皆さん、こんにちは
前回、前々回と佐世保市の遺構「旧陸軍佐世保要塞丸出山堡塁跡」をご紹介しましたが、今回は西海市に現存する「旧陸軍佐世保要塞石原岳堡塁群跡」のご紹介です。
佐世保軍港の防衛のため、明治33年(1900年)6月、佐世保要塞地帯が告示されて複数の要塞砲が建設されましたが、佐世保市だけではなく、対岸に位置する西海市(旧西彼杵郡西海町)にも「石原岳堡塁」(明治32年(1899年)竣工)が設置されました。
※堡塁(ほうるい):主に軍の施設で、敵の攻撃を防ぐために土砂・コンクリートなどで造られた構築物。
石原岳堡塁群跡を囲むように、森林公園が整備されています。
説明板には「石原岳堡塁」は明治32年(1899年)に竣工したとあります。
当時は10cmカノン砲6門、鋼製9cm臼砲(きゅうほう)4門が備え付けられていたようです。
120年の歴史の重さを感じる重厚な造りの兵舎?跡です。
一部を閉鎖している場所もありますが、中の様子を見ることができます。
階段を降りていき、建物の中を覗いてみることに。
不気味な感じもありますが、興味津々で各所を観察しました。
入り口には「第一号」と書いており、第5号まで確認できました。
中には何もなくて、がらんどうですが、しっかりした造りであることがわかります。
ここで少し昔の字体の説明をしましょう。
文字が風化して判別しづらくなっていますが、右から「第三号」と書いています。
この号は、旧字体の異体字になります。
→ 號 → 号 なのですが、
要するに、虎の旧字体が というわけです。
入り口を塞いでいるところもあります。
中が狭くなっているのでしょうか。
砲台跡へ行ってみました。
ヤブ化が進んでいますが、3ヶ所の砲台跡と、たぶんこのあたりに堡塁があったんだろうな~という雰囲気は伝わりました。
公園内には東園やトイレもあります。
佐世保には他にも「弓張岳堡塁群」、「牽牛崎堡塁群」、「小首堡塁群」があるのですが、堡塁群によっては地元民に聞かないと場所が判然としないようです。
もう少し情報収集をして行ってみたいなと思います。
<平成31年2月25日来訪>