毎年欠かさず続けた夏のキャンプ。丹沢水無川上流の河川敷。

多いときは2泊3日を4ラウンドこなした。小中学生のグループ3〜12人くらいを引率。今にして思えば「無謀」としか思えないような「沢登り」や「登山」も子どもらを信じてやってきた。50歳代になってからも。

若い頃は、河原の石ころでかまど作りから始めていたが、こちらの老いとともに子どもも「上品で手抜き好きに」なり、1泊2日や日帰りに。そして調理もガスバーナーを使って。それでも、自然の中での体験は子どもにとっていつでも新鮮で心をおおいに踊らせる。

50歳半ばだろうか。小学生の女の子ばかり5人。塾の卒業生の女子高生に同行してもらった時のことだ。

キャンプ2日目。沢の中を大きな岩を越えながら30〜40分ゆっくり歩いて水無川本谷大滝(F1)まで行くのがお決まりだ。以前はF5まで行っていたが、崩壊激しく、ここ数年は本谷のF1だったり、葛葉川など他の沢だったり。

 


 

 

ヒル対策、ロングソックスに塩水。ヘルメット、おにぎり、飲料、タオルをリュックに。ハーネスも装着。小学生でも油断しないよう気を引き締めて。

私は、万が一のため、ザイルや包帯、薬品類もザックに。

怖がってる子どもたちに「大丈夫だよ。幼稚園の子だって平気なんだから。でも油断しちゃダメだけどね」などと言いながら出発。

先頭を歩きながら、注意事項を言いながら、不安定な場所はガードしながら、子どもらも安定した歩きになってくる。最初怖がっていたのが、岩を越えるたびに面白いに変わっていく。靴のまま水に入る心地よさも感じてくる。

20分ほどきた頃か。流れの落ち口を身体でカバーしながら、すぐ上流を一人ずつ通らした。「ここは危ないから気をつけて。休むのは平なところに行ってからだよ。」

5人の小学生、そして高校生も無事通過。

次の瞬間。何が起こったのか?浮石?滑った?バランス崩した?

「やっちまった〜〜!」

水の落ち口に真っ逆さま。ガリーーン。後頭部を強打。

「終わった!」と思った。「生きてる。痛みは?」手と脚が少し痛いだけ。脚が半分水に浸かってる。

 

早く安心させなきゃ。。背丈ほど転落した。その背丈ほどの高さを上ることができた。一斉に注がれてる6人の目。

「ごめん、先生しくじっちゃった」という側から立ちくらみ。「ちょっと待って」と座り込む。「大丈夫だったの?」と女子高生。ヘルメットとザックが大怪我から身をを守った。いや命を守った。頭から出血してたら。。。電波も届かない。。。

 

大滝行きは中止。子どもらは、川遊びを楽しんだ。女子高生に同行を頼んでおいて助かった。予定通りその日の夜帰った。ペットボトルの蓋も開けられない手で運転して。。

 

他人に気を遣って我が身が疎かになるなんて。。油断以外の何者でも無い。翌日手と足の打撲と診断された。骨には異常なしだった。。(その6に続く)

 

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