
【田じ】「でんじ」と読む
暖簾をくぐり中に入ると小綺麗なお姉さんが迎えてくれる。
前から思っているんだけど女の人を指して『小綺麗』と言うのは失礼なのだろうか

『小綺麗』使い勝手のいい言葉なんだけどな
左側がカウンター、右側が四人掛けの小上がり三卓と大人数で座れる座敷、確かそんな構成だった気がする。
カウンターに案内されまずは生ビール
プハ~
うん旨い
カウンターの向こうには、おでんの鍋が二ついい感じで湯気を立てていて
40代後半くらいの出来そうな板前さんが汁を足している、おでん最後に絶対頂こう。この店でもお通しはやっぱり「かきのもと」
今回は敢えて何も言いますまい
二杯目のビールを呑みながら(なんだか新潟だとビールまでも旨く感じるのは気のせいなのか)枝豆を摘む。
俺の尊敬する太田和彦氏が著書にて以前やはり古町に呑みに来たおりに、枝豆は薄皮を剥いて食べると味が格段に良くなると書いてあったのを思いだし、真似して剥いてみる・・・
うん確かに旨い

でも面倒くさっ
皮は剥いても俺には向かぬと、あとはポンポン口に弾き入れる。
だいぶ落ち着いたところで周りを見てみると、客は自分の他には真後ろにいる女性客二人だけのようだ、小綺麗なお姉さんカウンターの端で暇そうに俺の方を見てるし・・・
何か写真撮りずらいじゃないかぁ


『うみぶどう』
お姉さんいなくなった隙にカシャ

これが旨い
独特のプチプチした食感と塩の香りが素晴らしいハーモニーを醸し出していて、一緒に出された酢醤油みたいな汁に漬けるとヌメリが出て更に旨い。 板前さん暇そうにしてて、話し掛けてくれオーラ出してたから、「このうみぶどう凄く旨いですね」とぎこちなく声を掛けてみと、やっぱり嬉しそうに話しに乗ってきて色々と教えてくれた

うみぶどうは管理が大変難しいらしく沖縄から空輸で送られてくるらしい、その後の管理は常温で、なんでも冷蔵庫に入れると溶けてしまうのだそうだ。
水道の水で洗うのも駄目らしく最初に海から揚げた時の海水の塩気そのままの状態らしい。口に入れた時の海の香りはそれだったのかと納得。

馬刺
これは本当に旨い
べらぼうに旨かった
今迄食ってた馬刺は何だったのか
ってくらいの衝撃
前回に本場、会津若松でも食したが申し訳ないけどこちらのが数段上
舌の上で肉がとろけるという感覚を堪能させてもらった。
板さんに今迄食った中で一番の馬刺だと小生意気にも感想を述べると、苦笑いしながらも色々語ってくれた。
他県からわざわざ来た新潟の店で『うみぶどう』と『馬刺』を褒めるのもどんなものかとも思うが・・・
白い切り身は『たてがみ』名前のとおり馬のたてがみの肉、脂身でネットリとした食感、馬肉とのいいアクセントになっている。
三杯目のビール

酒が進むと変に度胸が出てくるもので、小綺麗なお姉さんにチョッカイを出してみる
俺 「新潟って本当にいいところですねぇ」
お姉 「よそからおいでですか?」
俺 「銚子から新潟へ一人旅にきたんですよ」
お姉 「へぇそうなんですかぁ」
少し呆れていたような気がしたのは気のせいか?
俺 「古町初めてなんだけど今日は人あまりいなかったですね、いつもはもっと賑やかなんでしょうね」
お姉 「明日から仕事ですからね、でもやっぱり駅前と較べると人少ないんですよね」
などと当たり障りのない話しから始めて・・・
俺 「お姉さんは地元の方?」
お姉 「いえ生まれは余所なんですよ、今は市内に住んでるけど」
俺 「へぇ新潟食い物旨いしいいとこだよねぇ」
お姉 「ですよねぇ、新潟に引っ越しちゃえばいいじゃないですか
」俺 「それいいね!そしたら毎日お姉さんに会えるね
」 お姉 「うふっ
」 なんかいい感じになってきたぞ・・・
俺 「この後BAR行くつもりなんだけどいい店知らない?」
お姉 「BARですか?え~と・・・」
後ろの二人組 「すいません注文いいですかぁ」
お姉 「あっは~い!」
行っちゃったよ・・・終~了~

・・・・・せっかくの新潟だから日本酒呑もう


最初は【鶴齢】
板さんいわく、今新潟で売り出し中の酒だそうな。
すっきりしていて凄く呑みやすい印象、何杯でも行けそうだ。
お次は【麒麟山】
こちらも新潟の酒
今迄知らなかった自分が無知なだけなんだろうけど、昨日からやたらと目につく酒だ、新潟の居酒屋では定番の酒なのだろうか。
やっぱり呑みやすい、スイスイ行けてしまう。
日本酒には『おでん』

板さんに鍋の蓋を開けて見せてもらう。
はんぺん、薩摩揚げ、竹輪、つみれ、こんにゃく等々みんな旨そうだ

おっと
つみれは銚子産じゃないか、でもここはあえてスルーしよう

はんぺん、こんにゃく、栃尾の油揚げ、玉子。
まずは汁を一口、昆布と鰹のダシが効いていて旨い、栃尾の油揚げはその汁がシミシミで激ウマ

中でも一番だったのは、はんぺん。

一度油で揚げてある珍しいはんぺんだ、新潟ではこれが普通なんだろうか?聞いてみりゃよかった。
揚げてある分普通のものより身が締まっている、かなり旨かった。
板さんに朝方いった寺泊の市場通りの話しをすると、自分も店とは関係なしに個人的によく行くそうだ、特に今の時期はズワイガニが揚がっていて、ズワイガニと言ってもベニズワイで値段的にはだいぶ安くて味はそれ程大差がないからよく買ってきて家で食べているそうだ。
料理屋の板さんがそう言うのなら間違いないだろう、よし明日帰る前に寺泊へ寄ってベニズワイ買ってこよう
しばらく呑んでいると、サラリーマンの団体さんが店に入ってきた。
前にも呑んでいたらしく、特にリーダー格らしき、たぶん上司であろうオヤジは泥酔気味で大声で喋りまくっている
この店いつ来ても一杯で入れね~んだよと板さんに何度も突っ掛かかってるし

店の雰囲気はガラッと変わってしまったけど、これも居酒屋だろう。
俺は嫌いじゃない
最後にもう一杯ビール
を呑んで店を後にした。 料理が旨い、値段も高くないし、居心地もいい、お姉さんは小綺麗・・・本当に素晴らしい店だった。
新潟へ来たら予約して、いの一番にこの店へくるのは間違いないだろう。
もう一軒行きたかったけど、さすがに飲み過ぎ




新潟で喜多方ラーメンを食って〆

二日目の夜が終わった。
つづく