killer sore throat』を前々回お話させて頂きましたね。その中でLemierre症候群という聞きなれない名前がありましたね。レミエール症候群といいます。


稀な疾患で私自身はまだ経験がないのですが、近年少しずつ増加傾向にあるので忘れないで覚えていてください。


口腔内の感染症(主に咽頭炎)が一段落した後、2-3週間してからリンパ管を介して広がった細菌により頸動脈鞘、特に頸静脈に炎症が波及し感染性血栓性静脈炎を起こすものをいいます。若年者に多い疾患です。咽頭痛や開口障害、内頚静脈に沿った圧痛を認めた際には積極的に疑い、頚部造影CTで診断をつけます。



救急医の挑戦 in 宮崎

左の赤印が血栓でつまった内頚静脈です


口腔内の主に嫌気性菌感染(Fusobacterium necrophorumなど)からの波及によるもので、咽頭痛に対して抗生剤を使用しなくなったことや、マクロライドや第2.3世代セフェムを使用されることが多いのが近年の増加の要因とも考えられています。


killer sore throat』といわれる所以は血栓が全身に散らばって肺塞栓(最も多い)や多発膿瘍、膿胸、胸膜炎を起こすためで進行すれば敗血症、DICで死亡するためです。(死亡率は5-20%)



救急医の挑戦 in 宮崎

http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/ENEJMicm030003


はぐれERさんがこちらで詳しく説明してくれています。

http://blogs.yahoo.co.jp/qq_gto/2766809.html