ガンマンさんより転載記事です
福島楢葉町
原発のあと立ち入り禁止区域になり
幾千の動物たちの その尊い命が消えて行った
人も動物も消えた町
一年半の間 この町の時間は止まったまま
空虚な時間だけが過ぎて行ったに違いない
今年二月にこの楢葉で一匹の犬が捕獲された
目はうつろになり がりがりなこの子は
この〔時間の止まった町〕で どんな時間を過ごしてきたのだろうか
飢えで次々に倒れて行く仲間たちをどれだけ見てきたのか
音のない 鼓動のないこの町で一年もの間
どうやって生き抜いてきたのか
この悲しい瞳だけが知っている・・
生きる執念
生への執着
本能だけを頼りに 彼は見事にその地獄絵図のような時間を
生き抜いて見せた
そして彼に待っていたものはおいしいおやつでもなければ
賞賛の拍手でもない
収容所に拘留され
半年間の狭い檻の中の生活だけだ・・
そして切なすぎる命のカウントダウン
殺処分という 人間からの最初で最後のプレゼント・・
彼のこの画像を見た瞬間 譲渡希望申し込みを書き込み送付したが
その結果を待ちたいと思う
今 福島センターに収容されている犬たちは
こんな子ばかりだ
恐怖と苦痛だけを味わい 生の執着を捨てず
生き抜いた子たち
首輪が首筋にめり込んでいながら
生き抜いた この子に
年老いて最後の力を振り絞って
生き抜いた この子に
歩きすぎて後ろ足が曲がって
しまった この子に
こんなものしか
与えることしかできないのか私たちは・・
なにかを感じた方
ぜひその手を挙げて ほしい・・
彼らに生きるチャンスを
彼らに暖かい真心を 与えたい・・
彼らの瞳が 少しでも輝いたとき
彼らの笑顔が 私たちに語りかけるものが必ずある
２０１２ ８ ２９
ganman