*雨の夜* | アゲハ蝶~飛べない雌アゲハ~

*雨の夜*

窓から聞こえる雨音




ひたすら降り続く雨が
僕の胸に響く







君に別れを告げた日
雨の中
君は僕を待ち続けた




逢いたくない




そう言って僕は一人部屋で雨音を聞いていた





屋根から滴る雫の音が
やたら響いて


次第に雨は強くなり


君が僕を呼んでいるようだった




まるで君が泣いているかのように
雨は強くなった





それでも僕は





突き放したんだ…




まだ子供で
思うがままに
走っていた





先にある後悔の重さなど分からず





いつも突っ走った





そしていつも



君を傷付けていたね…




耳を塞ぐ手を緩めれば





雨音は静かに
遠ざかった




うるさいくらいの雨音は
さらさらと消えていった




そして僕は

窓の外に君の背中を眺めていた