先日の９月１１日で、
アメリカの同時多発テロ事件から１５年が経ちました。
私は当時マンハッタンの西４５丁目に住んでいました。
まだNYのマッサージセラピーのカレッジに通っている学生で、
ようやく最後のセメスターにこぎつけた時に、
９１１のテロ事件が起こりました。
街中が一変したのです。
もちろん、クラスは休校。
ニューヨーク中が恐怖と不安と悲しみに包まれました。
今まで体験したことのない緊張感。
いつまたどういった手段で起きるかも知れない恐怖。
きっとみんながこんな気持でいたと思います。
こんなに静かなマンハッタンは
私が住んでいた９年間でこの日以外ありません。
それからもテロの恐怖は続きました。
ずっと漂う焼けた匂い。
もちろん、ワールド・トレード・センターからです。
学校は間もなく再開。
しかし、ワールド・トレード・センターの近くに住む
クラスメートと連絡が取れないということで、
クラス内は異様な雰囲気だったこともあります。
（彼女は従兄弟の家に避難していたということで、無事でした。）
講義を続けるかどうかという話し合いが
担当の先生と生徒の間で持たれたり、
空いている教室には瞑想ルームも作られました。
落ち着きを無くしているのは学校だけではなく、
NY中、アメリカ中が揺さぶられていました。
毒ガスマスクが売れに売れ、抗生物質を持ち歩く人、
郵便物や水に混入されるかも知れない毒薬のうわさ、
あちこちに貼られたMISSING PERSONの大量の張り紙。
アメリカ発着の飛行機は全てキャンセルとなり、
アメリカの空の上から一切の飛行機が消えました。
マンハッタン内の高いビルからはランダムに避難命令が出て、
ビルから避難する人の波ができていたり、
歩いている道がイキナリ遮断されて、
ここは危険なので立ち入り禁止となったりして、
余儀なく別の道に誘導され、
静かに誘導される人やヒステリックに騒ぐ人。
なんとも言えない何かが戦争の気配をまとい、
近づいてきている、、、、
もう尋常ではない毎日に、
私はこんなに苦労したんだから何事も起こらず
マッサージのカレッジを卒業させてほしい！
というのがその時の私の切実な思いでした。
学生時代の苦労とは、沢山の医学用語、
特に骨と筋肉の名前は三十路過ぎた私の脳みそには
厳しかった！！！
そして、脊柱側湾、皮膚炎、糖尿病など、
日本語では漢字から意味が解るものも、
一つづつ覚えていかなければいけません。
英語でのプレゼンテーションなんて、
もう死にものぐるいです。
この先アメリカに何かあったら、
もしかしたら、戦争が始まったら？
学校が閉鎖とかになったら？などど、
様々な憶測が頭をよぎりました。
それと同時に、自分がマッサージセラピーを選んだ事は
正しい選択だったとも思ったのです。
それは、何があっても、世界中でこの技術を使って人の役に立てる。
どんな状況であっても、自分の手さえ使えれば、
マッサージはできる！のです。
私はマッサージをする事が喜びであり、
幸せである事に改めて気付きました。
癒しの仕事と言われますが、
施術者としての私自身深く癒されていたのだと感じました。
体や心を癒し、楽にして、元気にするマッサージセラピー。
それは受ける側も施す側も両方が
WINWINの関係でいられるのです。
なんて素晴らしいんだろう！！！！
あれから１５年経ちますが、同じように今も
マッサージセラピーを実践出来ていることを
幸せに思います。
これからもマッサージセラピーを通じて
沢山の人達のお役に立てていけたらと思います。
９１１から１５年、祈りを捧げます。
〜NYのトップセラピストによる〜
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