残りの1冊。
「 ジャンル特化型 ホラーの扉
八つの恐怖の物語 」
編 : 株式会社闇
著 : 澤村伊智、 芦花公園、 平山夢明、 雨穴、 五味弘文
瀬名秀明、 田中俊行、梨
「ホラー」を ジャンル分けし、それぞれの作品を紹介する。
…という コンセプトの「 若者向け 」ホラー・アンソロジー。
後から知ったんですが「 14歳のための世渡り術 」という
シリーズの 一冊でした。
ちなみに 最初の「 はじめに 」において、ジャンル説明と
「 5W1H 」基準による「 ジャンル分け 」をしてます。
あと、各作品の後にも「 解説 」があったり。
心霊ホラー「 みてるよ 」 澤村伊智
「 ランドセルを背負った 背の高い “覗く” 男子 」の話。
「 鼻を突っ込む 」とか 最後まで 顔が見えないところに 不穏な趣はあったけど、ランドセルは 少々 狙いすぎに感じたかな。
オカルト・ホラー「 終わった町 」 芦花公園
皐( さつき )が亡くなったことで町に異変が……
というような話。
ちょっとした “捻り” を 加えてある事で「 田舎のしきたり 」や
「 ジェンダー的 役割 」としての 犠牲者が 浮かんでくるのが 今っぽい。
不条理感のある「 壊れていく人 」の描写や 異様な「 町 」の
雰囲気もよく 好みの作品。
モンスター・ホラー「 さよならブンブン 」 平山夢明
壮絶なイジメに 耐え切れず 死のうとした 少年。
だが、工場跡で ボロボロの猫( ブンブン )を拾い……
という話。
「 イジメ 」が 夢さん らしい「 ひとでなし 」な内容だったんで
それを反映した「 エグい 」展開になると思っていたら、まさかの「 優しさ 」展開。
( そもそも 夢さん、ああ見えて「 優しい話 」も 書くけど )
だけど 少年と ブンブンが 互いに補い合う( 優しさと 強さ )
形で「 共に成長 」する最後が「 ジュブナイルもの 」らしくて
良かったですよ。
サスペンス・ホラー「 告発者 」 雨穴
10年前 撮影した「 動画 」。
その「 切り抜き動画 」が ほぼ毎日 アップされていて……。
「 過去の動画 」の「 切り抜き 」を使った 謎の投稿者による
「 告発 」を巡る話。
この著者という事で「 切り抜き動画 」で “あっ!” と気付く仕掛けがあるかと思っていたので チョット拍子抜けしたかな。
それでも「 過去の動画 」の消去が 思いのほか サスペンスで
結構 好きではあります。
最後は “子供に戻って” も よかったかもね。
シチュエーション・ホラー「 とざし念仏 」 五味弘文
文化祭の「 お化け屋敷 」。
「 ホットケ 」と呼ばれている 臼井と「 仕掛け 」を担当した
僕は 当日に「 ドラム缶 」に閉じ込められてしまう……。
何となく『 お勢登場 』を思わせる内容だったな。
ドラム缶内の「 狭くて 暑苦しい 」描写もイイけど、
走馬灯のように 思い出された「 死 」を強く想起させる
「 子供の頃の エピソード 」が すごく効果的で 印象に残りましたね。
「 イジメの暗喩 」っぽくなってるのも( 若者向けなので)
評価したいところ。
SFホラー「 11分 」 瀬名秀明
学校の朝の会。
代理の先生から「 ○○○○は なくなります 」と伝えられた
生徒たちは……。
あまり期待してなかったんだけど かなり面白かった。
「 自由( 意志 )」や「 自己 」、人間社会の “覚束なさ”、
そこに付け入るモノ( 極端な考え )など いろいろと要素が
多く、内容が深いのがイイ。
後半にも「 仄めかし 」があったりと 終始 “揺さぶられる” 話
でしたね。
怪談「 学校の怖い話 」 田中俊行
4つの「 怪談 」を紹介していて、リンク先から「 音声 」で
聴けるんだけど「 語り 」には 興味がないんですよね。
「 話 」も『 ハマダノゾミちゃん 』は 好きだけど 他はイマイチでした。
モキュメンタリー・ホラー「 民法第961条 」 梨
「 学級文庫 」にあるという「 読んだら怖くなる本 」。
その本の タイトルは『 14歳の世渡り術 』らしく……。
個人的には あまり「 モキュメンタリー 」っぽさは 感じなかったんだけど、
タイトルから感じる「 硬さ 」とは違う流れ、それでいて 掴みどころのない「 不穏さ 」も感じられ 面白かったです。