オッズ2.00を「五分五分」と読む人は多い。オッズの逆数が確率の一種であることは正しい。ただし、ひとつの市場のすべての結果について逆数を足すと、合計は必ず100%を超える。その超過分がブックメーカーの取り分で、英語ではマージン、ヴィグ、オーバーラウンドと呼ばれる。どこにも手数料とは書かれていないが、すべての賭けが払っている。
計算の仕方
ホーム勝ちとアウェイ勝ちの2結果しかない試合で、両側とも1.91だとする。
1 ÷ 1.91 = 52.4%。両側を足すと104.7%。
100%を超えた4.7%が控除率である。各側の52.4%を104.7%で割ると、控除率を取り除いた確率になる。この例ではちょうど50%ずつだ。
市場の種類で控除率は違う
ブックメーカー控除率の日次指数は、観測できるすべての市場で控除率を毎日計測し、日付と市場種類ごとに平均値、中央値、計測したブックメーカー数を公開している。2026年7月から9月の平均は次のとおり。
| 市場の種類 | 結果の数 | 平均控除率 |
|---|---|---|
| 勝敗(2結果) | 2 | 4.85% |
| ハンディキャップ | 2 | 5.33% |
| 合計得点(オーバー/アンダー) | 2 | 5.97% |
| 勝ち・引き分け・負け(3結果) | 3 | 7.55% |
| 選手市場 | 2 | 7.68% |
規則性ははっきりしている。結果の数が多く、情報が少ない市場ほど控除率は高い。3結果の市場は2結果の市場より構造的に高く、選手市場はさらに高い。計測方法は方法ノートに書かれている。
控除率は均等には乗っていない
控除率を取り除いたあとのオッズは正確なのか。公開研究 Well Calibrated, Unevenly Priced は、決着済み市場の36,476件の観測でこれを検証した。控除率を除いた確率を10%刻みの区間に分けると、どの区間でも実際の発生率は確率から2ポイント以内に収まる。つまりオッズは良い予測である。ただし差には一定の方向がある。確率50%未満の側は価格が示すよりやや多く起こり、本命側はやや少なく起こる。控除率の大部分は人気薄の側に乗っているということだ。この現象は1949年の競馬市場で初めて記録され、現在のオンライン市場でも観測される。
オッズを読む人にとっての意味
- 2社のブックメーカーを比べるなら、オッズそのものではなく「控除率を除いた確率」を比べる。
- 複数の試合を組み合わせる賭けは、各試合の控除率を掛け合わせる。3試合で各4.85%なら、合計は14.6%ではなく (1.0485)³ − 1 = 15.3% になる。
- 人気薄の価格は、見た目より少し高い。
自分で計算したい場合、研究のデータセットとコードは公開されている(CC BY 4.0)。控除率を除いたモデル確率はキー不要の無料APIからも取得できる。
本記事は教育目的の統計解説であり、Bet Better Pty Ltd(メルボルン)が執筆した。賭けの助言ではない。20歳未満の賭博は法律で禁じられている。