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広島のまんが図書館は、比治山公園中腹にある。
昨日まで急坂を自転車で高度差30m以上も上っていたのだが反対側に歩く歩道、エスカレーターがあった。
比治山の頂上付近には日米合同の「放射線影響研究所」なる施設がある。
前身はABCC。原爆投下の翌年、アメリカによって比治山に設置されて、原爆症で死んだ死体を集め、その臓器を研究標本として集めた組織である。はだしのゲンの中で猛烈に批判している。放射能を撒き散らすことがわかっていながら原爆をおとし、その影響がどうなるかを標本として集め、自国(アメリカ)で核兵器が使用された時の放射能対策の研究をする。死体ばかりでなく、生きた標本(原爆症を発症した者)も集め、身体中(女の人の性器の中も)くまなく調べ、治療は一切しないと。
この施設の存在のためか、毎日警察車両(護送車)が少なくとも朝から夕方まで停車し、警官が3〜4人暇そうに警備している。近くを通ると「こんにちは」と愛想がいいわけだが、尋ねると「テロ対策重点区域になってるから」とのこと。
研究所の下は現代美術館。
その下に広島まんが図書館がある。今日は、はだしのゲン10巻。さらに中沢啓治の「はだしのゲン私の遺書」を読んだ。ゲンのモデルは作者の中沢啓治だが、作品に沿った自叙伝は壮絶極まりなく涙が出る。更に原爆は思い出したくもなかった青年期だったが、27歳の時の母親の死をきっかけに怒りの執筆を始め、73歳死ぬ直前まで原爆、戦争と正面から向き合ってきた。
