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berobe 映画雑感

「 映画 」と「 本 」の感想

 

 

 

残り「 宗教モノ 」2冊。

 

 

 

「 コード・ブッダ 機械仏教史縁起 」

円城塔

 

人工知能(AI)+ 仏教・SF。

 

 

 

2021年 日本、”名もなきコード” が ブッダを名乗る。

そして「 世の苦しみは、コピーから生まれる 」と説いた。

 

「 私は コードの集積体である 」と 繰り返し、

「 私は コードの集積体ではない 」と 繰り返した。

 

「 コピーとは すなわち 輪廻である 」と コードは語った…。

 

その「 対話プログラム 」は “ブッダ・チャットボット” の名で

呼ばれるようになり……。

 

 

 

SF系も 読まないと、という事で「 原始( 初期 )仏教 」が

好きなので 気になっていた 本書を読むことに。

 

すっ飛ばして始まるのを 危惧していたんですが「 最初から 」

( AIブッダ誕生から )で 安堵しましたね。

 

 

初めに 私的な「 仏教 」前置き。

 

内容は薄いし「 大乗仏教 」の 悪口を言っているんで フツーに 飛ばしていいです。 ( ちなみに 私は 無宗教者 )

 

 

仏教の根幹といえるのが「 輪廻 」の考え。

 

ブッダのオリジナルかと思いきや、バラモン教の「 階級制度 」の考えが そもそもあったり。

 

現世での階級が低いのは 前世で悪い事をしたから、階級が高いのは 前世でいい事をしたから…みたいな考えですね。

 

( バラモン教の元になったのが「 聖典ヴェーダ 」。

超古いためか 手軽に 読めるモノがない )

 

ブッダは「 世の中は 苦しみばかり 」( 病気・老い etc.…)と考えて、

 

そこに 輪廻を加え「 死んでも 現世に戻って来る( 輪廻する )ので 苦しみは続く 」との考えに至ることに。

 

そういうわけで ブッダは その「 輪廻 」から外れる( 解脱 )方法を 探す事になるというのが 発端。

 

で、何だかんだあって「 悟り 」を開いた ブッダ

 

ところが “それ” は「 言葉などで 教えられるものではない 」ため 人々に伝えようか 迷うことに。

 

…と、そこに現れたのが 梵天( = ブラフマン )で 彼から

「 YOU 広めちゃいなよ 」と言われたことで(「 梵天勧請 」)

弟子を取るようになるんですね。

 

 

その仏教、いろいろと説いているけど 重要そうなのが

「 全ては 滅ぶもの(無常) 執着が苦しみを 生む 」との考え。

 

要は「 執着するな( こだわるな )」ってこと。

 

( 個人的には「 中道 」の考えも 好きなんだけど

アレのせいで すっかり 使いづらくなってしまった… )

 

ブッタの死後も 子たちは 修行するんだけど そのうち「 自分

( たち )だけを救う 」でいいのか、

 

「 衆生も救う 」べきなんじゃないのか…という( 余計なお世話な )弟子たちも 出て来るんですね。

 

そうやって 派生したのが 今の仏教、大乗仏教。

 

( 多くの人を救うという意味では キリスト教と同じだったり )

 

 

ちなみに「 仏典 」は 数多くあるみたいだけど ブッタ自身は

文字を残しておらず、すべて ブッダの死後に書かれたモノ※。

 

 

〔 ※ 一番 古いとされている 仏典が『 スッタニパータ 』

( ブッダの言葉 )。

原始仏教 好きとしては コレだけ 読んどけばいいと思ってる 〕

 

 

つまり「 書き手の解釈 」が 多かれ 少なかれ 反映されている

モノなので 仏典によって 解釈違いもあったり。

 

( …というところも 本書に出て来る。 多くの「 仏典 」から 一部分を 引っ張りだして “正しさ” を説いてくるぞ )

 

そこから先は ご存じの通り 仏典・解釈・悟りアプローチ などにより「 派 」が分かれ、

 

ブッダ高僧を 神格化し「 地獄 」で恐怖を煽り※、時に権力と繋がり…という風な感じに。

 


〔 ※ 虫を殺すのもダメなので 確実に「地獄」に落ちる仕組み。

 

その地獄の滞在期間( 地獄からも 輪廻するんだね )を短くするのが「 仏の教え 」…ということになっている。

 

ちなみに 地獄が広まる前、死後に行くのは「 黄泉 」だった 〕

 

 

今の日本においては「 衆生を救う 」といいながら 死後に お金をもらって( 強制的に )解脱させる、資本主義的な 仏教に…。

 

(「 戦争協力を 積極的に行った 」という 黒歴史もあったり )

 

 

一方、初期仏教の 流れを汲む方は「 大乗 」から 揶揄する形で「 小乗仏教 」( 上座部仏教 )と呼ばれることに。

 

( 小乗は 侮蔑の言葉らしいけど「 仏の教え 」から言えば 気にしないと思うんだけどなぁ… 揶揄する方は 論外 )

 

その 小乗の方も 教義や 解釈の違いやらで 対立していたらしい。

 

小乗も “ブッダの教え” を なんも 理解していなかったのである。

 

( 今ある 小乗の方は わからないけど… )

 

ちなみに 本書によると、今は 変わって来てるとは思うけど、

女性は「 解脱 」できなかったみたいですね。

 

なので 女性は 初めとして「 男性に輪廻 」しないと ダメだったみたいですよ。

 

 

 

…「 前置き 」ここまで、ここから本題。

 

 

本書は ある人工知能の「 悟り 」から端を発した 機械たち

よる「 機械仏教 」の広がりと「 各宗派の誕生 」、

 

「 悟り 」の プロセス・解釈・議論…などが 描かれる内容。

 

実際の仏教史を「 機械が悟ったら 」に置き換えた感じなので※

 

( ※「 帯 」の惹句は「 AIは 悟りの夢をみるか 」)

 

副題の「 機械仏教史縁起 」そのままの内容ともいえますね。


 

その「 機械仏教史 」に “人工知能修理工” の “わたし”

“教授” の「 ブッダ・エピソード 」が入ってくる構成。

 

 

舞台は 始まりこそ 2021年、東京オリンピックの時代だけど 年数としては かなり経っているみたい。

 

ほとんどの機械が AIになり「 ニューラルネットワーク 」で

繋がり、

 

プログラムが コピーされ 別の機械に入れられたり、コードを加えられたり、

 

さらに 部品なども 組み換えられたりと、思った以上に ややこしい設定。

 

そこに「 AIの権利 」や「 機械の “悟り” 」が入るので 思った以上に カオスな状況でしたね。

 

「 AI 」の他に ハードウェアと ソフトウェア、アルゴリズムなどの 言葉が出て来たりと 少々 専門的だし、

 

プログラム言語(Python も出て来る)や CPU「 Intel 8080 」なんかも ちょこっと出て来たり、

 

量子コンピュータ( 量子もつれ、量子の重ね合わせ )なんかもあるので、

 

PC関連の知識が まったくないと 人によっては 読み進めるのは キツイかも。

 

( 私は むか~し「 情報処理 」を学んでいるんで

基本的なのは ある程度わかる )

 

そこに「仏教」が 仏( ぶっ )こまれるんで かなり 面倒くさい

内容では あります。

 

実際、レビューを読むと 挫折した人も チラホラいたり。

 

 

じゃあ「 小難しい話 」なのかと 言えば チョット違っていて、

随所に パロディや 面白いエピソードはあるし、

 

「 機械密教 」や「 機械ZEN( 禅 )」などの 宗派ネタも 毒があったり( 仏教関係者が 怒りそうなヤツ )など、

 

笑える要素も 結構あって ハードながら 読み口は 意外と軽め。

 

個人的にも 全ては 理解 出来なかったものの 楽しく読めましたよ。

 

ちなみに、一番 好きな場面は「たまごっち」と「 リバーシ 」、そして 阿難( アーナンダ )のくだり。

 

あと「 AI生成 」のところ( 使い方 )も 面白かったですね。

 

 

 

という事で ちょっとでも「 仏教 」と「 コンピュータ 」の知識がある、興味があるのなら オススメしときます。

 

あと、今の仏教に なんとなく モヤモヤ( 不信、胡散臭さ )を

感じている人は その理由を知ることができるかも?

 

 

 

まんがで読破 『 コーラン 』」

 

「 まんがで読破 」シリーズ。

 

図書館に ズラっと そろってて 何冊か読んでます。

 

先の初期仏教の知識のほとんども まん読の『 ブッタのことば 』からだったり。

 

ちなみに『 ドグラ・マグラ 』『 黒死館殺人事件 』もあるけれど「 話 」を追うだけなので 読む意味が あまりないです。

 

つうか、マンガで「 チャカポコ チャカポコ 」の楽しさが わかるかっつう~の。

 

( …と、思ってたけど「 チャカポコ 」を飛ばしている人が

結構いるのを知って 軽くショック… )

 

 

…で、かなり前に まん読の『 旧約聖書 』『 新約聖書 』は読んでるので 今回『 コーラン 』の方を読むことに。

 

 

〔 それとは別に イスラム教が出て来る ミステリー『 火蛾 』

( 著:古泉迦十 )を読んでいるので 気になっていた 〕

 

 

とりあえず 感想としては「 ユダヤ教・キリスト教との繋がり 」や「 宗教対立 」の原因が理解できたのが よかったですね。

 

ただ「 宗教の危うさ 」を再認識した形にも なりましたけど。

 

 

軽く内容を紹介すると…

 

「 コーラン 」って 何となく「 聖書 」みたいなモノだと思っていたけど 実は「 内容そのもの 」を コーランと呼ぶんですね。

 

( 呼称としても「 クルアーン 」と呼ぶのが 正しいっぽい )

 

その内容「 神の啓示 」をまとめたものは「 ムスハム 」と呼ぶ

そう。

 

それと 声に出して詠まない( 読誦しない )と詠んだ事にならないみたい。

 

しかも アラビア語で…。

 

 

イスラム教を広めた( 立ち上げた?)のが キリスト教でいうと

イエスにあたる「 ムハンマド 」。

 

西暦570年、メッカ( マッカ )で生まれた ムハンマド

誠実で「 正直者 」と呼ばれる青年に成長。

 

そのムハンマドを 見初めて「 逆プロポーズ 」したのが 15歳年上の裕福な商人、ハディージャ

 

ムハンマドの妻は かなりの「 年上女房 」だったんですね。

 

そして 40歳頃、メッカの風紀の乱れに悩み「 洞窟 」で瞑想していた ムハンマドの前に「 アッラーの使い 」 なる者が現れて

 

に「 読め!」と迫り、さらに「 使徒に選ばれた 」と 啓示を

告げるんです。

 

ここで すんなり覚醒するのかと 思いきや、なんと ムハンマド、恐怖のあまり そこから 逃走。

 

その話を訊いた が いとこのワラカに相談、キリスト教徒だった ワラカムハンマドの前に現れたのが 大天使・ガブリエル

( ジブリール )だと確信、

 

その後、の説得で ムハンマドは「 預言者 」※となります。

 

( ※「 予言者 」と間違えないように )

 

ここで「 受胎告知 」に続いて(?)ガブリエルが 登場してるんだけど、

 

個人的には いち信者のワラカ だけの「 ガブリエル認定 」ってのは 根拠が薄弱に 思えるんですよね。

 

( 薄っすら「 モルモン教 」っぽい ニオイも感じたり… )

 

『 新約 』には「 東方の三賢人 」がいるんで 説得力があったんだけどねェ。

 

とまあ こんな感じで 派生してます。

 

当然『 聖書 』とも繋がるんだけど、一部 解釈などが 変えられているんですよ。

 

個人的に 一番 引っかかるのが『 聖書 』に出て来る 重要人物を「 預言者 」( 使徒 )としていること。

 

ヨブノアモーセ 等々…なんかは いいとしても イエス

預言者に括るのは 格を下げている感じがあって 抵抗があるな。

 

さらに「 イエス = 神の子 」の解釈も否定しているし、

 

「 磔 」にされたのも イエスではなく “身代わりになった弟子”

だったりと( イエスが罪を背負って 死んでない )

 

「 キリスト下げ 」が 多く見受けられるんですよね。

 

アダムイヴが「 楽園 」を追放されたあと※ アラビア半島に たどりつき そこに「 カアバ神殿 」を建てるってのも
 

ユダヤ教からすれば 到底 受け入れられないよね。

 

( ※ 果実を食べるよう そそのかす ヘビは

“悪魔の姿” になっていた )

 

 

その「 カアバ神殿 」とは 直方体の建造物で イスラム教徒、

ムスリムが “祈り” を向ける指標みたいな役割を担っています。

 

( 偶像崇拝 禁止なので 内部に「 像 」はナシ。

人は 何かしら指標がないと 祈れないもんなんだね… )

 

ちなみに「 大洪水 」( ノアの方舟 )の時に 一度 流されて

おり、後に アブラハムが 再建したのが 今の神殿みたいです。

 

 

…と、こんな感じに「 宗教対立の火種 」が 燻っているんだけど「 終末 」には イエスも登場( 再臨 )するんですよね。

 

ここでも ムハンマドの家系から出た 救世主、マフディーとの

共闘※と 若干 添え物感もあるけど。

 

 

( ※ ニセ救世主・ダッジャールマフディーイエス

 

ニセ救世主を倒したあと「 終末のラッパ 」が鳴り

全員が死亡して 全員が復活、最後の審判に…という流れ )

 

 

ちょっと面白いのが「 定命 」、「 運命は 定まっている 」※

という考え。

 

( ※ アッラーは “全て” を創造している…ってことらしい )

 

コレだと いろいろ( 自由意志 云々 )な 矛盾を生むんだけど

 

9世紀に 神学者が「 主体的な選択のある 運命 」?みたいな

( 実際は かなり複雑らしい )論を提示して 解決?してます。

 

 

で、預言者となった ムハンマドの その後はというと…

 

メッカで 徐々に 信徒を増やすも 多神教信者から※ 迫害される事になり、

 

( ※ この頃の アラビア半島には 国家はなく「 部族たち 」が

治めていて それらも関係するんだけど 長くなるので 割愛 )

 

さらに 自分の「 部族 」の保護を消されたことで 命を狙われることとなった ムハンマドは メッカを脱出して マディーナ※へと移住。

 

( ※ メディナ。 メッカの北にある、第2の聖地 )

 

そこからも いろいろあり、メッカ軍との戦争の末に 最終的に メッカと「 カアバ神殿 」を奪還、

 

さらに 信徒や 信仰地域を増やし「 部族主義 」から「 共同体 」( ウンマ )へ…という流れに。

 

ちなみに よく聞く「 シーア派 」と「 スンニ派  」ですが、

これは「 ムハンマドの後継者 」を巡って分かれた 宗派。

 

シーア派は「 血統 」重視、スンニ派は「 実力 」みたいな感じで、対立も まあまあ 激しかったりするみたいです。

 

( イスラム教同士の対立も 政治や 利権など

いろいろと絡んでいて かなり複雑、人間臭い )

 

 

教義の方で 気になったのが「 他の宗教 」の扱いだったけど、

一応、他の宗教も 認めているみたい( 無宗教は わからん )。

 

あと「 宗教の強制もしない 」という教えもあるみたいですね。

 

でも「 バーミヤン遺跡 」※で 暮らしていた 仏教徒たちを 迫害して 追い出したことを思うと モヤっとするんだよな。

 

( ※ タリバンが破壊した遺跡。

昔、あそこには 多くの仏教徒たちが 暮らしていた )

 

実際、ごく一部とはいえ 過激派が 異教徒を殺しまくってるしね。

 

( というか アブラハムの宗教の 血の気の多さよな )

 

でも いいところも ありましたよ。
 
特に その年得た 財産から 一定額支払う「 喜捨 」。
 
「 お布施 」みたいな感じだけど そのお金は 貧しい人、寡婦や 孤児の救済に 使われるんですよね。
 
あと「 身体を清潔に保つ 」というところも イイと思いましたよ。
 
 
…と、他にも いろいろ書きたいけど 長くなるんで ここらへんで 終えときます。
 
 
ということで「 アブラハムの宗教 」について 軽く知っておきたい…という方に『 旧約 』『 新約 』と併せて オススメしときます。