いい加減なあたしではあるが、真面目に感動したのである。
先に申し上げておくのであるが、これから常連さんになるつもりなのである。刮目する想いなのである。
最近、あたしの魅力ある知人が、考古や宝物に詳しいので興味深い話をお聞かせくださったのである。
そもそも古代史が好きなあたしとしては、ビンゴな領域であったばかりでなく、実はとんと暗い領域であったので、「eー国宝」なんてサイトも見たりして、結構密かに盛り上がりだしたのである。
その総本山が、上野の美術館・博物館群の中枢である「東京国立博物館」所謂「トーハク」なのである。
そのトーハクでは、「ミュージアムシアター」という少人数でバーチャルリアリティ映像をもってして国宝等を解説してくださる企画があって、かなりご盛況のご様子なのである。
http://www.tnm.jp/modules/r_event/index.php?controller=list&cid=12
お聞きするには、土日のみで数回開催されるものの少人数なので、満席になってしまうということなのである。慌てて行ったら、本当に満席で、危うく見られないくらいであったのである。
本館正面で予約を確認して、バッジをいただいて、会場である資料館に突進なのである。入り口で時間を待って、中に通されるとそこはちょっとした待合エリアになっているのである。このステップバイステップ演出でまた、ワクワク感が盛り上がりまくりなのである。
会場である小さなホールに通されると、とっても綺麗なところで、もう既に映像がむっちゃ綺麗に鎮座ましますのである。
その時点で圧倒されて感激なのである。観劇ではないのである。これは凸版印刷社さまが、トーハクさまと連携して提供しておられる最新技術のようなのである。あたしの地元文京区が誇る凸版印刷社さまも中々やり手のようなのである。
ほどなく始まり始まりなのである。今回のテーマはトーハクさまに展示されている国宝「金銅灌頂幡(こんどうかんじょうばた)」のご紹介なのである。
まぁ、「灌頂」とは、そもそも古代インドで王朝の正統性を担保して、即位に際して行う儀式を指すのである。それが転じて仏教では色々と活用されたものなのである。詳しくはお調べいただきたいのである。
あたしは、それまで偶さか「即位灌頂」のことをそこそこ勉強したことがあったのであるが、大嘗祭を押しのけてでも古代の天皇の即位において灌頂が行われたのであるから、仏教でも最高峰の大切な儀式であったことだけは確かなのである。まぁ、即位灌頂も説明し出すと長くなるので、詳しくはお調べいただきたいのである。
近時の雪風ブログは不親切なのである。先に進むのである。
とは言え、今回の「金銅灌頂幡」とは、仏法を敬うシンボルとしての巨大な装飾のことなのである。
法隆寺の8世紀初頭とされる最初の再建の際に作られ、世界遺産たる法隆寺で使われたものなのである。国宝なのである。現物ではなく、それをリアルなバーチャルリアリティで掘り下げるのである。
あまりに内容を書くとネタバレなので、書かないのであるが、兎に角兎も角、こんなに色々と面白いのかと興味津々丸なのである。
それをナビゲーターさんが、原稿も読まず、映像を操作されながら臨場感たっぷりに細かい技術解説をしてくださったり、歴史的背景を解説してくださるのである。
チラシによれば、「ナビゲーターによる一期一会のライブ上演」とのことなのであるが、看板に偽りなしなのである。これはビックリなのである。
そして、最後はこの国宝の背景となる歴史ロマンにもしっかりと触れてくれて、ホロッと来るのである。構成の雰囲気があたしが歴史を最初に好きになるきっかけのひとつであったNHK「歴史への招待」を思い起こす完成度なのである。
実はホロッと来たのである。
更に、短く奈良のイベントを紹介してくださって終了なのである。あたしはこれを見て、絶対遠からず奈良行きのリベンジを再決意したのである。出口にはパンフレットもあって旅ロマンまで掻き立ててくださるのである。これで人気が出ないはずはないのである。
映像の時に出ていたサイトとトーハクさまのサイトが異なったので、調べたら更に充実したサイトもあったのである。
もう、ブックマークしてしまったのである。絶対にまた行きたいのである。このミュージアムシアターは無料なのであるが、トーハクさまに入場するのは有料なので、年間パスでも買ってやろうかと思うくらいなのである。
今日は見なかったのであるが、現在トーハクさまでは「空海と密教美術展」が開催開始され、まもなく「孫文と梅屋庄吉~100年前の中国と日本」も始まるのである。
コトタマから真言大好きであり、かつ孫文と梅屋庄吉を祝って、日比谷松本楼で会食をしたり、舛添要一さんと孫文の話で盛り上がったあたしとしては、こちらもワクワクなのである。
なんか、あたしの心を見透かされたようなのである。心憎いばかりなのである。
文化財というと、ややこしいもののように感じたり、くすんだ古物のように思う向きもあるのかもしれないのである。ところがぎっちょん、現在大切にされているものは、当時物凄い手間や費用をかけていたり、歴史や文化の豊富な背景とドラマがあるものなのである。モノであるので、職人さんの努力の端から為政者の気合いまで垣間見ることが出来る「素晴らしいファクター」なのである。
どうやら、あたしもこの世界の魅力に片足を突っ込み始めてしまったようなのである。良き哉なのである。
雪風敬白