仕事に行けなくなり、家に籠りだす。嫁さんは「無理して行かなくていいよ。」と言ってくれるが、それはそれで辛い。というかこの時は何を言われても辛かったと思う。長男(中一)、長女(小4)もなぜ自分がずっと家に居るのか直接は聞いてこなかったが、何かを察していた感じだった。

 

 約2週間が過ぎて、自分の中で何かが変わったわけでもなかったが、家族が居て、自分は父親で、間違いなくこのままでは家族に迷惑をかけ続けることは明らかだった。ただでさえ職場で自分の存在価値を見出せなくなり消えてしまいたいと思うようになってしまったのに、家でも同じように考えるようになってしまっては、もう生きていけない。もう一度立ち上がらなきゃと気持ちを無理やり奮い立たせた。

 その翌日、出勤した。職場へ向かう足取りはものすごく重く、何度も行くのを辞めようかと思い、引き返そうと思ったが何とか出勤することができた。

 自分が思っている以上に職場の先輩、後輩はあたたかく迎えてくれた。自分が気を使わないように今まで通りの自然な感じで迎え入れてくれた。

 それからは、極力自分が出来ないことは出来ないとはっきり考えや意見を伝え、業務を今の自分に出来ることを絞り、できないことに対しては深く考えないように努めた。

 

 そこからうまくいっていたのだが、症状は緩やかであるが確実に進行していった。

 年が明けた2021年1月頃には早歩きも出来なくなり、徐々に歩くことにも違和感を覚え始める。呂律もさらに悪くなり、電話だどかなり聞き返されることが多くなりだす。症状が出始めたころからあった寝起きのふくらはぎのつりも毎日、起きてすぐ足を少しでも伸ばすとつるようになっていた。

 これが非常に辛い。目が覚めてすぐに足に激痛が必ずやってくるのだから。