Web 2.0はコンシューマからビジネスのプロへ向かう (SNS Linkedin記事その6)
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Interview/20070307/264132/?ST=ittrend&P=6

Linkedinを辿ってやってきたCEO--MyBlogLog

 Reid Hoffmanが挙げた例の一つはScott Rafer氏のMyBlogLogだ。

 これは,Linkedinのおかげで会社ができたというわけではないが,存在する会社に新たなビジネスモデルと技術を提案し,CEOになってその会社を生まれ変わらせた。その際にLinkedinが有効に使われたというものだ。

 Feedsterの創始者であるScottはFeedsterを離れた後,ブロガーとそのブログを読む人々との交流を深めるというアイディアを持っていた。

 ブロガーとそれを読むリーダーとの間にはリーダーが一方的にブログを読むだけでブログを書いた人とはほとんど交流がない。また,同じブログを読むリーダー間にもなんのコミュニケーションもない。Scottのアイディアはブロガーとそのリーダー達をネットワークで繋げば,更に大きなネットワークが形成されるというものだ。

 そのアイディアを実現すべく,ネットをサーフしていて,2005年に創始されたMyBlogLogという会社を発見した。ここで使われている技術を使って彼のアイディアを実現しようと考え,Scottは創業者兼CEOのEric Marcoullier氏に連絡を取ろうとした。

 この時に威力を発揮したのがLinkedinだ。実際にはEricとScottには共通の友人があり,このコンタクトはスムーズに行きScottはCEOとなって彼のアイディアを実現した。

 MyBlogLogは今年初頭,Yahoo!に買収された。YouTubeの創業者がGoogleに買収されて巨額のGoogle株を手にしたように,大企業による買収は,米国のベンチャー企業にとって成功シナリオのゴールの一つであると言える。

筆者紹介:岸本善一 米IPDevices 代表
きしもとぜんいち。京都大学電気工学科を卒業後,米国でコンピュータ・サイエンスの博士号を取得。GTE研究所,ヒューレット・パッカード,北米NECを経て 1998年にIPDevices社を設立。先端技術をビジネス展開に結びつけるコンサルティング業務を提供する一方,NASAの技術を商品化する Intellimotion Systems社のCOO/CTO,オープンソースの負荷分散・ハイアベイラビリティに重点を置いたInternet Appliance社のCTO,小型モバイル組込みシステムのセキュリティを提供するCardSoft社のVP Strategic Alliancesを務めるなど,ベンチャ企業での技術とビジネスの融合にも力を注いでいる。最近は米国のオープンソース企業,MySQLやJBossの日本市場参入を手がけた。

[2007/03/09]