パナソニック 食器洗い乾燥機 プチ食洗 NP-TCR1-W ホワイト/パナソニック
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「いやいやいや、そこまでいらんでしょ」
正直コレが私のファーストインプレッションであった。
食洗機のことである。
そもそもこの狭い台所のどこに置くのだい。

当時、私と(後に夫になる)彼は大江戸線の新宿駅から程近い1Kのマンションに住んでいた。
彼はどうだか知らんのだが、私の中には「家賃を払ってるほうが偉い」の図式があり、この時は元々私が住んでいたマンションに転がり込まれていたので、完全に私が主導権を持っていた。

「手で洗えばいいじゃん、っていうか私しか洗ってないじゃん」

正確には、時々掃除に来てくれる私の母がきっと一番多くお皿を洗っていたに違いない。

やがて、その狭い部屋でパンダのような佇まいを見せていた「彼氏」は「夫」と呼ばれるようになり
私の腹は日に日にデカさを増し、身動きが取りにくくなってくると、生まれてくる子のために引越しをし、せっせと家事を手伝う(どころかメインで動く)ようになり、新居の世帯主であるところの夫が家賃をメインで払うようになるとその主従関係は完全に逆転する。

新しい部屋のキッチンにはたしかに「食洗機置くならここですよー」と言わんばかりにコンセントが付いている。しかしながら、微妙に狭い。世に多く出回っているタイプでは、はみ出る。完全に。
「困ったねー、でも欲しいねー」
と夫は言い続けながら決定打にかけたまま1年が経過する。

ところがある日、象徴的な出来事が起きる。

我々夫婦は共働きのため、子どもを保育園に預けて仕事に行くのだが
私の母が週3で夕方お迎えに行ってくれ、そのまま夕飯の支度や洗濯など家事をやってくれていたのだが
その母がちびっ子がもらってきた強烈な風邪をくらってダウンした。

「風邪」と書いたが、正確にはロタウイルスという、
お子様をお持ちの方には非常に馴染みのある、そうでない方には全く認知度が低いアレである。

えーっとねえ…ノロのすごいやつ?

要は感染性胃腸炎の一種である。

家族全員がダウンすることになり、母はしばらくお迎えに来られない状況となった。
主に子どもが汚したものを早く消毒して洗濯しないといけなかったので、自分も最悪な体調の中、洗濯に気を取られていたら、見る見る間に皿は山のように、シンクに積み重ねられていった。
そう、子どもはもうごはんを食べるような月齢になっており、食器は3人分だったのだ…。

汚れ物がたまると、人間って心が弱っていくものなのですね…

保育園児の性というか、息子は流行りの病を毎度きっちりもらってくるので、その都度大人にも感染るのであるが、子どもと接する家族の中でも体力がない方である母は、「ごめん、今週お迎えいけない」になることがだんだん増えてくる。すると目の前には汚れゆく部屋、台所、洗濯物…

ワーキングマザー(←この言い方がなんか私にはしっくりこないので別の呼称を考えたい)歴1年半にして心が折れた。

「もう、食洗機買おう…」

この頃(去年の初秋)にはコンパクト家電シリーズとやらが出ていたおかげで、うちのキッチンにもギリギリ置けたのでした。

お皿を内側に向くように並べていって洗剤入れてスイッチポンで、帰宅時にはキレイに洗い上がっているのだ。冬の冷たい水に耐えなくてもいいのだ。しかも、離乳食用に小さいすり鉢を使っていたのだが、すり鉢の目に入った色素沈着のような汚れも回数重ねるごとにキレイになってきてる。

「もう、手で洗うだなんて、ナンセンスだよね…」(前言大撤回)

あ、結局出産以降ずっと夫が炊事系はやってくれているので
一番多く使っているのは、実は私ではなく夫なんですけどね。

ワシノミカ
デザイナー/ライター
twitter:@kikka303
最近は日テレ系列のLIFE VIDEOという会社でT部長改め「T社長」の手下をしています。
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