真夏の朝。

 

誰も居ないチャペルに

 

一人ただ座っていた。

 

image

 

ここに居るだけで

 

祈りも願いも言葉も

 

何も必要ないように思えた。

 

 

ときおり外からの物音がして

 

静寂が緩んで

 

そして

 

また静寂になる。

 

 

 

身体の中の細胞だけが

 

生きるための動きを

 

繰り返している。

 

からだの中にリズムがあり、

 

そのリズムは耳に届いては来ない。

 

 

高い天井

 

ステンドグラスを通り

 

色合いを変えて降り注ぐ光と

 

身体のリズムは

 

同じくらいの神聖さを持って。

 

 

 

 

 

聖路加国際病院の旧館にあるチャペル。

 

 

FLOWのサロンから歩いて15分ほど。

 

随分昔に一度来たことがあったのだけど、

 

ずっと補修工事が行われていたらしく、

 

最近やっとまた開けた。

 

病院の中にあるチャペル。

 

長い間、多くの人々のこころに寄り添ってきた場所。

 

 

喜びよりも、

 

悲しみややるせなさや

 

生と死とに向き合う人々を見守ってきた場所。

 

 

全てを受け入れている場所。

 

 

 

静かな時間だけが流れている。

 

 

 

私たちに与えられているもの、

 

身体という持ち物は

 

完璧なんですよね。

 

健康であっても、病を持っていても。

 

治療前でも治療後でも。

 

常に最善を生きようとしている。

 

戦ったり、休んだり、受け入れたり、拒絶したり。

 

今を懸命に生きようとしている。

 

誰にでも訪れる人生最後の日のその瞬間まで。

 

完璧に全うする。

 

 

 

静かな夏の日の朝にて。