最近は速読多読がよしとされがちな風潮がありますが、一方で気に入ったり、心に残った一冊は折に触れて何度も何度も読み返して、考えたり、発想を膨らましてみたりしてみるということも忘れないようにしたいですよね。
ということで、「キャピタル」をまた読み返してみました。
- キャピタル 驚異の資産運用会社/チャールズ・エリス
- ¥2,100
- Amazon.co.jp
- せっかくなのでアンダーラインチェック。。。と思ったらとまらなくてかなり長くなってしまいました。
- でもこれを読めばテレビの前のキミも明日からキャピタル通。
- ●キャピタルが作り上げられた要因を整理すれば、①長期戦略的な思考、②一貫した目的意識、③社員重視の経営、④ユニークな運用体制、⑤弾力的な組織運営、⑥しなやかな報酬体系、⑦非公開会社、⑧個性の尊重
●複数マネージャーシステムのメリットは次の4つ。①報酬に直結した明確な個人の権限と責任、②結果に対する客観的な評価、③プロとしての高い満足度、④高度に分散されたポートフォリオ。
●一流プロの共同作業から生まれてくる個人的な反目を調整するため、強力なリーダーシップを持ったまとめ役が必要
●複数マネージャーシステムはキャピタルのように個人のエゴよりもチームプレーを優先する文化を確立した会社にして、初めて機能する仕組み
●「採用も結婚に似たところがある。うまくいかないときはたいてい自分の方に責任があるものだ。」
●人材採用で求める「C」で始まる特性。①Common Sense(常識)、②Curiosity(好奇心)、③Caution without being stubborn(慎重さ)、④Creativity(創造性)、⑤Confidence without arrogance(自信)
●「人生の奥義を極めれば、仕事と遊び、労働と余暇の区別はなくなっていく」
●「自分のしたい仕事に、これだけ自由に打ち込める環境はほかにはないだろう。キャピタルに欠点がないからではなく、改善していこうとするみんなの気持ちが強いから楽しい雰囲気になっているんだと思う。政治的な動きや官僚的なやり方を目にすることはほとんどないから、本当の意味での成果主義を目指せる職場なのだ」
●客観的に見て正しいということがキャピタルでは最も尊ばれる。
●求めるのは自分自身のことを注意深く分析できて、前向きにとらえられる人材だ。なぜなら人は自分に対しても、同僚に対しても、顧客に対しても、明らかな間違いを犯すことがある。そのとき、自信のない人は間違いを自分で改められず、それを繰り返す傾向がある。己をよくしり、前向きに対処できる人でなければ、運用業務には向いていないだろう。
●成績不振のファンドマネージャーに対し、会社として忍耐強く対応できる理由は、採用時にその能力を徹底的に検証し確認しているからである。だからこそ、潜在能力をまた発揮できるように周りも応援できるのだ。
●他人の意見を汲み取る能力。意見をみんなで前向きにとらえ、お互い利用していこうという機運がないとダメ。そのためにはお互いの信頼感は欠かせない。
●どんなに優秀でも他人を傷つけるようなタイプは採用しない。
●個人的な名声や評判を意識的に避け、外部の評価はあまり気にしないのはキャピタルの基本的特徴の一つ。
●歴史上、今日の機関投資家ほど、企業、産業、経済、政治の状況について幅広く専門的な情報を保有しているグループはないだろう。常時、企業のトップや政府高官、一流エコノミストや産業の専門家と対話し、そこから集めた第一級の情報を蓄積し、世界中のどこからでも瞬時にアクセスできる効率的なデータベースを作り上げている。彼らは同業者とも強力なネットワークで結ばれ、莫大な資産を運用することで社会的にも尊敬を集めている。
●彼らは自由に企業業績を評価し、経営を批判するのが商売なのだが、実は自分たちの会社は、決して彼らが他人に要求するレベルには達していない。というのはよく聞かれるジョーク。
●業界には「資産運用ビジネスは人が財産」という言い古された文句があるが、実態はそれとはほど遠く、ほとんどの組織の統制は乱れ、場当たり的ですらある。
●非公開を続けることは顧客の利益にもつながる。顧客から最も優れた運用会社として認められるために、不況期に採用を増やしたり、新戦略に打って出ることができる。
●キャピタルには組織図というものがなく、フラットな組織である。経営の意思決定はテーマごとに違う数人の決定権者がいる。キャピタルの経営手法は日本的経営のようなコンセンサスづくりを基本にしている。
●意思決定は、できるだけ多くの質問や意見をくみ上げながら、あとから批判がでないようにしていく。
●組織における権限とは、組織を変える権限のことだと思う。運用会社の場合でいえば、運用手法を変える権限のことだ。キャピタルでは、そのかなりの部分が現場の若いアナリストに与えられている。最も有効な投資判断を行うためにどうすればいいのか、彼らは日夜知恵を絞っている。
●唯一の「真理」などないのだから、どんな質問をしようとも臆することはない。
●「異なった意見を受け入れ、時に奨励すること。そして、いつでも決断できて、その結果に対して責任をとる覚悟ができていることが、キャピタルの強さだと思う。」
●「バランスのとれた中庸を目指す経営は、長期的にはあまり面白くないし、ビジョンに満ち溢れたものにも見えにくい。しかし、個人個人のきめ細かい配慮と結びつけば、すばらしい成果が上げられる。」
●彼らのような偉大のプロの優れた点は、次の世代を育てながら経営を進めていけることだ。ここの意思決定に若者を参加させることで、企業の文化や価値観は受け継がれていく。先輩たちのが現実の問題を前にして、時に相反する価値観やデータをもとに難しい判断を下し、時には失敗する姿を目の当たりにして生きた勉強をするわけだ。
●ラブラスは物事を単純に決めすぎることの弊害を十分に認識していたので、結論を急がず、途中のあいまいな議論のプロセスを大切にした。業界でほとんどの会社やっていることを「やらない」という意思決定を幾度となく行ってきた。事実キャピタルの重要な意思決定のうち「8割」は「ノー」というものである。
●困難なときになればなるほど、リーダーはその能力を試される。・・・「激しい下げ相場に遭遇すると、その人が過去に何を学んできたかが一目瞭然となる。そうしたときに、長期的な視野を失わずにいるのは誰か、周囲の人への配慮を絶やさないのは誰か、じっくり観察している」・・
●「私はキャピタルが筆頭株主を引き受けてもいいと思う企業でなければ、投資を提案しない。我々は長期投資家であり、投資先企業の経営陣と本当の意味でパートナーとして協力する。」
●「一人前のアナリストにはるには、最低でも10年はかかるでしょう。しかし、一人のアナリストに、それだけ長く1つの産業を担当させられる会社はほとんどありません。そこにキャピタルの競争力があるのです。」
●「・・・アナリストにとってはコミュニケーションの能力も大切だ。そのためにはユーモアのセンスが欠かせない。なぜなら、一流のアナリストでも10回に4回は間違える。時には重大なミスが避けられない。そうしたつらい時期を乗り越えるには、自分で自分の欠点を認識し、周りの人から付き合いやすいと思われているほうがよいのだ。」
●キャピタルと他社の運用面の大きな違いの一つは売買回転率。低い回転率と長期投資とが組み合わさるとアナリストにはそれだけ時間の余裕が生じ、より詳細な分析が可能となるが、その分責任が重くなる。
●「世の中には、自分は絶対にミスを犯さないと思っている人種もいるが、そうした人は運用には向かない。ミスを犯してはいけないと思うような人が、この仕事をすれば命を縮めるだけだ。投資には失敗は避けられず、しかもその失敗は誰の目にも明らかになる。だからそれを乗り越えられる気持ちの強さが絶対に必要だ。」
●「投資に成功するためには、判断を間違えないだけではダメだ。いわんや正しい判断がミスよりも多ければよいというものでもない。的確な判断からもたらされる利益が、ミスによる損失を圧倒的に上回るときに大成功となるのだ。」