『風邪ひいた』
あなたから一言、そんなメールが届いた。
ひとり暮らしだから、体調悪くすると何かと不便よね。
それに、こういうとき側に誰もいないと心細いし・・・。
「熱、何度だった?」
「サンパチ」
「何か食べたの?」
「なぁんも」
「じゃあ何か作るね。食べたいの、ある?」
「おかゆ。あと、りんご」
キッチンに立つ。お米を洗って、ちょっと置いてから、火にかけて。
それから、買ってきたばかりのりんごをむいて。
きっと欲しいと言うだろうと思ってた。予想どおり。
「できたよ」
とろんとした目で笑うあなた。しんどいのに、無理しないで。
でも喜んでくれてうれしいわ。
口元に、おさじを近づけてあげる。
「おいしいよ」
「よかった。食べたらゆっくり休んでね」
風邪をひいてるはずなのに・・・
あなたの熱にくるまれて、あたしまで身体が火照ってくる。
こうやって重なり合ったせいよ、お互いの体温が中和しようとしているの。
こんな微熱なら、いつまでも続いてほしいわ。