久しぶりに子育てママへ
本日は『父親の喫煙と子供の白血病』についての論文をご紹介いたします。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21765828
この論文はこれまで『喫煙と白血病』の関係を調べてきた18もの研究をまとめたものです。
①妊娠前 ②妊娠中 ③出産後 それぞれの時期における喫煙と白血病の関係ですが、総じて非喫煙者に比べて1.1倍のリスクとなるようです。
つまり非喫煙者の患者さんで白血病の子供が10人とすると、同じ数の喫煙者のグループでは白血病の子供が11人つまり1.1倍に増えるということです。(この中にはかつて喫煙していた人も含まれています)
妊娠前の喫煙では1.25倍、妊娠中は1.24倍、出産後は1.24倍です。
妊娠前と出産後の喫煙と白血病になりやすさとの関係は喫煙量に依存するという結果もでています。
愛煙家の方にとっては耳の痛い話かもしれませんが、健康な我が子を思えば禁煙するのに大きな障害はないと個人的には考えています。
ちなみに喫煙ついでにもう一つ。
COPD(肺気腫や慢性気管支炎)の発症に喫煙が大きく影響しているのはご存じですね。
その際に『どれくらいの期間、たばこを吸っていたのか』というものを数値で表してリスクを評価することができます。
パックイヤー(pack-year)と言います。
1日に何箱のタバコを何年間吸い続けたかを掛け合わせたもので、喫煙歴の指標とされています。
数値に比例してCOPDや肺癌のリスクは上昇しますが、目安として次の数値を覚えておくといいです。
20pack-yearsの喫煙歴の人のCOPD発症率は19%、60pack-yearsの喫煙歴では約70%にCOPDが認められ数が多ければ多いほどCOPD発症のリスクが高くなります。
(20で20%、60で60%とすると覚えやすいかも)
また、もう一つの数値としてHOT(在宅酸素療法)に至るまでに必要な年数が男性で58-pack-years、女性で30 pack-yearsとも言われています。
女性は喫煙の影響を受けやすく男性よりも少ない数値でCOPDになるのですね。
本日は以上です。