会場に入ると、例の囲いも


その中も全くそのままで


椅子が増えているわけでもない。

 



会場はすでに満席で、立ち見も出てるのに、


囲いの中には、審判しかいない。

 

 

 

私たちもさっきの席に座ろうとして、


囲いの中に入ろうとしたら、


今までいなかった顔の係員に止められた。

 

 

「身分が違うので入れない。」

 



中東では男女差別があると聞いていたので、


私のことだと思った。



 

「私はどっか座るんで大丈夫だよ」と伝えると

 

「いやいや全員だから」とミロシュが苦笑してる。



 

スポンサーの人たちは、申し訳なさそうに、


「もう少しで帰るんで、ひとまずどこかに座ろう。」

 

帰る??誰が???

 



真ん中の一番前のファンに話をすると


すぐに席を空けてくれた。



 

自由席だから、早くに来て、


席を取ってただろうに申し訳ない。



 

そう言うと「ちょっとの間だけだから」と言われた。

 


 

まあ、突っ立ってると


ファンがどんどん押し寄せて来ちゃうし、


とりあえず空けてもらった席に座る。

 


 

が、身分が違うとかって、言い方、酷すぎないか?

 


私が英語を聞き間違えたのか、

 

聞きたいこと、言いたいことだらけだったけど

 

そう言う雰囲気ではなかったので、

 

大人しく、大会を観戦する。

 



 

すると、気がついた。

 

 

あの例の白い布を被った椅子にシークが座っていた。

 

 

すぐに帰る、、、あ、この人たちか。

 

 

しばらくボディビルショーとシークを観察していた。