2025.11.02日曜日

毎日がエブリデイな会社

吉本美恵(仮名)の実父が亡くなったと聞いた。

そう言えば彼女が入社時に私は彼女の徳島の実家に電話をかけたことを思い出した。

その時に電話に出たのが父親だった。

聞けば当時から毎日の通院治療が必要な病気だったらしい。

私が彼女の実家に電話をした経緯は別の機会で。

その父親が亡くなったとのこと。

就業規則を確認すると実父の逝去による弔事休暇は3日だった。



それを彼女に伝えると「3日⁉️父親ですよ‼️3日しかないんですか」と食ってかかって来た。

気持ちは理解出来る。

私も同じ気持ちだ。でも仕方ない。

私は「申し訳ないけど規則なので。吉本さんの気持ちの整理が出来るまで休暇を取って下さい。お母さんの心身のケアもあるでしょうし。だだし4日以上の休暇は有給休暇を使用するか無給休暇を申請するかのどちらかになります」と独断で対応した。

会社からは弔電と供花を手配した。

経営陣は葬儀に参列する検討をしなかった。

徳島に行ける人材及びスケジュールの問題だろう。

彼女が父親を見送り会社に出勤したのは1週間後だった。

彼女が復帰してから会社は彼女に香典を手渡しした。

49日法要までは頻繁に実家に帰省するだろうと想定した。

しかし彼女は会社に対して不信感を抱いたようだった。(休暇の日数は規則だから従業員全員が同じ条件なのだが何に対しての不信感なのか不明。だが彼女はそれ以降、何かと会社の意向に反発していた。)



ニ年後、会長(社長の父であり吉本の入社時は社長だった)が亡くなった。

従業員で会長の通夜式に参列したのは、社長から直接訃報を受けた私、高倉常務、森本(営業部)の3名だった。森本は社長と学友で入社前からの付き合いだった。

翌日の午後に葬儀告別式を執り行った。

従業員は午前中、通常業務をして午後から勤務内業務として葬儀告別式に参列した。

当然だが葬儀に参列するための服装や持ち物は自前で準備してもらうため前日、一斉に社員に連絡をしておいた。

服や靴を持って通勤するのは面倒だが喪服で通常業務は厳しい。

だから女子は結構な荷物で出勤していた。



その告別式での吉本美恵(仮名)の言動が問題だった。

私は会長の娘3人(息子である社長以外に娘が3人いる)とも旧知だったし、その娘の子供達とも顔見知りだった。

更に会長の妹3人とも顔見知りだったので、ある意味、身内に近い感じで参列していた。

後日、社葬をすることが決定していたため従業員は会長を最後に見送るためにだけ参列させてもらった感じだった。

私が異変に気が付いたのは身内が最後のお別れをしている時だった。



身内以外は一歩引いて身内がお別れするのを待っていた。

私は違う空気の流れに気がついて後ろを振り返った。

吉本美恵(仮名)が号泣していた。

彼女が、号泣するほど会長に想いがあったのが驚きだった。

吉本美恵(仮名)は普段から会長を毛嫌いしていたからだ。

だけど吉本美恵(仮名)の周りがザワついていた。

私は衝撃だった。



吉本美恵(仮名)は号泣ではなく、爆笑していたのだ。

ハンカチで口を隠し俯いていたから泣いているのかと見えたのだが。

周りがザワつくほど声が出ていた。

私は慌てて吉本美恵(仮名)に近づき横に立った。

そして小声で言った。

「場をわきまえなさい。失礼だから化粧室で気持ちを切り替えてきて下さい」と。

吉本美恵(仮名)は笑いながら、その場を立ち去った。

しかし時すでに遅く、吉本美恵(仮名)が笑っていたことは、その場のほとんどの参列者にバレていた。

何故、彼女は爆笑していたのか。

どうやら、会長の娘たち3人(高齢のおばさん)が泣きながら故人のことを「パパ〜」と呼んでいるのを聞いて笑っていたようだ。

たとえ笑う案件だとしても決して声や顔に出してはいけないシチュエーションなのだ。

予想していたがやはり、このことは社長(喪主)の耳に入っていた。

後日、社長から私に事実確認があった。

そんな経緯もあり吉本美恵(仮名)は社長から個人的反感を買うことになった。



一年後、吉本美恵(仮名)が退職した。

実家に戻り母を介護しながら地元で働くとのこと。

当時、私は営業アシスタント業務だったため吉本美恵(仮名)の退職事務に携わっていないので詳細は不明なのだが。

どうやら吉本美恵(仮名)が退職して一か月後くらいに彼女から書面が届いたらしい。

「退職金の振込額と振込日を教えて欲しい」と言う内容だったとか。

確かに当時の求人票には退職金制度ありと記載されていた。

しかし当時、退職する人は勤務歴が浅い人ばかりだったり即日退職したりと円満とは言えない退職者ばかりだった。

社長は頭から吉本美恵(仮名)に退職金を支給するつもりがなかったようだ。

書面が来て慌てて顧問会計士に相談したようだ。

社長は元々根に持つタイプで自分が受けた仕打ちを忘れない。

だから父親の告別式で笑っていた彼女のことを良く思っていない。

だが揉め事も嫌い。更に負ける勝負をしたくない。

で安全策として吉本美恵(仮名)の給料の一か月分を退職金として振り込むことを会計士に提案され妥協した。

本当は一円も払いたくなかったはず。

給料一か月分は通常、「退職予告金」としても支払われる。

今回、会社は退職予告金を支払う義務はない。

本人からの自己都合希望退職だからだ。

しかし本人から退職金の支給を希望されるのは予想外だったため急遽考えて決めたのだろう。

しかし、またもや予想外にも吉本美恵(仮名)から書面が届いた。

内容は「退職金もどきと思われる金額がが振り込まれたけど想定金額より少ない。金額の算定基準を明らかにして欲しい」と言うものだったらしい。

もちろん社長は激怒。

支払うつもりがなかったのに一か月分も払わせておいて礼がないどころか金額に不服とか、ありえないと言うことだろう。←知らんがなって感じだが。

社長は弁護士に相談して今後、先方から文句が来ない内容の文面を作ってもらい送ったようだ。←内容を知りたかった。

そして吉本美恵(仮名)からの連絡は来なくなった。

一応一件落着なのだが、正式に求人票は退職金制度なしに変わった。

ちなみに今は入社後三年経過後から退職制度適用対象となっている。

この退職金問題で、社長は退職金が法的制度ではないことを知った。

だけど退職金がないことで従業員のモチベーションが下がることを知らなかった。

その吉本美恵(仮名)が、退職金制度をなしに変えた。

そして私が、退職金制度あり(入社後三年経過後対象)に書き換える原因となった定年退職者です。


今朝の体重



今日の食事

朝食:なし

昼食:バーグディッシュ


夕食:白飯、2日目のおでん


今日もごっつぁんでした。