それは、生で見た奇跡5 | BETTER THINGS

それは、生で見た奇跡5

最終回です。


素晴らしい監督でした。





J2:第41節】水戸 vs 仙台:ベルデニック監督(仙台)記者会見コメント [ J's GOAL ]


11月6日(土) 2004 J2リーグ戦 第41節
水戸 1 - 2 仙台 (14:04/笠松/8,112人)
得点者:'6 オウンゴ-ル(水戸)、'45 大柴克友(仙台)、'76 大柴克友(仙台)
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●ベルデニック監督(仙台):

「試合を終えた時にまず考えることは、その結果とそこに至る要因と過程だ。今日は試合に勝つことができ、これは大きな意味を持つ。しばらく勝つことができなかったし、非常に嬉しい。今日の勝利への過程を考えると、非常に難しく、また、予想外の驚きがあった。1つ目は、オウンゴールで失点をしたこと。2つ目は、菅井が思いのほか調子が悪かったことだ。選手の交代は上手くいったと思うが、プレーのクオリティという部分では、まだ難がある試合だった。ボールを奪われたあと、チャンスを作られてしまうという問題などがそうだ。

水戸は『しっかり守ってカウンター』というゲームをしてくることは予想できた。深い位置でアグレッシブにプレッシャーをかけてきて、そういったことによるスペースのない狭い密集地で、どれだけ打開できるかが今日の課題だった。その点、前半は課題が残ったが、後半は改善されたように思う。運動量も増えたし、前に行くという点も改善された。試合前に選手たちには、『モチベーションを常に高く持って、どんなときでも相手に勝つという気持ちで臨むように』という話をした。今日は勝ちはしたものの、戦術的にはうまくいった試合ではなかった。相手にスペースを与えず、そして失点しないというゲームが理想だが、今日も失点してしまった。先の川崎F戦のように、速く攻め、ボールを奪われたら速く戻り相手にチャンスを与えないサッカーが理想だ。とにかく、今日の勝利は貴重だった。次のゲームへのモチベーション、自信にもつながる勝利だった」

Q:菅井選手の不調について。練習では好調のように見えましたが・・・。

「菅井選手はチームの中でも最もポテンシャルのある選手の1人。前線に飛び出すこともできるし、いち早く戻ることもでき、ボールを奪うこともできる。練習でも好調は持続していた。ただ、今日に関しては、精神的なプレッシャーがあったのかもしれない。経験のない選手だから、その経験を積ませるためには、代償を払ってでも使わなければいけない。もちろん、ボランチの一角を担ってくれると考えている選手だ。この後、本人とも話をして、現在の状況など確認をしていきたいと思っている」

以上

【天皇杯4回戦】仙台 vs F東京:ズデンコ・ベルデニック監督(仙台)記者会見コメント [ J's GOAL ]


11月13日(土) 第84回天皇杯4回戦
ベガルタ仙台 0 - 1 FC東京 (13:00/仙台)
得点者:阿部 吉朗(F東京)
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●ズデンコ・ベルデニック監督(仙台):

「負けたわけですから、当然満足はできない。今日のこの試合に勝つため、全ての努力をしてきた。今週のトレーニングはずっと、今日の試合に向けた戦術的な準備だった。相手はとても良いチームだが、そのチームに対してしっかりとした分析はできていたと思う。彼らの一番の特徴は、非常にアグレッシブな守備から早いカウンターを仕掛け、そこからチャンスを作っていくところだ。その上で何人か、個人能力の高い選手もいる。それも考慮に入れると、今日の試合は相手と同じカウンターというやり方しか手が無かったと思う。具体的には自陣で相手にスペースを与えないと共にアグレッシブな守備を狙うというやり方だ。これにより相手の速い選手にスペースを与えなかったし、密集の中で相手も攻めあぐねたと思う。攻撃に関しては基本的にカウンター、そして時には人数をかけて、ボールを回して攻めることを狙った。

試合もそういう流れになったし、お互いに何回かチャンスがあった。さらにラスト15分頃にはうちに流れが来ていたと思う。佐藤や大柴といった選手が、ボールキープをしてチャンスを作ることもできた。カウンターだけでなく、しっかりと相手を崩すこともできるのだということを証明できたと思う。しかし終了間際になって、サッカーはミスのスポーツであることを証明してしまった。こちらが前がかりになっている時にボールを失って、相手のスピードのある選手がこちらのディフェンスを突破して行った。1試合を通じて相手にこうした状況を与えてしまったのはこの場面だけだったが、大柴が不用意にもパスミスをしてしまい、味方もそれを予測できなかった。だからといって最終ラインの選手たちが、簡単に突破を許しても仕方がないというわけではない。ただ、J1のチームに対して、非常に良い戦いが出来たと思う。時間帯で見れば、どちらがJ1のチームかわからない時間帯もあったと思う。その意味で戦術的な戦い方に関しては満足している。もちろん結果に関しては満足できないが」

Q:選手のモチベーションも高く感じたが、これに関して一言。

「確かに選手のモチベーションは高かったと思う。勝てば次に進めるというのも理由の一つだし、J1のチームに対して自分たちの力を証明したかったというのもあったと思う。もちろん、プロだからどういう状況でもモチベーションは保たないといけないとは言っているが、彼らも人間だから(昇格を断たれた状況で)モチベーションを保てというのが難しい問題であることも知っている。昇格の可能性が残っていたら、何もしなくともモチベーションは高くいられるだろう。これからに関しては、チーム全体でのミーティング、あるいは個人個人で話をしながら、モチベーションを高めていきたいと思う。ただこういう気持ちの基本となるのは、自分の力を伸ばしたいと思う気持ちだ。今シーズンJ1に上がれないからといって、この世の終わりというわけではないし、来年またチャンレジするチャンスはある。その意味で来シーズンに向けて、日々のトレーニングやこれからの試合を、自分の力を伸ばす貴重な機会として捉えていかなくてはならない。実際選手たちは、とても真剣にトレーニングしているので、それに関しては何も言うことは無い」

Q:リベロ起用の根引と右ストッパー起用のセドロスキー、それぞれへの評価及び、今後の起用法は?

「今日の試合ではルーカスをしっかり抑えたいと考えて、セドロスキーが多めに付くように指示した。これがこの起用法の理由の一つ。もう一つはセドロスキーとも話したが、コミュニケーションの問題がある。英語なり日本語なり、ピッチ上での指示の面で(これまでのやり方だと)問題があると考えた。根引のリベロはこれが要因だ。全体として最終ラインは上手く機能したと思うが、失点の場面だけどういう状況だったのか、もう一度見てみたいと思う。今後もこの形で行くというのはあると思う。相手チームのタイプも見て、その都度考えたい」


【J2:第42節】仙台 vs 山形:ベルデニック監督(仙台)記者会見コメント [ J's GOAL ]


11月20日(土) 2004 J2リーグ戦 第42節
仙台 2 - 0 山形 (14:04/仙台/15,412人)
得点者:'22 佐藤寿人(仙台)、'83 シルビーニョ(仙台)
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●ベルデニック監督(仙台):

「勝ったことには満足している。もう一つ満足できるのは、選手たちが勝ちたい気持ちやアグレッシブさを見せてくれたことだ。試合前に選手に言った。「我々は勝ちたいと思ってゲームに望む。彼らは勝たなくてはいけないと思ってゲームに望む」と。こうした中で、状況にふさわしい戦術でゲームができたと思う。F東京戦と似たような形で、底からカウンターを狙うということだ。F東京戦との比較で言えば、もう少しキープして相手を崩して行こうと考えた。そういう意味でゲームも、規律正しいカウンター、さらにボールをキープして攻める。この形が出来たと思う。
 
相手の長所も分かっていた。まずは(昇格の可能性を残し)非常にモチベーションが高くアグレッシブだということ。もう一つはトップに長いボールを入れて、そこからボールを拾い、点を獲りに来るということ。セットプレーも強いため、ファールをもらうために強引に突破してくるというのもある。そういう状況では非常に力を発揮するチームだ。私たちはこうした相手の長所をしっかりと抑えた上で、自分たちのサッカーをする必要があった。それにプラスして、相手の8番(永井)の選手を抑える必要もあった。相手の一番危険な選手だ。この意図の通り、ゲームを展開できたと思う。相手は強引に点を獲ろうとしてくる。うちとしてはそのプレッシャーに耐え、その上でカウンター、あるいはボールを動かして相手を崩していくことを考えた。

確かに長いボールへの対応でこちらの守備の問題もいくつかあったが、それでも点は獲られなかった。サッカーというのはまず、相手を崩すことを考えなくてはいけないゲームだ。力ずくだけでは上手くいかないということだ。もちろんそういうプレーもゲームの一部ではある。ただ(こうしたチームを相手には)下がってカウンターという戦術で勝てるということだ。本来私もそういうサッカーは好きではないし、これまで何回か出来たようなボールを持って崩していくサッカーをしたいとは思うが、今日はカウンターの戦い方を選んだ」

Q:4試合目にして、東北ダービーに決着をつけた感想は?

「今日は試合前にも「そろそろ山形と決着を付けたい」という話をした。これまでの戦いは、一度目はうちの方が内容が悪くて引き分けた。後のニ回はうちが内容が良くて引き分けた。『そろそろ勝とう』、そういう話をした」

以上

【J2:第43節】京都 vs 仙台:ベルデニック監督(仙台)記者会見コメント [ J's GOAL ]


11月23日(火) 2004 J2リーグ戦 第43節
京都 2 - 1 仙台 (13:04/西京極/10,579人)
得点者:'37 崔龍洙(京都)、'48 中払大介(京都)、'85 佐藤寿人(仙台)
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●ベルデニック監督(仙台):

「今日の負けは順当だと思う。相手がチャンスを多く作った。前半はうちのチームが機能しなかった。相手と同じように下がってカウンターを狙っていたが、攻めざるを得ない状況になった。失点をしたのだから戦術を変えなくてはならない。それが上手くいく時もあれば、悪いときもある。ポジティブな面はゴール前でのプレーが増えた事で、ネガティブなのはカウンターを許すという点だ。とにかく、前がかりで点を取りに行くしかなかった。期待通りに戦えなかったのは疲れが残っていたのではないか」

以上

【J2:第44節】仙台 vs 横浜FC:ベルデニック監督(仙台)記者会見コメント [ J's GOAL ]


11月27日(土) 2004 J2リーグ戦 第44節
仙台 1 - 1 横浜FC (14:04/仙台/15,101人)
得点者:'7 マシュー(横浜FC)、'88 シルビーニョ(仙台)
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●ベルデニック監督(仙台):

「選手たちは非常に頑張ってくれた。100%の力を出したと思う。プレーのクオリティという意味では満足できたが、最後の部分、相手を崩すという意味では満足できなかった。
 失点は不運なものだった。チャンスではない部分から失点してしまった。そしてそれで相手は下がってしまい、こちらは密集の中で攻めなくてはいけなくなった。2ヶ月前までであれば、そこを崩していけるのがうちの強さであったのだが、今日はそれができなかった。これはサッカーでは一番難しいことなのだが、ボールを動かして、密集の中でチャンスを作ることができなかった。
 こういう状況ではやはり、我慢強くプレーしなくてはならない。簡単にセンタリングを上げたり、やみくもにシュートを打つというのではなく、我慢強く相手を崩すことにチャンレンジしなくてはいけなかった。強引にやろうとした部分が多かったと思う。
 チームとして以前の調子を取り戻せていないが、選手にはそれに対して注文をつけることもない。非常に頑張ってくれた。サポーターも満足してくれたと思うし、相手ゴール前でたくさんプレーできたと思う。
 もちろんあれだけリスクを犯して前へ出ると、後ろにスペースを与え、カウンターを食らう危険もあったが、運よく食らうことはなかった」

Q:6位という成績について、どのように受け止めているか?
「私はこのチーム、コーチングスタッフ、そしてクラブの全ての人を誇りに思っている。完全に新しいチームとしてスタートした中で、このようなプレーができたことには本当に誇りを持っている。
 今シーズンは全く新しいチームとしてスタートした。高卒、あるいは大卒の選手、J1、J2の控えだった選手、そしてもともとこのチームに残っていた選手、彼らで新しいチームを作らなくてはいけなかった。
 その意味でこのチームは100%出し切ったと思うし、それがこの結果だ。
 昨年降格した時は、2つの可能性があった。1つはすぐに良い選手を補強し、かつ当時在籍していた一番良い選手を残す。例えば京都がやったようなやり方だ。その中でJ1復帰という目標を掲げる。もう1つのやり方としては、新しいチームを作っていくということ。大型補強をするのではなく、まずどういった選手が残っているのか確認しながらやる方法である。
 この2つ目のやり方については時間がかかるが、より安定したチームを作ることができる。今年クラブとしては、1つ目の方法で立てるような目標を立てた。しかし実際やったことは2つ目のやり方だった。目標と現実的な力の差が大きかったとは思う。
 ただ私のこれまでの日本での経験から言うと、クラブのこうした方針に対しては、あまり異を唱えてはいけない。そういうことを言うと今度は『自分のチームを信用していない監督だ』などと言われてしまう。
 以前も言ったが、やはり自分のチームにどういう選手がいるかというのを、確認しなくてはいけなかった。

 このチームがシーズン序盤に大敗して、しかし結局6位で終わったということは、6位からスタートして1位になる可能性もあるということ。チーム内で良い人間関係が作れたこと、それを非常に嬉しく感じている。スタッフ、選手の中でそれぞれ尊敬の関係があった。一緒に仕事をした全ての人と、互いに良い関係が作れたということだ。このチームはここから伸びていく、すべての環境は整ったと思っている。

 もう一つ言えることは、チーム全体、もしくは選手個々が成長したということだ。あとは、今やっているコンセプトというものをしっかりと続けていく必要があるだろう。ここで全て変えてしまうと、また一からやり直しということになってしまう。それがまたうまくいかなかったとしたらまたやり直しということになると、例えば以前J1にいたことのあるチームが、今(J2で)いるポジションになってしまうということだ。

 私のコンセプトは、プレーのクオリティを高めることと、選手の人間性を高めること、その両方に基づいていた。相手を崩していく近代的なサッカーをするには、非常に強いパーソナリティが求められる。しっかり自立していること、決断力があること、自信があること、イマジネーションを持っていること、すべて近代サッカーで必要な要素だが、日本の社会ではあまり表立って出てこないような要素。そういうところ(を変えること)にチャレンジしてきたし、そのためにいろいろなコミュニケーションを図った。

 もしそれがクラブの中で理解されないのだとすれば、外から見たらなおのこと、何をしているのか分からない、そんな状況だったと思う。市原でも名古屋でも私のやり方を理解してくれて、チームは上昇した。ただ私の印象では、ここではあまり理解されなかったのかなという気はする」

以上