向こうを歩いてるのは・・・後ろ姿からして橘君だ。



教室のドアのところにいると思ったら向こうに早足で行ってしまった。




私は部活が終わって教室で待っててくれてるみゆきを迎えにきたところ。





私も教室の中から聞こえた。





『俺、みゆきが好きだ。』


確かにこう言った。









――――私の大好きな人の声で。







私はドアの窓からそっと覗いてみた。



みゆきと拓磨が抱き合ってる。



正直辛い。


前から拓磨の気持ちを知っていたとしても・・・












みゆきが橘君のあとを追って走っていった。





“ガンッ”



ロッカーを蹴った音がして、私はビクッってなった。







「見ちゃったぁ!

フラれてやんの~」






って笑いながら励まそうとしたけどできなかった。





いつも、わいわい楽しそうに笑ってる姿しか見たことなくて、

こんな悲しそうに、悔しそうに顔を歪めている所を見たことがなかったから。





でも、肩を落として机に座ってる拓磨をほっとけなくて、無意識に足が進んでいた。






「拓磨…」





私の声に拓磨が顔をあげる。





「あー亜美か」




「…大丈夫?」




「あー見てた?俺ダッセーな」




ははって力なく笑いながら手で目を隠すように覆った。





「無理して笑わないで。」


見ていらなかった。





「泣いていいよ。みゆきのこと本気だったんでしょ?胸貸すしっ」




冗談のつもりで言いながら、正面に立って腕を広げてみた。





「…ぁりがと。」




拓磨は私の肩におでこを乗せた。




その行動にはビックリしたけど、そのまま私は拓磨の頭に手をのせた。









ーー見てしまったから。



頬を流れる涙を…






















































「なにやってんだよ…俺。」
























みゆきには言ったことないけど、私は出会ったころから拓磨が好き。


































「ハァ…」



遠くでみゆきの足音が聞こえる。




終わったーーー






“ガンッ”




俺は気持ちの行き場がなくなって、思いっきりロッカーを蹴った。




クシャッと頭をかいて机に座わった。





「なにやってんだよ…俺。」





自分がここまでバカだとは思わなかった。





ダメに決まってるじゃん。わかってたのに。。。



みゆき以上の女なんて…



これから先、見つかるのかな?



























「うーさむっ」






もー9月かぁ



半袖は寒いなぁ



明日は長袖にしよっと。





今私は部活の亜美を教室で待っている。





運動部が頑張ってる姿をぼーっと窓から見ていた。







“ガラガラ”





「っ!」

私はビックリしてパッと振り向いた。




「拓磨か!ビックリしたなぁ。

どうしたの?部活じゃないの?」




「あぁうん。

ちょっと忘れ物。みゆきは?」





「亜美待ってるの!」




「相変わらず仲いいな。」




「ムフフ。まぁね♪」




「・・・」




「どーかした?」





拓磨が怖い顔して黙ってる。









「みゆきが好きだ。俺と付き合って。」



拓磨が真剣な顔言った。






え?今なんて言ったの?





私はいきなりの出来事に頭が真っ白になった。






「じょ、冗談でしょ?」







「俺は本気だよ。

小さい頃からずっと好きだった。」





そう言って近付いてきてを私を強く抱き締めた。






展開が速すぎてついていけないで体が動かなかった。





「瑞稀…」



その名前を聞いて今の状況が掴め、拓磨の視線の先を見てみたら、ドアの近くに橘君が立っていた。




「わりぃ。」




「橘君!」




橘君は出て行ってしまった。




「待って!」



追いかけようとする私の腕を拓磨が掴み、また抱き締めた。







「拓磨!拓磨はなして!」





「ごめん・・・

俺さいてーだな。

みゆきの気持ち知ってたのに。ホントごめん。

こんな俺にみゆきを止める資格なんてないな。行って、ちゃんと気持ち伝えろよ。」





拓磨はすごく切なそうに笑った。





「拓磨・・・ありがと。ごめんね。」





あんな表情の拓磨をおいていくのは辛いけど、

私は走って橘君を追いかけた。