我々は当たり前のように資本主義という言葉を使いますが、そもそも資本とはなんでしょうか?一昔前は資本主義と共産主義という対立項がもてはやされましたが、それは実際のところ、資本というものをしっかり理解した上での対置ではないようにおもわれます。
ここで、真っ先に❓が来ることを恐れずに資本を簡潔に説明します。資本とは「増殖する価値」のことです。これで分かれば苦労はしませんね(笑)。
価値が増殖するとはどういうことか?ここは学派などによって意見が分かれたり、そもそ資本というものについて深く追求しない識者もいますが、簡単にいうと人が働いて生み出されるものが一般的に価値です。厳密にいえば、これは労働価値説という資本の説明のひとつでしかないのですが、ここはわかりやすさ重視でいきましょう。
さて、皆さんが買うあらゆるものは、大変多くの人々の労働によってもたらされています。おにぎりを買うにしても、米農家、卸売業者、小売店、流通など色々な人が携わっており、それが購入されます。ここで、その生み出されたものが購入されることで、貨幣と交換され、そこに確かに価値が生まれた証拠になるのです。
ちなみに言えば、労働で作り出したものでも、購入されなければ「価値」があったとは認識されず、GDP(国内総生産額)にもカウントされません。
要約すれば、労働によって作られ、購入されることでその商品に「価値」があったことが認められるわけです。
さて、改めて、資本というのは「増殖する価値」でしたが、どのように増殖するのか?ほっといても増殖はしません。価値は人々が働くことによって生み出され、増殖していくのです。もっと厳密に言えば、人々が働くことによって生み出されたものが、買われることによって、資本の増殖が起きます。
このような構造で、価値が無限に増殖していく社会のことを資本主義社会と呼ぶのです。本当は共産主義でも価値を生み出すという行為を行います。ですが、その価値をどう扱うかなどで、少しやり方が違います。
今日はここまでです。
まとめると、資本は増殖する価値であり、その価値は労働によって生まれるということになります。実際は、労働や資本・価値に関してもっともっと深い考察があるのですが、今のところはやめておきましょう。