コロナ禍での所属会派の関西展覧会出品でした。全長縦に和歌2首大字かな散らし。
西行二首でいずれも私家集『山家集』からあまり知られていない歌で5月に合いそうなものを選びました。1首目は「風」から始まる序章とし、川沿いの会場でしたので2首目「水わくる難波堀江」で墨を出して強調。最後「五月雨のころ」でまた墨継ぎし、全体を引き締めました。1首目の小さな集団が下方位置にあるのに対し、2首目の大きな集団が上に上がるという散らしの大字版です。二六版では横幅が足りないと思われますので、全長幅70にして正解だったかと思います。2首目の行数が多いので墨の出し方に差をつけるのが難しかったです。

①風をのみ花なきやどはまちまちて
いづみのすをまたむすぶかな
②水わくる難波ほりえのなかりせば
いかにかせまし五月雨のころ