今月 読んだのは…
ミステリー
「 鵼の碑 」 京極夏彦
ホラー・アンソロジー。
「 ジャンル特化型 ホラーの扉 八つの恐怖の物語 」
ミステリー。
「 墓地裏の家 」 倉野憲比古
の3冊。
続けて 京極夏彦 を読もうかと思っていたんですが、
さすがに シンドかったんで 残りは 軽めに読めそうなのを選択。
「 鵼の碑 」 京極夏彦
ミステリー。
『 百鬼夜行 』シリーズ。
〔『 鵺の碑 』 「 登和子 モチーフ 」のトビラ。
よくよく考えると 色っぽい必要性は ないような… 〕
日光のホテルに 逗留中の 劇作家、久住( くずみ )は すっかり様子が変わってしまった メイドの登和子( とわこ )を問いただし、彼女の口から「 人を殺した 」との告白を聞く。
悩んだ 久住は 同じく逗留中の 作家、関口に相談する…。
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薬局に勤める 御厨( みくりや )は「 薔薇十字探偵社 」の
探偵、益田に 失踪した 薬局の経営者・寒川の捜索を依頼。
寒川は 20年前の「 父親の死 」の調査の過程で “何か” を
つかんだらしいのだが…。
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刑事・木場修太郎は 退職した 刑事から 20年前に起きた
「 消えた 三つの死体 」の話を聞く。
当時を知る係長に 無理やり 休暇を取らされた 木場は 日光へと 赴く……。
〔『 鵺の碑 』 本書。
「 鵼 」の造形を楽しみにしてたのに「 ほぼ女性 」で 残念… 〕
文庫待ちだったので やっと読めました。
長い…けど 面白かったですね。
「 キャラ推し 」の傾向が 強めの シリーズではあるんですが、各人物の心情描写( 京極節 )や いつもの面々の言動は 読んでいて やっぱり楽しかったです。
特に「 虎の尾 」を心配する 益田に 軽くツボったかな。
描かれるのが 事件の外側なんで「 事象の中心 」にいる当事者、
「 憑かれた人 」の描写が 少なくて 少々 物足りなかったけど、
後半の 築山(つきやま)の 危うげな心情描写には ワクワクっときましたね。
( 寒川の心情も読みたかった )
それと『 巷説 』の方も 読んでるんで 終盤の アレには チョットしみじみ 来ましたよ。
( 他のも あるんだろうけど 忘れてるんだよね…。
「 一白新報 」なんか『 後巷説 』の 一白翁 のところでしたが
まったく覚えてません… )
それと 内容とは 関係はないけど( チョットあるのかな?)、
序盤の「 鵼 久住加壽夫の創作ノオトより 」の「 幻想譚 」も 京極節が ほとばしっていて かなり好きですね。
「 ミステリー 」としては 前半頃から「 各事象 」の “繋がり” は
何となく わかるものの、さすがに「 真相 」までは たどり着けず こちらも 満足できたかな。
あと、個人的には「 昔の書物 」や「 宗教 」等々の アレコレも 興味深く読めましたね。
( つうか、コレ目当てで 読んでるところがあるよな )
特に「 東照宮 」に関しては「 仏教のイメージ 」がなかったんで 強く影響しているのを知り フツーに驚きましたよ。
「 山王神道 」と「 山王一実神道 」の違い、それぞれの思惑
とか すごく面白かったです。
「 神仏習合 」と「 神仏分離 」の ゴタゴタ、
( 先の作品より 詳しく書かれてた。
双方、結構 ダメージがあったのね… )
神道と 仏教、 仏教同士の「 マウント( 権威 )争い 」※
なんか「 宗教 」のくせに 妙に 俗っぽくてね。
( ※ 表現に 語弊があるけど 無宗教なんで…。
結局「 人がやること 」って 俗っぽくなるんだな )
そうそう、前から気になっていた『 西遊記 』の「 孫悟空 」と
「 ハヌマーン 」の関係にも ちょこっと触れていて そこらへんも スッキリしました。
それと、ノンフィクション『 毒薬の手帖 』で 紹介されていた
「 ラジウム・ガール 」が 出てきたのも 嬉しかったり。
とまあ、こんな感じで いろいろと 堪能できましたよ。
「 墓地裏の家 」 倉野憲比古
心理学 & オカルト系・ミステリー。
「 心理学 」を学ぶ 大学院生、夷戸武比古( いど たけひこ )は 知人から頼まれて「 吸血神 」信奉する宗教、「 神血 壽血教 」の教会がある 印南家を訪ねる。
妻の妙( たえ )の頼みで「 朝から晩まで 観覧車を 見続ける 」
壽血教の「 教主 」で 夫の 印南尊血( いんなみ そんけつ )に会った 夷戸は その後、結婚が決まったものの「 引きこもり 」になった 娘の美盤( みわ )にも 会う事に。
妙と共に 美盤の部屋に向かった 夷戸だったが そこには 亡くなった 美盤の死体が。
その部屋が「 密室 」だったため 自殺と思われたが「 凶器 」は見つからず……。
気になっていて「 リスト入り 」していた作品。
時間の関係で「 昔の作品 」 は 諦めてますが「 ちょっと昔 」のや「 マイナーどころ 」は 挑戦したいんですよ…。
で、本作。
ルチオ・フルチの映画と「 同タイトル 」なところから わかり
ますが 著者は「 ホラー映画 」が好きなようです。
壽血教( じゅけつきょう )が「 吸血神 」を崇め「 自死 」を貴んだりと 非常に「 ゴス的 」だったり、
舞台が 東京なんで 少々弱めだったのの「 ゴシック 」な趣も
感じられたし、教主の「 観覧車 狂い 」も 魅力的で「 雰囲気 」自体は 良かったです。
ただ、文体や キャラ造形は チョット古臭かったかな?
( 本書の 発行は 2011年 )
「 事件 」の方は「 自殺かも… 」な ヤツなんで「 凄惨 」を求めていた身としては 少々地味めでは ありましたが、
終盤の展開で「 ジャーロ 」、「 D・アルジェント 」系の
サスペンス( ミステリー )も 描きたかったとわかり 納得は
出来ましたよ。
特に アレなんか アルジェントの「 某作品 」っぽいんですが、
しっかり 主人公の「 心理学専攻 」が活かされていて 結構 好きだったりします。
アッチの方は アルジェントの アレの「 半分いただき 」でしたけど。
「 本格 」としては 最初のは “しっかり描写” されており 気持ちイイんですが( イイ伏線だった )、
他は「 状況証拠のみ 」だけなんで 納得力が ないんですよね。
まあ、それも 最後の「 多重解決 」につながるので 悪くはないんですけど。( というか 結構好き )
問題は 大事なモノがあるのに「 火を付けた 」り、
主人公が事件に関わる「 理由付け 」関係が 弱かったり、
「 最後 やり過ぎ 」たりと「 整合性 」の部分かな。
これも「 ジャーロらしい 」と言えば そうなんだけど、もう少し 工夫してほしかったです。
あと 気になった「 観覧車 狂い 」設定も、一応 活かされてはいたけれど “拍子抜け” で そこも ガッカリ。
ちなみに タイムリーにも「 二人組 精神病 」として
「 フォリ・ア・ドゥ 」( ルビが ふられてた )が出てきてました。
…という事で「 本格 」としては イマイチかな。
ですが「 サスペンス・ホラー映画 」が好きなら 意外と イケるかもしれません。
個人的には “良かったかな” くらいでしたけどね。

