これは 映画『 箱男 』についての感想である…
「 箱男 」(日/2024)
安部公房の小説『 箱男 』を 映画化。
監督は 石井岳龍。
読んでから見るか、見てから読むか…安部公房は 読んでからだ!…という事で「 原作 」を読んでから 鑑賞。
個人的に ジャンルは「 不条理・心理系の人間ドラマ 」になる…のかな。
映画公開時、『 映画秘宝 10月号 』での 監督インタビューを読んだ時や それで「 過去の企画頓挫 」を知った時は「ふ~ん」という感じだったんですが、
原作を読んだ後には「 アレを映画化するの ムリじゃね? 」と
いう気持ちが 湧きましたね。
なので、あまり期待はしていなかったんですが、
フタを開けてみれば 多少アレンジは されているものの、ほぼ
そのままで 感心しましたよ。
映画に取り入れると 散漫になりそうな「 のぞき少年 」や、
原作でも チョット浮いていた?「 切手 」のくだりを ばっさりカット※ したことで スッキリし、見やすくなってましたね。
( ※ そもそも 尺の関係で 入れられないと思うけど )
オチは 少々 唐突な感があったけど、今風で 分かりやすかったので 悪くなかったです。
と、ここから「 画像 」。
ちょこっと「 ネタバレ 」あります。
ちなみに 内容についての詳しい感想については 読書レビュー
『 箱男 』記事の方を読んでください。
〔『 箱男 』 タイトル 〕
タイトルバックは「 箱の中 」( のぞき穴 )。
「 英題 」よりは その前出て来た 漢字のヤツの方が 良かった。
〔『 箱男 』 箱男 〕
永瀬正敏 が演じる、ダンボール箱を被った 箱男の “わたし”が
主人公。
わたしは 箱男を「 目に入らない存在 」と認識してるけど、
傍から見ると 単に「 ヤバそうな人 」として 避けられてるだけに見えるのが 悲しくも 笑えます。
この箱男のビジュアルが なかなか良くて「 原作 」を読んでる
( あと『 メタルギア 』やったことある )と 心に響きますね。
〔『 箱男 』 箱男を襲う、ワッペン乞食 〕
箱男を目の敵にしている ワッペン乞食も まさかの 登場!
それを 渋川清彦 が演じていて 2度 驚く。
「 映画 」では “ハンター” になっていて アクションの流れに
なるんですが、これはこれで 程よい「 エンタメ要素 」になっていて 悪くなかったです。
〔『 箱男 』 空気銃の男 = ニセ医者 〕
「 箱男が 空気銃の男に狙われる 」場面、原作では あっさり
描写でしたが こちらも ちょっとした追跡劇になってました。
〔『 箱男 』 箱の中「 脚だろ、脚。」 〕
少しだけでしたが「 箱の中 」の映像も ありましたよ。
上画像では「 足のデッサン 」ですが「 写真バージョン 」も
あるなど「足フェチ」要素も しっかり再現されていて 好印象。
ただ「 箱の中の書き込み 」が あまりなかったのは 少し残念。
〔『 箱男 』 謎の女と 彼女が渡した 5万円 〕
「 謎の女と 5万円 」のくだりの場面も 良かったな。
でも、最初の箱男の化粧?は チョット違和感。
〔『 箱男 』 ニセ医者と 看護師の葉子 〕
ニセ医者 役は 浅野忠信、 看護師 役は 白本彩奈。
〔『 箱男 』 軍医( 左 )と ニセ医者 〕
ニセ医者が 世話をする 軍医を演じるのは 佐藤浩市。
軍医には ある「 完全犯罪 」の目論見があり…のくだりは
説明不足で わかりづらいかも…。
〔『 箱男 』
箱男を倒して「 箱 」と「 手記 」を手に入れた わたし 〕
キー・アイテム、箱男たちが受け継いできた「 手記 」。
原作では 途中から「 信頼できない語り手 」の展開になって
混乱しましたが…
〔『 箱男 』 ニセ医者の「 手記 」偽造 〕
映画では 書き手が分かるので ちょっと 分かりやすくなってました。
あと ここ、ニセ医者が「 文字をマネる 」時に装着する ハンドマシン?が 妙にハイテクで なんか可笑しかったですね。
〔『 箱男 』 ニセ医者への浣腸 〕
「 フェチ 」や「 特殊性嗜好 」要素もある 本作。
さすがに「 浣腸 」は カットするだろうなと思っていたら
ちゃんと ありましたよ。
白衣が ビニール系?の質感なんで「 ビザール(SM)感 」も
若干 感じられるんですよね。
原作未読の方は なんだコレ…と思ったかもしれませが、
安心してください、原作にも「 浣腸 」あります。
〔『 箱男 』 「 箱男 VS. 箱男 」1 〕
この「 わたし 対 ニセ医者 」の絵面 好きだな。
〔『 箱男 』 「 箱男 VS. 箱男 」2 〕
この「 箱男 対 箱男 」のアクションも 一風 変わっていて
オモシロい「 画 」でしたね。
そうそう、ちょっと わかりづらかったけど、対決の前に
「 ワニの ぬいぐるみ 」に 砂を入れて 殴打武器「 ブラックジャック 」を作る描写が ちゃんと あったのも良かったな。
〔『 箱男 』 ニセ医者の「 詐称 」の言い分 〕
あと これは しょうがないだけど、「 ニセ医者の言い訳 」
( 事情聴取 )の場面、
原作では 好きな場面なんですが 映画では セリフが少なくて
滑稽さが薄まってましたね。
〔『 箱男 』 病院を「 箱 」に… 〕
わたしは「 箱 」を「 サナギ 」に例え、看護師・葉子が “それ” を破る存在だと思い始める。
そして 病院を「 巨大な箱 」に見立て 2人で暮らす事に。
だが、居心地のよさからか、いつまでたっても わたしは
「 箱 」(サナギ)から出よう( 成長しよう?)とはしない。
〔『 箱男 』 葉子の決断「 箱を捨てよ 外へ出よう 」〕
葉子は そんな わたしに愛想をつかして(?)出ていく…。
ここ、映画を観終わってから しばらくして 気付いたんですが、
昆虫の「サナギ」完全変態と「 特殊性嗜好 」性的なヘンタイ、
意図があるのか 偶然か「 ヘンタイの ダブルミーニング 」に
なってる(?)んですよね。
人から愛されようが 社会に出ようが「 性の性質 」( 嗜好 )は変わらない、それを抱えて 生きていくしかない、そんなことも感じ取れる…かも?
…と、それは どうでもいいとして、
主要人物で 唯一 名前が ちゃんとあるのが 看護師の葉子。
女性なのが ポイントで、原作では 軍医の妻にも 名前がありましたね。
( 原作では 男で ショパン と呼ばれる人物が出て来るけど、
見るからに あだ名っぽい )
個人的に ここらへんは 安部公房が抱える 女性への「 憧憬 」と「 畏怖 」を感じられたかな。
〔『 箱男 』 終盤、みんなが 箱男( 見る側 )〕
で 最後、原作では わたしが 葉子を捜して「 箱の中の “外” 」?を彷徨う、妄想チック( 現実逃避 )な結末になってましたが、
映画では そこから 少々強引に「 ネット社会( の匿名性 )」へと 今風に繋げて キチッと締めてましたね。
ちなみに「 上画像 」、タイトルバックの「 箱の中から見る 」から「 箱から見られる 」へと 逆転の構図になってます。
という事で、個人的には イイ感じに 映画化していたと思うので
評価は 高めですね。
なんか…救急車のサイレンが聞こえてきた。





















