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作品解説人気俳優、伊勢谷友介の8年ぶりの監督作品。原作は、辻内智貴の同名のベストセラー小説だ。将来の事など、深く考えていなかった大学生が、1人旅の途中でセイジという男と出会い、衝撃的な事件を経験する事で、人生の意味について、少しだけ答えを見出すまでを描く。田舎町のドライブインで成り行きでアルバイトをさせられるハメになった「僕」は、「旅人」と呼ばれるだけで名前さえ出てこない。そして、素性は明かされずとも見るからに訳ありそうなセイジの深い言葉。人間とは、人生とは、真実とは…様々な問題を提起している作品。出演は、西島秀俊、森山未來、裕木奈江ほか。既に怪優の域に達しているとも言える西島秀俊の演技は圧巻だ。
あらすじ広告代理店で仕事に追われる日々を送る“僕”(二階堂智)のもとに、ある一通の企画書が届く。それは、忘れていた20年前の夏を思い出させるものだった。何かに突き動かされるように、その送り主に会いに行く。20年前。バブルの熱気冷めやらぬ頃。適当に就職先を決めた“僕”(森山未來)は、学生最後の夏休みに1人で当てのない自転車旅行に出かけた。いくつも街を超え、気ままにペダルを漕ぎ続けていると、山道でカズオ(新井浩文)が運転する軽トラックに衝突してしまう。幸い大した怪我ではなかったものの、手当てのためにと、旧道沿いの寂れたドライブイン“HOUSE475”に連れて行かれる。そこで出会ったのは、雇われ店長のセイジ(西島秀俊)。自由に生きているように見えるセイジは、普段は寡黙だが心を捉える言葉を持ち、夜な夜な集まる個性溢れる常連客たちからも慕われていた。そんな彼らに強く惹かれた“僕”は、いつのまにか住み込みで働き始める。深い哀しみや不完全さを抱えながらも、必死に生きる店のオーナー翔子(裕木奈江)や常連客たちとの触れ合いの中で、少しずつ“僕”は自分の居場所を見つけ出してゆく。ある時、セイジが常連客の一人、ゲン爺(津川雅彦)の幼い孫娘りつ子に対して特別に心を許していることを知った“僕”の中に、もっとセイジを知りたいという欲求が生まれてくる。ある晩、こっそりセイジの部屋に忍び込んだ“僕”は、古い8ミリのテープを発見。そこには、唯一セイジの過去が垣間見える映像が残されていた。やがて、夏が過ぎて秋の気配が近付いてきた頃。それは、“僕”が現実へ戻る日が近付いて来たということでもあったが、その時、突然事件が起こる。無差別殺人の被害者となったりつ子は左腕を失う大怪我を追い、両親の命も奪われてしまったのだ。心を閉ざしたりつ子。必死に看病をする翔子たち。しかし、りつ子のもとを訪れずにセイジが取った行動とは……。
キャスト西島秀俊/森山未來/裕木奈江/新井浩文/渋川清彦/滝藤賢一/二階堂智/津川雅彦
スタッフ監督:伊勢谷友介 脚本:龜石太夏匡 伊勢谷友介 石田基紀 原作:辻内智貴 作品データ上映時間:108分 公開年:2012年 公式サイト
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