貴方と歩いた街
貴方と過ごした部屋
忘れられない大切な場所です。
その街を、この部屋を離れます。
そしてもう一つ、
今の会社からも。
長年勤めた会社を辞めるとき
迷う私の背中を押してくれたのはただ一人、
貴方だけでした。
いつもと同じ優しい笑顔で
きっと大丈夫、信じてると言ってくれた。
貴方と二人で叶えた転職…
でも、その会社を離れる決断をしました。
貴方が遠い存在になってからも
心のどこかにいつも貴方を感じながら
精一杯働いてきたつもりです。
そんなとき、新しいチャレンジの誘いが
あったのです。
私の年齢を考えると恐らく最後のチャンス。
それでも、
この会社を、この街を、この部屋を離れる
ことはとても辛く苦しい選択でした。
このマンションは貴方と二人で探して
決めた部屋です。
朝仕事に出掛けるとき、
そして夜仕事から戻ったときに、
もしかしたら貴方が来ているかもしれない、
今でもそんなことを思いながら
貴方の姿を探してしまうのです。
いるはずがないとわかっているのにね。
その部屋を去るということは、
貴方が来てくれるかもしれない、
そんな微かな可能性すらも
完全に消えてしまうことを意味するから…
二度と会えない、その事実と寂しさを
自ら選択することになるから。
けれど、
もし今、貴方が側にいてくれたら
あの日と同じように優しい笑顔で
信じてる、大丈夫、きっとそう言って
応援してくれただろうな。
今度も貴方が力をくれました。
見ることも触れることもできない貴方を
どうしてこんなに近くに感じるのか…
ふと、ありがとうと呟いてしまう。
自然に穏やかで優しい気持ちになっている。
そんな貴方に出会えたことに
今また感謝しているのです。
来週の今日、ここを去ります。
どこへ行っても貴方への思いは変わりません。
いつもいつまでも、
貴方のことを忘れません。
ずっと元気で幸せに暮らしてほしい。
いつか一目会える日を思いながら
さようなら。
ありがとう。