映画「盤上の向日葵」

659本目。映画館で鑑賞。



ある山中で身元不明の白骨死体が発見され、刑事たちは死体と共に見つかった将棋の駒を唯一の手掛かりに捜査を進める。刑事たちは、その将棋の駒が7組しか現存していない貴重なもので、その持ち主が近年プロ将棋界にすい星のごとく現れた注目の棋士・上条桂介(坂口健太郎)であることを突き止める。やがて、賭け将棋の世界で名をはせ裏社会に生きた男・東明重慶(渡辺謙)と上条の意外な関係が浮かび上がる。


柚月裕子の小説「盤上の向日葵」を実写化したミステリードラマ。貴重な将棋の駒と共に発見された白骨死体の身元を調べる刑事たちが、駒の持ち主である若手棋士の壮絶な過去と、裏社会に生きたある男との接点を知る。監督は『隣人X 疑惑の彼女』などの熊澤尚人。『サイド バイ サイド 隣にいる人』などの坂口健太郎、『Fukushima 50』などの渡辺謙らが出演する。


出典:シネマトゥデイ



観た理由は、謙様が出てるから。最近、謙が気になるんだよね。

でも以前は「渡辺謙」と言われても?だった私。



マツケンサンバのケンとファイト一発のワタナベと白血病のケンって区別してたっけ。

まるでミキマキみたいに。



話を戻して。

令和版「砂の器」と言われているラスト間近の出生の秘密に愕然。

いつになったら大人の上条桂介(坂口健太郎)の話が進むのかと思うほど子供の上条桂介(小野桜介)と上条庸一(音尾琢磨)と唐沢光一朗(小日向文世)の話が丁寧に描かれる。


大人になった上条桂介(坂口健太郎)と東明重慶(渡辺謙)の出会いも描かれていたが、上条桂介(坂口健太郎)が東明重慶(渡辺謙)に裏切られてからプロ棋士になるまでが空白すぎて入り込めなかった。


原作には将棋がわかる人には楽しい要素(鬼ころし戦法)だとか棋譜だとか反則(2歩)だとか書かれていたようだ。



もちろん盤上は将棋のことを指しているのは、わかるが向日葵とはなんだろかと思っていたが母親との思い出だったんだね。それはすなわち上条桂介(坂口健太郎)の血とも言えるのかもしれない。



ただ残念なことが二つ。


プロ棋士を目指していた刑事・佐野直也(高杉真宙)が偶然、事件を担当したことは置いといて彼が将棋会館で発見したこと、それは上条桂介(坂口健太郎)が東明重慶(渡辺謙)から「鬼ころし戦法」の手ほどきを受けていたんじゃないかと言う推測だけなのだろうか。もっと重大な発見があれば内容が引き締まるのにと思った。


上条桂介(坂口健太郎)が自分の出世の秘密を知ったあとに自死をしようとして、思いとどまるシーンは東明重慶(渡辺謙)が説得じゃなく駒を指す音で「お前には将棋がある。生きろ」と言わせていて良かった。のだが、もう一つの残念な点はラスト。

たぶん原作と違うんだろうなあと映画を観ながら感じてしまった。それがわからすような作り方なら原作と同じにすれば良いのにと思った。

気になったので原作ネタバレを調べた。予想通りの結末で安心。予想出来るなら映画もストレートに描けば良かったのに。



この作品、ドラマもあるようなので、そっちも観たいな。

そしてエンディング曲が良い。

上条庸一(音尾琢磨)が息子の桂介(坂口健太郎)に対する想いや上条桂介(坂口健太郎)が婚約者の宮田奈津子(土屋太鳳)と結婚出来ないだけでなく父にも裏切られて自分には将棋しかないと認識した心情をメロディと歌詞で訴えて来る楽曲だと思う。

また桑田佳祐さんの声がマッチしてるんだよね。



元々映画スタッフが桑田佳祐さんに楽曲制作を依頼したところ、脚本(映像)を観た桑田佳祐さんが、NHK72時間を観て作った作品を主題歌にと提案されたらしい(もちろん未発表の頃)。wikより。

脚本に当てて作ったみたいなイメージだよね。