Web 2.0はコンシューマからビジネスのプロへ向かう (SNS Linkedin記事その2)

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Interview/20070307/264132/?ST=ittrend&P=2


有料会員は面識のない人にもコンタクトできる

Linkedinのビジネスモデルは?どのように収入を得ているのか。

 サービスとして,どのビジネスパーソンにとっても役立つものにしようとしている。そのためには,良い無料のサービスを提供することが必要だ。

 サービスの中で,昔の同窓生を探すサービスがある。これは,それ自体は良いサービスだが,ビジネスの観点からはそれ程重要なサービスとは言えない。確かに,それなりに役立つこともあるが,同窓生は仕事を探してはくれないだろうし,求人の役にも立たないだろうし,ビジネス・ディスカッションに参加して助言をくれたりもしないだろう。真剣なビジネスを考える人には,サブスクリプションを購入して貰う。

 整理すると3つの収入源がある。まず第一に,サブスクリプション,これがあればLinkedinを経由してまったく面識のないがコンタクトしたい人にコンタクトが取れる。2つ目は求人情報,3つ目は,これはあまり多くはないが,広告だ。


ビジネスのプロはブロガーになりたいとは思わない

どうやってこのビジネス・ネットワーキングのアイディアに到達したのか。既に,SNSは存在していたと思うが,どうしてビジネスに特化したものを考えたのか。

 それには,既に存在するツールをどのようにすれば更に有益にできるかという観点と,インターネットがビジネスのプロに対しても益々その威力を増してきたということを考えなければならない。

 例をあげよう。私がPay-PalのExective Vice Presidentだった時,製品グループからどうやって日本でのサービスを展開するかという質問を受けた。特に,日本の銀行の規則や法律を知る必要があった。それで,知っている人に片っ端から電話を掛けて,この質問に答えられる人を教えてくれと頼んだ。お互いに知らない人同士の知人の2人から,日本でビジネスをするなら,伊藤譲一さんと話すべきだと言われた。この2人の内,コンタクトの力が強い方を選び,伊藤さんに連絡した。伊藤さんは金融に詳しいコンサルタントを紹介してくれた。それで,日本への取り組みができた。

 つまり,インターネットでは皆が情報を発信できる。だが,大部分のビジネスのプロはブロガーになりたいとは思っていないし,ポッドキャスターになりたいとも思っていない。この経験を通じて,すべてのプロのビジネスパーソンは自分のプロフィールを持つべきだと思った。そうして,そういったプロフォールを介して,コンタクトしたい人を探すツールが必要だと痛感した。

 ビジネスの世界で人々がどのように,振舞うかを見ると,信用できる人とのつながりから成り立っている。だから,Linkedinの2つの柱は,パブリックにアクセスできるプロフィールと,信用の置けるネットワークだ。このネットワークで信用できる人々を結びつける。