2022.05.25
もう4,5年前になるだろうか。
私の仕事を引き継ぐべく後任の社員を募集していた。その時は幸いにも5人ほど応募があった。
珍しくマジの書類選考を社長と会計士で行った。
5人の中から3人に絞ったのだ。
実はその中の1人には書類選考で落ちて欲しかった。何故なら応募書類を見て私は驚いたのだ。
私の近所に住んでいたのだ。
いや近所なんて、もんじゃない。
同じ団地の同じ棟の同じ階なのだ。
私が住んでいる団地はエレベーターは1箇所しかなく必然的に同じエレベーターに乗る。だが私の部屋はエレベーターホールから右側、その応募者の部屋は左側にあるため家を出たら顔を合わすほどではない。しかし駅は同じ。
そんな偶然あるのか。と社長、常務には黙っていた。
しかしその応募者は書類選考に残った。
密かに面接で落ちろと願っていた。
ちなみに私は採用関連の庶務をしているので応募者の履歴書は事前に確認できるわけ。
面接当日、1人目の応募者は当日ブッチ。
残りの2人目(落ちて欲しい人)は時間通りに来て面接、筆記試験が終了。3人目は10分遅刻で面接、筆記試験が終了。
私の予想では遅刻した3人目は不合格だろう。
残った2人目も落ちて欲しいと願っていた。
社長と会計士に私と常務が呼ばれた。
面接の結果、2人目を採用するとのこと。
私の願いは届かなかった。
その応募者の履歴書を見た常務が私に言った。
近くね?
私は近いってもんじゃないっす。同じ町、同じ団地、同じ棟、同じ階です。と説明。
社長も会計士も常務も大爆笑。
しかし決まったことは仕方がない。
私は内緒にしておくこともないので、その人(タマと呼ぶことにする)が入社後に告知しておいた。