国内では、盛り上がりに乏しいとまで言われてきた北京オリンピックではありますが、開会されて日本勢の活躍も見られ出すと、盛り上がりが見られてきたようです。

 ボクも関係者数名がオリンピックに出場しておりますので、ボーッとしつつも、それなりに注目をし始めた感じでしょうか。(笑)


 さて、今回は、そんな最中に大変真面目なテーマです。

 皆様もご存知のように、黒海沿岸のグルジアが、独立を目指して抵抗していた親ロシアの「南オセチア自治州」に軍隊を差し向けたことから、ロシアがそれを支援して介入、グルジアを突如攻撃し、大問題となりました。

 グルジアが停戦を求めたものの、ロシアは強硬な姿勢を取り、結局EU議長のフランスサルコジ大統領が仲介したことで、ようやく停戦が成立した形となっています。

 しかし、アメリカは、ロシアが停戦を守っていないと主張して、グルジアに物資支援を目的として、輸送機や艦船を差し向けています。http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080814AT2M1400C14082008.html


 日本から遠く離れた、多くの方々はどこにあるのかもわからない国の紛争という感じであるように思われるかもしれませんが、これはかなり大きな問題となる出来事なのです。

 石油が絡んだ、ロシアと欧米との「綱引き」だからです。


 ソ連崩壊以来、強大国としての面子が潰れてしまった格好のロシアは、プーチン氏以来、只今絶好調という風情にあります。

 BRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国等)とも呼ばれている「エマージング(経済成長中)国家」は、世界経済が停滞し始めた現在、注目の国々です。

 とりわけロシアは、豊富な資源を背景に、これから欧米に対抗しようと、政治的にも中国や中東・アフリカの各国に食い込み、独自の外交による勢力の拡大に懸命です。


 ロシアの背景として、ソ連崩壊後にエリツィン大統領が国営の資源会社を民営化したことから、マフィアの台頭やイギリス石油メジャーの進出を許しました。

 プーチン大統領は、それを必死で国営化し、税制を変更してマフィアの台頭を防ぎ、剛腕でイギリス資本を駆逐しています。プーチン氏が禅譲したメドヴェージェフ大統領も、その路線を引き継いで奮闘中にあるのです。


 つまり、ロシアはイギリスを中心とした欧米資本と喧嘩をしてでも、ロシアの資源関係から追い出して、資源を握った超大国としてのロシアの復活を目指しているのです。

 
 それでは、それとグルジア問題がどのように関わっているのでしょうか。

 それは、この後の「その2」でお楽しみくださいませ。

                                   雪風拝