どうも、石黒テル密です。



TwitterInstagramで心中屋を1ページ漫画として毎週アップしていくことにしました。



いや〜色々考えて色々やった結果の答えですね。なので、一度そうなった理由をどこかで話したいなと思ってまして。さてどこから話せばいいのやら。



ま、まず言えるのは、心中屋は40ページ程の読み切りなりなんなり、とにかくページ数が多ければ多いほど形にするのは難しいという事ですかね。 



第一としてキャラデザが既に決まっているもの、と言うのに話をつけるのは私はあまり得意じゃないんですね。漫画は話に合ったキャラデザをする必要があります。それは話の内容に説得力を持たせる為です。「世界一ボクシングの強い男の話!」にするのにそのキャラが貧弱じゃダメ、みたいな感じです。極端な例ですが。



で、「心中屋」はタイトル通り主人公が心中する話です。死ねない体を持つ男が死と温もりを求めて心中を繰り返す、って感じです。



でもストーリーや題材を掘り下げるとどうしても恋愛要素って避けられないんですね。無理心中では無いので。で、実は年越し前くらいから所用で45ページくらいで心中屋描いてたんです。心中を取り扱うには恋愛要素、心中相手との信頼を築く時間、好きになってもらう為にやるテクニック、またその風貌、というのを考え入れていくわけですが、まぁー俺の好きなクダク(主人公の名前)では無くなったし俺のやりたかった事からどんどん離れて行くんですわ。描くの中断しました。



上記した要素を元に面白い漫画にするには「誰もが目を奪われる爽やかイケメンが、恋愛テクを使って女を恋に落として信頼されるも実は心中が目的」という話になるんですな。そこで、キャラデをそれっぽくする必要があります。クダクが爽やかイケメンだったら読者も恋に落ち、心中相手のキャラに共感し、また「実は心中目的」というオチも引き立ちます。



違う目線から考えてみてもいいでしょう。その年越し前から描いてた心中屋のクダクの心中理由は「生まれた時から孤独だったから愛が欲しい」だったのですが、それなら働いて友達でも作ったら良くね?体が年老いないのが不振がられるなら5年くらいづつバイト転々とすれば良くね?「私(女性)のバイト先の先輩はとてもイケメンで優しい。でも実は夜な夜な女を引っ掛けては心中を繰り返してる怖い人」という日常と非日常のギャップを出した話でも面白くなるし。



そうです、「女性に警戒されない雰囲気と女性を恋に落とせる風貌と日常に溶け込める服装」というのがキャラデザの絶対条件になってくるんですよね。まぁ私の話作る能力が足りないからって言われたらそれまでですが、ともかく「爽やかイケメンが実は怖い人だった」というの流れがメインになる。



いやーーーークダクはそうじゃないっしょ。怖い見た目のやつがそのまま怖いってオチです。あと心中屋は恋愛云々じゃなくて生きるか死ぬかを描きたいんですよ!死にたいなら一人でさっさと死ねばいいのに心中という他者がいる死に方を選ぶとこにクダクの人間臭さがあるんですよ!それを表現したいんです!でも読み切りやなんやでやるってなると日常に溶け込める設定とか読者への説得力とか恋愛要素が避けられない!



なら!ストーリーも何もない、死ぬとこだけを描けば心中屋で俺がやりたい事を表現できる!って事で1ページ漫画にすることにしました。クダクの死への望み、独りの寂しさがやりたい事なので。



こんなワガママな手法はもちろん商業誌では出来ません。でも今ちょうどSNS時代だから俺もうSNSで勝手にやっちゃう!って感じです。



俺がやりたいからやります。描きたいから描きます。表現したいから表現します。



商業は仕事なのでそれなりに頭使ってネーム切ったり描いたりしますが、心中屋に至っては俺の野生的な部分を野放しにします。



クダクには申し訳ない。お前に「商業誌」って箔を付けてあげたかったけどそれは出来なかった。


でも私が商業誌でやってって売れる上では確かにいい息抜き?羽を伸ばす?ストレス発散?が?出来て結果的にいいバランスを取ってくれる役目になります。俺は裏で誰かをブン殴らなきゃ表で人に優しく出来ないんです。



ありがたい事にそれまで個人で発信してた心中屋を知ってる方もいらして毎週の更新を楽しみにしてくださる方もいらっしゃいます。その方には感謝しきれません。俺の暴言を受け止めてくれてありがとうございます。週1でやろうって決めたのは単純に俺がクダクを描きたかったからです。



長々と書きましたが、心中屋は来年で生まれて10周年だったりするので、個展とかやりたいですね。池袋手刀でやりたいです。2日間くらい借りて、オープン18時クローズ23時とかで、D代も付けてお客さんドリンク飲めてクダクの等身大パネル作って俺がステージに座っててサイン描くよー的な。



でも、描いていくには、やるからには、趣味んて穏やかなもんじゃねぇ。つまんねぇ事はやりたくねぇからな。でも仕事でもねぇ。だからこそ、全力を込めて殴りにいきます。



心中しましょう。そうしましょう。




お読みいただきありがとうございました。