなったスミレスさん
必要だからという理由で戦争を起こし、彼の故郷を壊し、けれどその同じ口で必要だからという理由でイワンくんを助ける矛盾。
そしてまた自分も白き鶴となる。
国同士の戦いではないとしても、彼もまた戦争で命を落とし祖国で眠りについたとしても、その魂はきっと多くの戦士たちと共にありたいと願ったのだろうから。

・タイトル
かつての詩、そしてスミレスさんの死を、その魂を白い鶴と表したのと対照的に、<祈る者>という黒き鶴の帰還。
このタイミングで入るタイトルがもう最高過ぎる。

・ジンベイザメ
ジンベイザメ型のテラフォーマーの内部に隠れて移動したという事だろうけれど、(目の形がテラフォーマーのものとなっている)海からの直接的な経路が繋げられる辺りやはり島というのは地の利がある。
インフラが整備されているというのもあるが、日本全体がそういう立地だからこそ狙ったというのも理由に含まれるだろう。
しかし胸に大穴が開いた状態だけれど、そういう意味で再生能力は持っていないという事になるのだろうか。
針も復活しているしと思ったけれど、そもそもスズメバチの針は何度でも刺すことが出来るというのがミツバチなどとは大きく異なっている点であり、それ故に危険生物だと扱われているのだからそれは当然か。
しかしわざわざ衣装が用意されているけれど、これもカイコガ型のテラフォーマーがせっせと作り上げたのだろうか。
他の役割も与えてあげて。
(人間の持ち物から奪ってきたという可能性は無視していくスタイル)

・大地讃頌
何だそのネーミング。
合唱曲か。
しかも66号まで作っているとか途中でネーミングを変える提案は無かったのか。
この前のご覧くださいと言いつつ何も映すことが出来ない部下に対して手厳しいツッコミを入れつつフォローも怠らず、なおかつ解説までしてくれるこの艦長がだいぶ好きになってきている。
割と良い上司なのでは。

・レーダー
ランダムにものを置くことで乱反射させ情報を遮断しているというか、かく乱している。
そもそもレーダーを使い探知するというのはどういう仕組みなのかと言えば、簡単に言えば電波を飛ばし、やまびこのように帰ってくる反射の波を検知、分析してモノの位置を把握する。
仕組みとしては割と単純であり、コウモリや海洋哺乳類なども電波ではないが音波を使って同じ事をしている。
電波は音波と違いほぼ光速で進むため、何かものに当たった場合のタイムラグは皆無に等しい。
その為何度も送信と受信を繰り返し、広範囲に渡っての探知を可能にしている。
そしてレーダーが高性能であればあるほど、並の範囲を小さく絞り込み詳細で確実な情報を得られるようにしているとの事。
けれど対象の形が複雑であればあるほど反射する情報が多くなり、分析が間に合わなくなる。
それを見越してタワーとピラミッドに関してはランダムな反射をあえて起こすような形状にすることで情報処理を遅くしているのだろう。
それは海中でも同じこと。
海中の雑音については鯨というか海洋哺乳類型のテラフォーマーが音を出すことで索敵を不可能にしているのだろう。
これもレーダーの仕組みを逆手にとってこその対策。
だからこそ人間がいるだろう種子島については構造を単純(人の顔を単純というのもなんだが)にし、人間がいるという事を知らしめている。
文字通り人質が手の中にあるという事を知らしめている。
人間の持つ揺らぎを奴らは知っているのだ。
同じ種を殺されることを看過できないことを、命の価値が決して等しくないことを知っているのだ。

・鹿児島
恐らくこの兵士が言おうとしていた言葉の続きには、原子力発電所があるというものだろう。
実際に川内原子力発電所が鹿児島にはあるし、<祈る者>が草間紫暮と戦った場所もスウェーデンにある放射性廃棄物処理場だった。
そこで何かを知ったのかもしれない。
原子力という存在が、人間を滅ぼせる力であるという事を。

・喧嘩
政府として、国としては動けないけれど国でなければ関係ない。
というよりも既に戦争が始まっている事を考えれば、今更許可も何もないだろう。
そもそも戦争というものにおいて互いに正当な宣言をした後にはい始めます、などと言って始まる事などほぼ無いと言っていいだろう。
多くの戦争において原因は多くあれど必ずそこには錯誤と不合理が含まれている。
まあ有名な言葉として「戦争は始めるものじゃない。出来る限りの外交の手段を尽くした上で結果的に「起こる」ものだ」というのもある(「ブンダバー!AuSF.B」より)。
もっとも風邪村さんが言うように何をもって始まりと定義するかという事になるだろうけれど、結局のところ正々堂々と始まる戦争などと言うものは古今東西ありえない。
だからこそ国として、政府として動くことが出来ず膠着状態に持ち込んだことを良しとし、このままの状態で新たに戦略を練るべきだという七星の考えと、国という概念をほぼ持たず今回の戦争そのものを大きな喧嘩と考えているからこそこの状態の間に動けるものが動いて城を取るべきだという斉藤くんの最短距離を走ろうとする考え。
戦争を喧嘩と言い放つ辺り、行動の速さというか#34でも書いたけれど彼らの持つ自分自身を信じているという点における思考の速さこそが強みである事には間違いない。

・復讐
漢字を知らない斉藤くん可愛いよ斉藤くん。
とはいえ漢字を知ってはいるけれど復讐の「讐」の字は咄嗟に書けと言われたらかなり怪しい漢字を書いてしまいそうで可愛いなどと言っている場合ではない。

・サムライソードさん
彼女が戦っていた相手はテラフォーマーではない。
<祈る者>でもない。
1人で戦い続けていたのは、その目に復讐の炎を宿し見据えるその先は、600年前から人類の到達点を目指し続け、そして辿り着いた一族。
彼女自身がニュートン一族の血を持っている人間なのだろうか。
それとも偽って血族としてあの場に入り込もうとしているのか。
そうでなければ一族が集結しているVIPエリアに入ることを許される事は無いだろうと思うけれど、逆にニュートン一族の血を引く存在が一警護に居るというのはどうなのだろうか。
もっともあれだけの一族にすれば彼女の存在自体が些末なものとして扱われているのかもしれないが。
ただ、彼女の過去を考えると、超人的一族の人間としての扱いとは思えないというか、ニュートン一族の血を引いた人間にしてはあまりに辛い過去だったのではないか。
ジョセフの産みの母親の血筋である可能性も捨てきれないが、あれがジョセフの過去と確定しているわけではないし、父親が語る限り母親に関してはしっかりと後始末をしたはずだ。
あるとすれば彼女がミッシェルさんの代用品的な扱いをされていた可能性なのかなと。
#34で彼女の外見がローマ班に居たマリークレアに似ている事、プラナリアの特性を実験するために利用され、更にそこにツムギアリの特性を入れられたのだとしたらという事を書いたけれど、ここに来てまさかそんな。
プラナリアの記憶操作のために実験の一環としてその特性でクローンとして造られた存在でありながら自我を持ったが故にその手から逃れ、ニュートン一族から離れるという点において最も安全と思われる一警護に入ったという可能性もあるのではと書いていた当時の答え合わせは如何に。
そしてそういう意味ではダンさんの存在も気になる。
最近出番のない彼だけれど、愛用しているだろう銃にはコスモポリタンの文字が書かれていたことを考えると味方として信頼しきれないというか、その性格を見るに味方であって欲しいと願わなければならない切なさというか。
もっともジョセフの事を考えると、その性格すらも作られたものである可能性もあるけれど。

・一族
金姫しっかり生きていたし、ファティマの姉という事でエロネよりは上座に近いのだなと。
というか失態を犯した金姫よりもエロネの方が下座なのかと思うと、血の濃さという優劣は動かない一族なのだろうか。
逆にそういう事には無縁なようにも思えるけれど。
--------------------------キリトリ-------------------------
脳みそが死に過ぎてて今週の感想が「斉藤くん可愛い」で終わるところでした。
しかしここに来て急にサムライソードさんの過去が明かされるというか、ニュートン一族という核心に迫る勢いで様々な答え合わせがなされるのではないかと緊張が凄い。
主に私の中で。
まあそう身構えていると全く違う方向に話が飛ぶのもまたテラフォなので、身構えすぎても意味がないという気もするw
とりあえず編集さんの次号の話を見るにまだサムライソードさんとニュートン一族のターンかなと。
核心に迫るスピードがかなり上がってきているような気がするけど、まだ小吉と一郎の決着もついていないし木曜日が楽しみすぎるし怖すぎる。
だからテラフォが好きだ。















巻末の「上半期の大ニュース」について、テラフォの再開と橘先生が答えている事がとても嬉しい。
貴家先生の復帰を誰よりも待っていたんだろうなあ……。
こういう2人だからこの作品が作れるのだろうと思うと、本当再開して良かったと改めて。