アトピー性皮膚炎・湿疹に用いる漢方処方-13;葛根湯 | besselwegのブログ

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葛根湯は主に風邪のひき始めに効果があることが知られています。しかし、アトピー性皮膚炎にも効果があるということですので、方剤の詳細を勉強してゆきましょう。

葛根湯: 太陽病期。実証。

葛根湯の使用目標は次のように記されています。

「比較的体力のある人で、炎症性あるいは疼痛性疾患の初期、あるいは慢性疾患の急性増悪期に用いる。 

1)      感冒などの熱性疾患では、初期で悪寒、発熱、頭痛、項背部のこわばり等があって、自然発汗などを伴わない場合。

2)      疼痛性疾患では局所の疼痛、腫脹、発赤などを訴える場合。

3)      患部が発赤し、腫脹し、そう痒感の強い皮膚疾患の初期。」

と記されています。アトピー性皮膚炎については、前文の「慢性疾患の急性増悪期」が相当するようです。とすると、感冒や咽痛などによるアトピー性皮膚炎の急性増悪時は、桂麻各半湯とともに考慮していい方剤となるのでしょう。さらに、炎症性疾患の初期まで含めると、結構種々の皮膚炎の初期に適応を広げることができます。アトピーとは違う疾患ですが、「2」疼痛性疾患では局所の疼痛、腫脹、発赤などを訴える場合」は帯状疱疹が相当する感じですね。

次に適応病態を見てゆきましょう。「自然発汗がなく頭痛、発熱、悪寒、肩こりなどを伴う比較的体力を伴うものの次の諸症:感冒、鼻かぜ、発熱疾患の初期、炎症性疾患の初期(結膜炎、角膜炎、中耳炎、扁桃腺炎、乳腺炎、リンパ節炎)、肩こり、上半身の神経痛、じんま疹」となっており、皮膚炎が入っていません。この点は処方時に注意すべきでしょう。

葛根湯は「太陽病、実証」に用いる方剤ですので、食欲減退、悪心、嘔吐、著しい発汗傾向、著しい胃腸虚弱のように虚証を示す場合は慎重投与になります。さらに、病後の衰弱期、著しく体力が衰えている患者、のように陰証も慎重投与となります。狭心症や心筋梗塞などの循環器系の障害もまた慎重に投与すべきです。

以上を総合すると次のようになります。

葛根湯: 太陽病期。実証。

適応: 項背部にこわばりが著しく、自然発汗がなく、身体的・精神的に比較的充実した人の次の諸症: 

      アトピー性皮膚炎の急性増悪時(保険適応はなし)

      種々の皮膚炎の初期(保険適応はなし)

      帯状疱疹の疼痛(特に上半身のもの)(保険適応はなし)

      蕁麻疹(保険適応あり)

 

本日は以上です。